695: ◆A0cfz0tVgA[saga]
2016/07/25(月) 00:35:04.19 ID:5IR1oQeN0
確かに言葉通り、レミリアの様子を見ると体の動きが鈍くなっているように見える。
未だにパチュリーの姿を探しているが、その動作にキレがない。全身に重石を着けられたかのように緩慢だ。
パチュリーの思惑通りになったことを喜ぶべきか。
それとも吸血鬼に一刻一刻と近づいているレミリアに焦燥を抱くべきか。
ざあざあと降りしきる雨の中を当麻は駆け出す。
レミリアに気づかれないように気配を消しながら。
激しい雨足と雨音のおかげか、近寄るのは容易であった。
彼女が平静を失っていたことも大きいだろう。未だにあり得ない程の殺気をまき散らし続けている。
彼女は敵に対する攻撃の躊躇が一切なくなる代わりに、思考が一つに固定化されやすくなっていた。
故にパチュリーに怒りが向いている間は、彼女はパチュリーのことしか考えることができない。
彼女の思考が逸らされるのは他者による干渉があって初めて起こる。
上条「らあぁぁっ!!!」
レミリアの背後から、当麻は雄叫びを上げて彼女に目掛けて両手で握り固めた拳を叩き込む。
狙うは後頭部。正確無比に、全霊を込めて殴り抜いた。
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