265: ◆A0cfz0tVgA[sage saga]
2015/09/07(月) 00:44:10.00 ID:bBfa6yub0
ガッ! ガシッ!
フラン「ぁ! ぐっ!」
暴力の嵐は収まらない。
男の蹴りは少女の絹肌に数多の傷を刻み、蹂躙し続ける。
既にフランドールの姿は、服の汚れと体の傷で眼にも当てられない。
痛みに次ぐ痛みで意識は朦朧とし、まともな思考も出来なくなっていていた。
――――正常な判断力を失った脳は、本能に従う。
身体に絶え間なく加えられる苦痛。そして、極限にまで追いやられた精神状態。
それらの要素は、彼女に『死』の気配を感じさせるには十分なものだ。
フラン(――――嫌だ)
そしてその『死』は、フランドールの『生への欲求』を煽り立てる。
それは生物であれば誰しもが持つ、至極当たり前のもの。
しかし子供の場合、その欲求は大人のそれよりも貪欲だ。
『生への欲求』は『死への恐怖』を瞬く間に押し流し、彼女を『逃避』へと走らせる。
そこに理屈も打算もない。それが可能かどうかは別であり、『ただ本能のままに行動する』だけだ。
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