【艦これ】まるゆ「隊長が鎮守府に着任しました」
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191: ◆UeZ8dRl.OE[sage saga]
2018/07/31(火) 22:41:02.38 ID:vyfDryph0
作戦参加を翌週に控えた週末、唐突に提督は艦娘達に外へと連れ出される。
理由を聞いても、抵抗を試みても、徒労に終わる。屈強に鍛えられた今の彼女達は、ただ微笑みながら彼を引き摺るだけだった。
「……いい加減どこに向かってるかぐらいは教えろ、かれこれ一時間は歩いてる」
「もうすぐですよ隊長」
先を歩くまるゆの言葉は本当で、それから五分ほどで全員の歩みは止まる。そこには先に到着して待っていた明石の姿があった。
「――金なら払わん」
「第一声がそれってどうなんです? 一応、今回は日頃の感謝ってことで、私達が出し合いました」
「ありがたく思うでち」
「俺にはお前らが温泉に入りたかっただけのように見える」
「そんなことないのね」
「早く温泉にどぼーんしたいな!」
「歩いたら汗かいちゃった、早く入りましょ」
一足先に温泉宿へと入っていくシオイとイムヤ。イクが誤魔化すように笑っている横で、温泉の効能をじっくり調べているハチの姿が何ともシュールだった。
当然、鎮守府を一日空けることを想定していなかった提督は秘書艦に目をやるが、まるゆは一通の“一日鎮守府管理代行承りました”というメールを彼に見せる。冗談かなにかだと思える内容であったものの、発信元が大本営であることを確認して全てを理解し、受け入れる。
(大本営の名前でそれをやるのはまずいだろ、先生……)
「さ、行きましょ隊長」
「私も待ってて汗かいたし、お風呂行ってきますね」
「あっ、イクも行くのー」
「温泉卵って、興味深いな」
「……お前も行ってきたらどうだ?」
「いえ、まるゆは隊長と少しお話がしたいです」
「話か、まぁ時間は出来たから構わん。取ってある部屋に行くと――別部屋だろうな?」
「?」
首を傾げるまるゆ。数秒後、激しく提督に頭を揺さぶられた彼女が彼と入っていったのは八人で寝れる大部屋なのだった。
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