356: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/03/30(水) 00:46:10.41 ID:1CHoKoAWo
「……先に、フライアに帰投させてもらう」
「マルドゥークの事もある……コアの解析は極東に預けるが、"血の力"の第一人者はこちらにいるのでな」
そこまで言うと、ジュリウスは私達に背を向ける。
だけど、彼はその場から動かなかった。
「……いつかまた、お前達と交わることもあるだろう」
「その時は、よろしく頼む」
今度こそ、ジュリウスが歩み出す。
心だけでも、共にありたい。
私の意志は、ジュリウスに届いただろうか。
出された問いに、満足のいく解は見出せただろうか。
昨夜の彼の言葉を信じるならば、私もまた、託された居場所を守らなければならない。
「ねぇ、今のって……」
「えぇ……私達も、"神機兵"に負けてはいられませんね」
「……"元通りになれなくても、前に進める"、ってな」
答えが出るのは、もっと先の話だ。
決意を新たにする友の傍らで、私は改めて隊長としての覚悟を固めようとしていた。
534Res/441.23 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20