忍「隠し事、しちゃってましたね……」 アリス「……シノ」
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79: ◆jOsNS7W.Ovhu[saga]
2013/10/03(木) 09:50:52.07 ID:CWy0c2Sh0
 ――最近、うちの高校にも「ブーム」が来ているらしい。

 さっき、廊下ですれ違った二人の男子も、そんなことを言っていた。
 なるほど、彼らのクラスにもまた、イギリスからの転校生がいるらしい。
 そして……

「ハァ……」

 さっきから、私の近くで溜息を漏らす子も、イギリスからの転校生。
 そんな彼女は、どうも朝から様子がおかしい。

「あ、あの……?」
「――」

 ムクリ。
 あ、身体を起こした。
 しかし、こうして改めて見ると、やっぱり日本人とは違う。
 サラサラの金髪も、パーカーの着こなし方も……といっても、ハーフらしいけれど。

「お尋ねしても、よろしいデスカ……?」
「はい?」
「May I ask you a question……?」
「うわ、やっぱり英語上手いね」

 さて、そんな彼女の「お尋ねしたいこと」とは何なのだろう。
 これまでの様子を勘案して、思い浮かぶことといえば――

「……まさか、とは思うんだけど」
「ハイ」
「――『恋煩い』じゃあないよね?」
「!」

 まぁ、冗談のつもり。
 フツーに考えれば、転校して間もないこの時期に誰かに一目惚れって――どんな漫画やアニメなんだか。
 ……冗談、だよ?


「……」
「恋煩い……」
「Love sickness……?」
(聞いたことのない英語だ……)


 私がこう言うと目の前の彼女は、先ほどとはまた違った意味でおかしくなった。
 さっきまでが「静」な不調といえば、今は「動」の不調。
 いきなり顔を赤らめて、オロオロするばかりなのだった。


「……あー、なんというか、藪蛇?」

 この場合、使い方が正しいのか知らないけど。

「そ、そんなことありまセン!」

 あ、いきなりムキになった。

「と、とにかく! た、確かめに行ってきマス!」

 と同時に、バタバタと教室を出て行ってしまう始末。
 廊下に消えゆく彼女を見て、私も溜息を一つ。

「……ありゃ、重症ね」


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