396: ◆yyODYISLaQDh[sage saga]
2017/04/28(金) 15:34:53.43 ID:yEOjnOa9O
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予感はあった。
今日も何か面倒なことがあるのではないか、という予感。
しかし予感は予感であり、ジュウは珍しく前向きに今日こそは何もないことを期待して登校した、のだが。
「やっほー、柔沢くん」
「じゃあな」
「もーひーどーいー!」
放課後、校門でジュウを待ちかまえていたのは雪姫だった。
やだやだかまって、と喧しく腕にしがみつく雪姫を無視できるはずもなく、ジュウは苛立ちを隠さずに疑問をぶつける。
「何しに来た」
「何って……今日はデートの約束じゃない、ダーリン?」
殴り飛ばしたい衝動を堪え、ジュウは腕から雪姫を引きはがす。
鬱陶しいというのもあるが、昨日円に痛めつけられたせいか節々が痛むのだ。
傷や痣は一晩寝たらきれいさっぱり消えたため、幸い雨にはバレていない。
「そんな約束はないし、お前と恋人になった覚えもない」
「えー、そんなこと言って良いのかなー?」
「は?」
「昨日のこと、雨に教えちゃおうかな?」
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