男「……いよいよメラが使える様になるとか末期だな俺は」
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606:名無しNIPPER[saga]
2015/12/20(日) 15:49:39.14 ID:UnBBTf5WO




カメラ男「ぎゃぁああ!! わぁああああっ!! 誰かぁぁあ……っ!!」バタバタ

レイヤー「いやだぁ……やだぁ……体を、体を虫が……っ!!」ガシガシ

警備「……」ボーッ…


男「こいつァ……ヤバいな」ザッ


無数の悲鳴が辺りを飛び交う中に辿り着いた俺の前に、大勢の人間が『異常』な姿でいた。

ある女は全身を掻き毟り、あるカメラを携えた男は先程から悲鳴をあげながら猛烈な勢いで地面を何故か走っている。

そして、そこへ駆けつけたらしき警備員の殆どが倒れる中で一人だけ虚ろな目で空を見上げたまま座っていた。

開催されてからピークの直前だったとはいえ、大勢の人々が会場のそこかしこで地獄と化していたのだ。


薬物テロの可能性が無かったわけではない、会場の入り口でドリンクを配っていたのを覚えている。

だがそれ以上に、俺にはたった一つの存在が見えていた。

『モンスター』だ。



ゴーゴンヘッド【 弱い 】

ゴーゴンヘッド【 なんと貧弱な精神力だ……こちら側の人間は呪文一つで倒れる 】

ゴーゴンヘッド【 情けない指揮官共が制圧するまでもない、この己が街ごと潰してくれる 】

ゴーゴンヘッド【 だがそれはこちら側の人間の剣士、貴様を壊してからだ 】


昼間である事すら忘れさせる黒い煙を散らして宙に浮き、深緑の蛇を無数に生やした妖しい眼球。

巨大であり、異質な空気を纏うその姿はこれまで見た中では最も『モンスター』らしい怪物と言えた。


男(『ゴーゴンヘッド』! コイツも完全な顕現ってので出てきたのか……!?)

男(いや、それよりも……)


混沌渦巻くその会場の中で俺の意識を釘付けにしたのは、かつてない強敵ではなく。

一人の、キャラクターになりきっている女だった。




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