提督「劇をしたい」龍驤「あのさぁ、さっきからなんなの」
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◆zqJl2dhSHw
[sage saga]
2015/11/23(月) 00:14:45.94 ID:NoHVzsGH0
即断だった。大井を着任させるために駆逐艦3盃を解体処分する。決して、許せる内容ではなかった。
北上「大井っちにそんな咎は背負わせない。……アンタたちも馬鹿なこと考えないで」
暁、響、雷が泣きながら北上の元へ寄ってきた。
駆逐艦が3盃やってきた。
泣きじゃくり過ぎて何を言っているかわからなかったが、言いたいことは伝わってきた。
北上「自己犠牲が美徳なわけじゃないから。暁は一人前のレディって言ってたじゃん。……鼻水つけないでよ」
暁は頷きながら、北上の制服の袖で鼻をかむ。
北上は怒らなかった。
北上「雷も、誰かを助けたいなら自分と引き換えにするのはありえないから。……鼻水つけないでってば」
電も頷きながら、北上の制服の袖で鼻をかむ。
北上は怒らなかった。
北上「響もわかってるの? 誰かのために死ぬなんてありえないから。誰かのために生きて、生きて、結果死ぬことはあるけど。生き延びたことは恥でも何でもないから」
響は泣いたまま北上の胸に顔を埋める。
北上「あー、駆逐艦はうざいなぁ」
本心からの一言だった。
北上「けどまぁ、ありがとね」
これも本心だった。駆逐艦の面倒を見るのもそう悪くないと思えた。
大井には会えないかもしれないが、駆逐艦への指導を通じて、それなりの充実感が生まれ始めていた。
提督「さらに、極めて高練度な雷巡を駆逐の指導教官にさせるなとも指摘された。そんなことに使うより出撃させろということらしい」
北上が抱いた小さな願いは摘み取られた。
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