373: ◆yyODYISLaQDh[sage saga]
2017/04/17(月) 23:24:45.01 ID:bASNl0Z+O
真九郎の背中越しに顔を覗かせた切彦が口をはさむ。
瞼が眠たそうに半開きになっており、真九郎の背中に圧し掛かるようにして立っている。
ちなみに本人は胸を押し付けているつもりだが、真九郎は全く気付いていない。
「……あんまり紅くんに近づかないでくれる? アンタが全身に仕込んでる刃物が刺さったら《九鳳院》と《崩月》が黙ってないわよ?」
「しゃらっぷ、ふぁっきんびっち」
絶奈の持つアレコール入りのビンが粉々に砕け散る。
アルコール集が鼻を刺し、部屋の中に不穏な空気が流れ始める。
真九郎は二人の意識を集めるため、わざとらしく溜息を吐いた。
「これは《星?》製じゃないと断言できるか?」
「その写真の奴がそう言うのならそうなんじゃないの? 実物を切り落として持ってきてくれれば鑑定もできるけどね」
そういうの得意でしょ、などと嘯きながら新しいアルコールビンの栓を開ける絶奈。
切彦はジト目で睨み付けるがどこ吹く風といった具合だ。
ビンを呷り、一息で三分の一ほどを飲み干す。
「それに、今の私には関係ないことだしね」
その笑みは嘲りか、それとも愉悦だったのか。
いずれにしろ真九郎には、星?絶奈が嘘を言っているようには見えなかった。
〜〜〜〜〜
507Res/213.24 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20