男「……いよいよメラが使える様になるとか末期だな俺は」
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237:名無しNIPPER[saga]
2015/06/17(水) 23:53:55.14 ID:z2btaUdPo

ブレる視界。

右腕に走る激痛。


男「ぐぁあああああ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"ッッ!!!」

< ドサッ!! ズダンッ……!!


通路を直線に吹き飛ばされ、何度か床に叩きつけられた俺は遅れて喉から声を弾き出すしかなかった。

数瞬前、右腕に薙がれた鎌に気づいた俺は……漫画やアニメで見られる『自分から跳ぶ』というのをやってみた。

しかしその効果はまるで感じられない。

痛みが、混乱が、俺をそれまで支えていた気力さえ奪っていく。



男「ぉ、げほっゲホッ……ぉぇえッ……!」

< ビチャァァッ…

男「ぅぐ…ゲホッ……!」

男(なん、だ…? 頭が急に……ッ)


俺は知らなかった。

酔いとは、脳の処理が追い付かずそこで更に『嫌な匂い』『唐突な揺れ』『混乱』『痛み』等で引き起こされる事もある。

それまで抑え込み、死と隣り合わせの機動戦の中で限界に達していた俺の脳は、悲鳴を挙げたのだ。

反動は未だ止まる事なく視界を揺らし、吐き気を誘発している。


死神【随分手こずらせてくれたわねぇ、人間】

死神【実戦経験のある人間は殆どいない、私達を見る事も出来ない奴等だと聞いていたけど……】

死神【まぁ『依り代』は手に入れた、これで数日あればお前達は私達に支配される事になるわぁ】


男「な……何だそれ……?」

男「っ…」ヨロッ


黒い煙に包まれて、死神が通路の中央に降り立つ。

嘲笑い、俺への殺意を滲ませた深紅の眼光を揺らして語りかけてくる。


死神【こちらの世界の戦士にしてはレベルが低い、つまり奴等と会ったのよねぇ?】

死神【答えなさい人間、奴等は何処にいるのかしらぁ】


男「…………」

男(奴……等…?)





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