188: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/12/21(月) 00:04:59.51 ID:l2omP2Lio
わからない。
ギルも、ナナも、シエルと同じ目をしている。
私に、期待できる事なんてないのに。
結局、この戦いで何も見つけられなかったのに。
彼らが私にどんな価値を見出しているのか、私自身にはまるでわからなくて。
「……私らしさって、何?」
「えっ……?」
つい、禁句が口を突いて出てきてしまっていた。
「それがわからないから、私はこうやって……!」
そこまで言いかけたところで、呆気に取られた仲間の様子を見た私は、ようやく我に返った。
「……ごめん、何でもない」
彼らは未だに言葉を失っているようだった。
当然だ。
私だって、自分で理解するまでは口外しないつもりだったのに。
任務中の判断ミスといい、以前にもまして、より自制が利かなくなってきている事を嫌でも自覚する。
「……いや、何でもないってことは――」
『緊急事態です!市街地エリアに、新たなアラガミの発生が観測されました!』
問い質そうとするナナを遮るように、オペレーターから無線が入った。
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