231: ◆c4YEJo22yk[sage saga]
2016/04/07(木) 12:56:53.37 ID:f81bwybh0
「うわー、ジャグジープールってめっちゃ豪華やん! びっくりしたわ〜」
「みんなで頑張って……よかった、ね?」
「すごいですー! 夜景の見えるプールでリサイタル〜、ららら〜♪」
優勝賞品は、豪華ジャグジープールへの招待券だった。
奈緒、杏奈、可奈の三人は特にはしゃいでいるみたいだ。
最後まで志保と一緒に、騎馬として頑張った三人だもんな。
喜びもひとしおなのだろう。
そんなことを考えつつぼーっとしていると、一人の女の子がこちらに歩いて来ることに気づいた。
「……志保? 俺に何か用か?」
「ちょっとこっちに来てください。お聞きしたいことがあるので」
それだけ言うと彼女は、俺の腕を引っ張って部屋の隅へと向かっていった。
観葉植物の陰の、プールにいる子たちからは死角になっている場所で立ち止まる。
「あの、今日の私の仕事について、何か問題があったでしょうか?」
志保は、真剣な表情でそう尋ねてきた。
「えっ? 優勝できたのは志保のおかげだと思ってるし、何の問題もないぞ?」
「けど……プロデューサーさん、ずっと不安そうに私の方を見ていたじゃないですか」
「ああ……」
どうやら志保は、俺が彼女の仕事について不満を持ったと勘違いしているらしい。
実際にはただ、ハプニングシーンが放送されるんじゃないかとヒヤヒヤしていただけなんだけどな。
志保は俺の方に一歩詰め寄ると、さらに口調を強める。
「言いたいことがあるのなら、はっきり言ってください。改善しますから」
「いや、志保の仕事ぶりには全く問題はなかったんだけど…………あっ」
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