忍「隠し事、しちゃってましたね……」 アリス「……シノ」
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612: ◆jOsNS7W.Ovhu[saga]
2015/07/17(金) 23:01:07.17 ID:KOkyHw5G0
「――シ、シノ。そろそろ、アリスが帰ってきちゃうと思いマス」


 そうです。カレンの言う通りです。
 カレンは頑張って笑おうとしながら、あまり上手く出来ない様子でした。
 無理もない、と思いました。
 ……この状況では、私も上手く笑える気がしません。


「そ、そうですね……ごめんなさい。カレン」
「い、いいんデス。私も、どこうとしないのが悪いデスし」


 言いながら、やはり私たちは動けないままでした。
 身体が硬直したように、言うことを聞いてくれません。
 それはきっと、カレンも同じなのかもしれません。


 ――トントン。
 部屋の外から、音が聞こえました。
 普段、私が聞き慣れているその音は――


「……ア、アリスが」
「帰ってきちゃう、デス……」


 そう言って、私とカレンは見つめ合います。
 どうすればいいのか分からないまま、私たちはただ、お互いの顔を覗き込みます。


 ――どうして、こうなったのでしょうか。
 カレンの顔を見て、アリスの表情も思い浮かべながら、私は思い出そうとします。


 今日という日を作った、きっかけになった出来事を。
 そして、色んな人たちの様子なども、一緒に思い浮かべながら――







 一旦、ここまでです。
 プロローグ的な何かで、次から本編です。


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