468: ◆yyODYISLaQDh[sage saga]
2017/12/30(土) 02:15:50.83 ID:HfYWLYgWO
ジュウが光と一緒に道場に入ると、甲高い悲鳴のような声が鼓膜を突き刺した。
声の方を反射的に見ると、だらしない男物のジャージに、ボサボサの髪の毛を適当に一つに纏めた女性が転げまわっていた。
年齢はおそらく大学生以上だが、ジュウが出会ってきた大人の女性の中でこんな手合いは初めてで、思わずたじろぐ。
そうしている間に女性は床の上でじたばたと駄々をこねる子どものようにもがき始めた。
「あー私は相変わらずフラれっぱなしなのに光ちゃんは中学生のくせにイケメンの彼氏なんか道場に連れてきちゃってもー色ボケだーコンチクショー! そんな子は破門よ破門! 女で若けりゃ何でも許されるのはJKまでなんだぞー! コラー!」
「もううるさい! 彼氏じゃないし!」
みっともなく転げる女性に、光が怒鳴る。
それを見て、どことなくいつもの光が、自分や先ほどの友達と接するときの態度とは、少し違うようにジュウには感じられた。
例えるなら、姉である雨に接するときのような、そんな気安さ。
光がそれほどに気を許す相手ということは、それだけ付き合いの長い相手と言うことなのだろう。
女性は光の言葉に動きを止めて、ジュウの顔と光の顔を見比べる。
そして、寝ころんだまま両手の人差し指で二人を指さすと、こう言った。
「嘘だっ! 光ちゃんから恋する乙女オーラがプンプンすっぞ!!」
「違うったら!!」
507Res/213.24 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20