160: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/10/02(金) 01:49:51.60 ID:NGMN6bPho
「……すまない、辛いのはお前も同じだったな」
鬼気迫る勢いだったジュリウスの表情が和らぎ、代わりに自嘲気味な笑みを形作る。
「……思い込みが強すぎる面はあるが、お前には仲間の危機を自分の責任のように捉えられる、優しさがある」
「その"血の力"も、お前の暖かい本質からくるものなんだろうな……」
「……そんなお前になら、"ブラッド"を任せられる」
「……それは、どういう――」
――彼の発した言葉が、呑み込めなかった。
「言葉の通りだ……俺は、"ブラッド"を抜ける」
「以降はフライアでラケル博士と共に、全力で"神機兵"の強化に取り掛かるつもりだ」
「無人制御の"神機兵"が戦場を支配するようになれば、もう神機使いが危険を冒す必要はなくなる」
理解を拒み、狼狽える私の様子を余所に、ジュリウスが何かを私に手渡す。
手に取ってみると、それはディスク状の情報記録媒体だった。
「後で皆と見てくれ」
「"神機兵"の調整には、もうしばらくかかる」
「だから、神機使いが戦い続けずに済む、その時まで……あいつらを、頼む」
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