とある後日の幻想創話(イマジンストーリー)4
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762: ◆A0cfz0tVgA[sage saga]
2016/11/07(月) 00:14:07.03 ID:MjY1RhzW0

レミリア「う、嗚呼ああぁぁぁァァァァァッ!!!」



当麻の宣言を聞き届けるか否かにおいて、レミリアは目の前の相手に目掛けて突貫した。
口から零れ出すのは絶叫。目尻から流れ落ちるのは血涙。
狂気に囚われた野獣のように、少女は地を走り抜ける。
理性の欠片も見られないその姿は、底まで魔に墜ちてしまったかのように見える。


だが当麻の目には、彼女の姿が『親に駆け寄る泣いた子供』のように映っていた。


おそらくそれが、レミリアが自ら心の奥底に封じ込めた『弱さ』なのだろう。
彼女親を殺され、敵地に移り住み、信用できる者がいない四面楚歌の中で、たった一人の妹を護り続ける。
周りに助けを求めるどころか、弱音さえ吐くことすら許されない。そんな生活を10年もの間続けてきたのだ。
彼女が抱え込んでいた苦悩は如何ほどのものだったのか。所詮、部外者である当麻には知る由もない。


だがその苦悩は今ここで、彼女の内から漏れだそうとしている。
普段の彼女であれば、押し殺した感情を吐露するなどということはしなかっただろう。
冷静に目の前の敵を消し去る方法を思案し、間違っても突貫などと言う行動を起こすことはなかった。
だが今の彼女は普通ではない。その身は半ば人ではなくなっているが為に、心の扉が弛み始めていた。
それ故の叫び。10年もの歳月の間降り積もった、救いを求める心の声。




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