222: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/01/19(火) 01:41:13.68 ID:Z5yxWWDco
「人間を捕喰の対象にした後も、まるで作業みたいに……」
「……だけど、段々、喰われる人々の反応に、楽しさを見出すようになっていくんです」
自然と、顔が俯く。
声も、握り込んだ拳も、微かに震えていた。
状況に翻弄されていた当時より、ある程度頭の冷えた今の方が、より鮮明に、あのおぞましい感覚を思い出してしまう。
「……その感情が、私にも流れ込んで、きて」
説明するだけなら、と思っていた。
だけど、こうして口に出すことで、尚更あの惨状にいたという事実を実感させられてしまって。
「アラガミの思考を読み取るうちに、まるで私自身がそう思ってるみたいに、錯覚しそうに、なって」
口を噤んでしまいたい。
……でも、伝えなきゃ。
少しでも役に立たなきゃ、私は――
「それが、当然みたいに感じてしまうのが怖くて、私――」
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