忍「隠し事、しちゃってましたね……」 アリス「……シノ」
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◆jOsNS7W.Ovhu
[saga]
2015/03/14(土) 00:18:27.54 ID:uXxto72B0
――あの時、身体に電流が走ったのを確かに感じた。
そもそも、偶然もいい所だった。
別の高校に行った友達が、学園祭に誘ってきたから。
そんな理由で「それじゃ行くか」と、どこまでも軽い気持ちでやって来た。
一緒に行くはずだった男友達は、「急用が入った」とかでドタキャンしてしまった。
でも彼にも、誘った友達にも、「急用」が何なのかは分かっていた。
だから何も文句は言わず、後で思いきり彼をからかうことで帳消しにした。
……最近付き合い始めたらしい彼女の相手を務めるのは、なかなか大変そうだなぁ、と思った。
からかいながら、じんわりと思った。
「ああ、羨ましい」と。
そんな風に感じたのは、初めてのことだった。
そして今。
彼は、公道を歩いていた。
肩にはズッシリとした重みがある。
今日の練習はキツかったな、と強く思った。
「……」
何度目になるかも分からないくらいに、開けては閉めてを繰り返したケータイ。
再び、受信メールを見直した。
送信日時は、昨日の午後9時。
『こんにちは。こちらの宛先でよろしいでしょうか……?
先日は、色々とバタバタしてしまい、本当にごめんなさい。
よろしければ明日――』
「――ここ、だよな」
待ち合わせ場所に指定されていた公園に到着する。
柄にもなく、15分前行動なんてものをしてしまった。
予定時刻まで、まだ余裕がある。
予想通り、相手は来ていない。
「……」
肩にかけていた練習用具が詰まっていた鞄を、足元に投げ出した。
そしてベンチに座り、空を見上げてみた。
さっきから、太陽が雲に覆われたり、また出てきたりと忙しい。
まるで、今の俺の気持ちみたいだな――
そんなことを思い、苦笑してしまう。
今は太陽が出ており、文字通り晴れやかな空気が満ちていた。
(――隠れないでくれ)
なぜだか強く、そんなことを思った。
ずっと晴れていてほしかった。
空がそのままでいてくれたら、もしかして……。
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