209: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/01/12(火) 02:01:03.18 ID:sot8cAHCo
――視界が、ぐにゃりと歪む。
意識がここに引き戻された時、待っていたのはアラガミの反撃だった。
脇腹に直撃をもらい、後方に吹き飛ばされる。
私はまともに受け身も取れないまま、壁に背中を叩き付けた。
「うぶっ……!!」
一連の衝撃が止み、今まで身体にかかってきた負荷と、直前に流し込まれた映像と悪意が一度に戻ってくる。
絶えない悪臭も合わさって、私は堪え切れずに嘔吐してしまった。
折れた肋骨の痛みも構わず、血液混じりの吐瀉物を撒き散らす。
その隙を、アラガミが見逃すはずもなかった。
瞬く間に私との距離を詰め、接近に気づいた私の上体を、先ほど傷つけた方の前脚で壁にめり込ませる。
磔にされた左肩と腕は軋み、今にも踏み砕かれんとしていた。
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