99: ◆A0cfz0tVgA[saga sage]
2015/06/08(月) 00:19:20.33 ID:YQoKBJAj0
フラン「……っ」
フランドールはその場に蹲り、息を殺して身を潜める。
侵入者は一体、どのような目的でこの館に入り込んできたのか?
真っ先に頭に浮かんだ疑問だが、それは侵入者本人に聞かなければ知りようのないことだ。
故に今は侵入者の思惑など、さして重要なことではない。
今考えなければならない問題は、『侵入者が館に入り込んでいる』という事実。
現状に於いて、館にいるのはフランドールただ一人。
姉もメイドも出払っていて、いつ帰ってくるのかわからない。
つまりは、フランドール一人で不審者を対処しなければならないということだ。
不審者の対処。日常生活ではまず体感することは出来ないこの状況。
実際にその場面に出くわしたとして、その時冷静に対処出来る人間はどれだけいるだろうか。
相手は姿形もわからない、そして人を傷つける手段を持っているかもしれない危険な存在である。
ましてやここは、超常的な力を使いこなす人間が数多くいる学園都市。
近づかなくとも人を死に至らしめられるような、凶悪な手段を持つ者がそこかしこに居るのだ。
その危険度は、学園都市の外にいるそれらよりも、比にならないくらい違う。
だからこそ、2階のフランドールの部屋に明かりがついていても躊躇なしに押し入ってこれるのだ。
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