218: ◆A0cfz0tVgA[sage saga]
2015/08/10(月) 00:07:57.40 ID:Ns/1g1At0
レミリア「……遅い」
8時半頃を指し示している時計を見やり、レミリアは少し苛立ちながら呟く。
眼前に据えられたテレビには、中年の男性が黒板に向かって文字を書き連ねる様子が映し出されている。
内容は高校数学。レミリアはその番組を見つつ、今日自身に課せられた宿題を片付けていた。
学園都市のテレビ番組は、外部のそれと比較して教育系のものに偏っており、
その反面娯楽番組は非常に少なく、放送時間も限られている。
特に小中高それぞれの学校で学ぶ授業を解説する『教育番組』が一際多く存在し、
ゴールデンタイムと呼ばれる時間帯でも平然と高校の数学解説をやっていたりする。
教育番組がテレビを席巻してしまっているのは、学園都市の方針によるところが大きい。
この街では教育には関係の無い、娯楽に関わる商品には法外な税金がかかる。
しかしその代わり、勉学に関わる商品についてはほぼ無税と言っても差し支えないほど税金が低い。
詰まる所、教育番組は無料で視聴できるが、本格的な娯楽番組を見たい場合は別途で受信料が必要となるのである。
『学生の本分は勉強である』という、大人にとって至極真っ当な正論を反映した結果であった。
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