764: ◆A0cfz0tVgA[sage saga]
2016/11/07(月) 00:16:13.37 ID:MjY1RhzW0
レミリア(――――)
この時レミリアはふと我に返り、そして悟った。
瞬刻の間、自身の眼に映った上条当麻の素顔。彼の中に携えられた感情を、彼女は確かに理解したのだ。
黒曜石のように澄んだ瞳。その中心に座するのは、砕けることのない金剛石の如き意志。
『絶対にお前を止めてみせる』。その言葉が、嫌が応にも彼の瞳を通して伝わってくる。
ここまで力強い瞳を持った人間に、今まで会ったことがない。
ここまで純粋な心を持った人間に、今まで会ったことがない。
こんな状況にも関わらず、場違いにも彼女は上条当麻の瞳に見惚れてしまったのだ。
この男は絶対に折れない。
例え神が相手であっても、彼は屈することなく立ち向かうのだろう。
だから、彼に会ってしまった時点で私が負けることは必定だった。
フランを傷付けてしまった過去に何時までも怯えている私が、
未来をこの手で掴もうとひたすら邁進する者に勝てるはずがなかったのだ。
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