とある後日の幻想創話(イマジンストーリー)4
1- 20
153: ◆A0cfz0tVgA[sage saga]
2015/06/29(月) 01:01:22.22 ID:nViWSLwi0

無論そんな状況を、学校側が容認するわけがない。
偶然ながらも己の手中に入った『ダイヤモンドの原石』を見す見す手渡すようなことはしない。
既に諦めていたはずの彼らの野心に火がついたのである。故に彼らは、外野から横槍を刺される前に手を打った。


教師達は『身体検査』の結果を公に公表する前に、フランドールを自分たちの下へと呼び出した。
公表する前に呼び出したその理由は、無用な騒ぎが起こるのを避けるためだ。


何も知らぬフランドールに対し、教師達は『能力開発』の個人授業を設けて能力の使い方を訓練することを提案した。
能力に目覚めたばかりの彼女に直接指導することで、能力によるトラブルや自己を抑え、
そしてさらに磨きをかけて昇華するという名目である。


勿論それは表向きの理由で、『レベル4の超能力者を手放したくない』という邪な考えが絡んだものだ。
各方面から呼びかけがあったとして、最終的に行くかどうかを判断するのはフランドール本人。
ならば先に当人に対して媚びを売り、学校側へ引き留めようとしたのである。


様々な欲望が渦巻く中で、教師達は呼び出したフランドールに対し事の顛末を説明した。
真の意図は影に隠しつつ、諭すような優しく、そして暖かな口調で。
『君の能力は素晴らしい可能性を秘めている。先生達の下で訓練すれば、更に素晴らしいものにできる』と告げたのである。


普通の子供であれば、彼らの言葉をそのまま鵜呑みにして首を縦に振っただろう。
『先生達は自分の身を案じてくれている。そして、自分に対して期待してくれている』。
誰だって自分を大切に思ってくれれば嬉しいし、期待してくれれば悪い気はしない。
ましてや『教師』と『生徒』という、ある種の上下関係が成り立っているのだ。
教師達の提案を断るなど『本来であれば』あり得るはずの無いことである。


そうであるはずなのだが……




<<前のレス[*]次のレス[#]>>
859Res/553.70 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice