239: ◆A0cfz0tVgA[sage saga]
2015/08/24(月) 00:21:34.31 ID:KRW/N0gR0
フラン(もう少ししたら、戻ろうかな……でも……)
戻らなければならないと心の底で理解しつつも、覚悟ができずに踏みとどまる。
そんなことを繰り返して、どれだけの時間が経ったのだろうか。
時計も携帯電話も持たない今の彼女に、それを知る術はない。
フラン「……あ」
それからさらに、いくらかの時間が経った頃。
ふと無意識に顔を上げると、空が夕日に紅く染まっている光景が目の前に広がっていた。
見渡す限り立ち並ぶ高層ビル群の彼方に、輝きが鈍った太陽がぷかりと浮かんでいる。
ビルの隙間からこっそり街を覗き込んでいるように見え、
太陽がこの街から離れることを名残惜しんでいるように思えた。
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