男「……いよいよメラが使える様になるとか末期だな俺は」
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705:名無しNIPPER[saga]
2016/02/20(土) 21:31:49.00 ID:bcgHFL1Ko


━━━━━━━━ 【八魔将エビルマージ】



エビルマージ「…………ほぉ」



緑衣の魔導師、八魔将エビルマージは静かに感嘆の声を漏らした。


数秒前、エビルマージの視界に入った人影に撃った『ヒャダルコ』。

その精度は同じ呪文を使える主任や各モンスターとは比較にならない程に正確であり、破壊力もまた魔力の上位操作によって段違いな物だった。

そう、本来ならば如何に優れた身体能力を有していようと『世界の異変の修正を受けていない人間』だろうと、レベルが低い時点で必殺の一撃だったのだ。

しかしエビルマージの呪文は誰一人として仕留める事はなかった。

外したのではない。

確かに無数の氷の杭は三人を射抜く軌道だった。

防がれたのとも違った。


エビルマージは異世界に来て初めて目の当たりにする、一定のレベルを遥かに越えた存在へ意識を傾けた。


金髪のカツラを被っていた、女騎士らしき人物へ。



エビルマージ「面白い」

仲間を瞬時に背後に隠し、氷の杭全てを『逸らした』。

神業とも言える技にエビルマージは一つの評価を出した。

即ち……敵として認識したのだ。


エビルマージ「次はこれでどうかね?」

仲間を何処かへ向かわせたのを見て、エビルマージはそっと指先をそちらへ向ける。

詠唱は無い。

そっと闇へ誘う様に、緑衣の魔導師は死の呪文を紡いだ。





       【『マヒャド』】








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