389: ◆yyODYISLaQDh[sage saga]
2017/04/21(金) 19:52:01.08 ID:gxCPCOG4O
それに、
「まだ内容も聞かないうちからなんで――」
「見当はついてるわ。情報屋を舐めないで」
銀子は一度手を止めて、デスクの上に広がる書類を手に取った。
「昨夜、何があったか知らないとでも思った?」
そのうちの一枚を真九郎に向かって放る。
床から拾って目を通すと、ドラッグで検挙された不良グループについてだった。
ただし、そこに書かれた内容は新聞記事やテレビのニュースなどよりもよほど詳細で、メンバー全員の個人情報から証言まで網羅されていた。
「鬼のような男とカッターナイフの少女……警察には、薬物中毒者の妄言ととられたようだけどね」
証言の中には、確かにそう書かれていた。
包丁を持った鬼に皆殺しにされた、とか、カッターナイフが自分の陰部を切り裂いた、などなど。
事実と異なることが多数あるため、集団幻覚として処理されたようだった。
このグループはあちこちでクスリをさばいており、その元締めを探すので忙しいというのもあるだろう。
「あのビルには監視カメラとかも無かったし、別に問題ないだろ? 俺は依頼をこなしただけだ」
「別に悪いなんて言ってないでしょ。ただ、あんたの依頼は受けられないってだけ」
話は終わりとばかりに仕事を再開する銀子。
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