忍「隠し事、しちゃってましたね……」 アリス「……シノ」
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61: ◆jOsNS7W.Ovhu[saga]
2013/09/18(水) 23:24:03.39 ID:uKAPD8KP0
「こ、こんにちは」
「あら、こんにちは――ねぇ、シノ?」
「なんですか、『お姉ちゃん』?」

 なるほど、この人はシノのお姉さんだったのか。
 合点した私は、「似てるようで似てない――『姉妹』だなぁ」と心のなかで思う。
 ……うん、この頃までは知らなかったんだな。

「この子……シノのお友達?」

 そんな、美人さんの問いかけに、


「はい! 陽子ちゃんは『ボク』のお友達です!」


 世界が、揺れた。
 まだまだ小さかった当時の私も、なんだか急に立っている場所がわからなくなった記憶がある。

 目の前にいるシノは、短めのおかっぱ頭に、大きな目(ただ、お姉さんと違ってタレ目)。
 どこから、どう見ても――


「な、なぁ、シノ?」
「――あっ!」
「あーあ、もしかして……今、バレちゃったの、シノ?」
「……うう」


 4月の中頃。
 私たちはそうして、後に公然となる秘密の共有者となった――



「……ってわけなんだ」
「なんだか、妙に勇さんに対する評価が高いわね……」
「どうした、綾?」
「な、なんでもないわよっ!」

 時は移って、現在。
 私と綾は帰り道で、そんな話をしていた。
 今頃、シノの家にはカレンが行って――

「それで、どうしてこの話を?」
「いや……たしかまだ、綾に言ってなかったよね、って思って」
「――まぁ、たしかに初耳かもだけど」

 そう言うと、綾は居住まいを正して、

「どうして、今?」
「……分かるだろ、綾?」

 私は一呼吸置いて、

「アリスに続き、カレンにもシノの『秘密』は明かされるはず」
「それはもう、確定事項でしょうね」
「……だったら、尚更」


「私が、一番信頼する『友達』に、全てを打ち明けときたいって思うじゃん」


「……は、はぁ!?」

 そんな風に言うと、何故か目の前の綾が爆発しそうな表情をとる。
 爆発しそうな……うん、つまり、とっても赤い顔になる。


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