柔沢ジュウ「雨か」 堕花雨「お呼びですか?」
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216: ◆yyODYISLaQDh[saga]
2015/12/21(月) 22:21:32.31 ID:Hg+7sYzLO
「紫ちゃんの伝手で仕事を回してもらっているおかげでしょ。どっちが世話されているんだか」などと銀子は不機嫌に言うが、要人が集まるパーティーの警護などの場面で、真九郎の名を知っている者も少なくはない。
おかげで、固定客とまでは言わないが、リピーターも徐々に増えている。
これも、紫と出会わなければありえなかったことだ。
いつだったか真九郎は紫のことを守護天使などと表現したが、あながち間違いではないのかもしれなかった。
そんなことを考えているうちに夕食も出来上がり、二人はテーブルに就いた。
二人揃って手を合わせ、和やかに食事が進む。
ここまでの道中では語り尽くせなかったのか、楽しそうに学校で起きたことを話す紫。
自分の小学生時代は絶望と修行の日々であった真九郎にとって、とても眩しい日々。
それを語る紫の笑顔は、出会った頃からは想像もつかないほどに、歳相応の女の子のものだ。

「それでな、私のファーストキスは真九郎に捧げた、と言ったら、その男子が急に泣き始めて……」

「やめてやれ……」

真九郎は心の中で相手の男の子に合掌しつつ、どうか呪われませんように、とだけ願っておいた。


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