19: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/08/14(金) 20:15:41.05 ID:l08ZVGCi0
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ジュリウス指導の下、基礎訓練と実地訓練を交互にこなしていく中で、3つの事件が起こった。
1つ目は第4の"ブラッド"候補者、ギルバート・マクレインがフライアに編入されてきたこと。
ギルバート……通称ギルはグラスゴー支部で5年の経験を積んできた、22歳のベテラン神機使いで、
紫のファー付きジャケットに羊毛付きの帽子、スマートながらも長身な体躯が目立つ外見をしている。
そんな彼に対してロミオがグラスゴーでの過去を追及し、ギルがそれに右ストレートで応じたのが事件の始まりだった。
元々仲がいいと言えるほどの関わりもまだなかった"ブラッド"だけど、これによって一気に場の雰囲気が冷え切ってしまった。
小さな願望で神機使いになった私だけど、明日には死体として野に転がっているかもしれない職業柄、
わざわざチーム内の諍いでその確率が高められるのは望ましくない。
それに、短い期間とはいえ、それなりに人となりがわかっているナナの落ち込んだ表情を見るのは、何だか心苦しかった。
ジュリウスからもそれとなく期待の眼差しを向けられている気がしたので、私は意を決し、ギルを説得しに行くことにした。
結果から言うと、とりあえず説得には成功した。しかも、一言二言であっさりと。
正直拍子抜けだったけど、ギルも存外気配りのできる性格だとわかったのは収穫だった。
尤も、第一印象で失敗したロミオ相手ではそうもいかないらしく、以降も小さな口論は続くことになった。
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