119: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/06(日) 01:58:00.60 ID:CwQRhC1A0
「よーし!てなわけで……こいつもやるよ」
握手ついでに、ロミオが懐から取り出した小物を私に手渡す。
黄色の缶バッジが一点に、同色のワッペンが一点。
もう一つ手に握らされた、花びら型のバッジが目を引く。
「ナナじゃないけど、仲直りの印に、ってやつだ!……礼はいらないぜ」
「う、うん……?」
「おい、何だよその反応!?」
「……副隊長さー、たまにはその制服以外も着てみようぜ」
ロミオに言われた通り、私は入隊以降、ずっと"ブラッド"の制服を着たままだった。
フライアに配属された当時、神機使いの激しい運動に耐えられる衣服がこれしかなかったというのもあるけど、
新たに特殊な繊維で編み込まれた衣服を、オーダーで作ってもらうのも何となく億劫で、そのまま何着かある制服を着回している。
この時代、服飾文化は嗜好品としての傾向が強く、特に人の枠を超えた身体能力を有する神機使い向けの衣服ともなれば、
製作に必要な資材は自前で用意しなければならない。
そして、その資材の入手先は当然、任務で得られる報酬となる。
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