忍「隠し事、しちゃってましたね……」 アリス「……シノ」
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372: ◆jOsNS7W.Ovhu[saga]
2014/12/22(月) 00:29:29.14 ID:c4dYWrVV0


「それじゃ、陽子ちゃん。後はよろしくね」


 お友達との一服を終えてから、席を立ったイサ姉はそんなことを言った。
 口元は笑っているんだけど、どこか複雑そうな目つきをしている。


「……ん。まぁ、大丈夫だと思う、よ」


 頭をかきながら、私はそう返事をする。
 いけない、軽く流そうとしたのにどこか歯切れの悪い返事になってしまった。
 ……いやまぁ、無理もないんだろう。多分。


「うん。陽子ちゃんなら、あの子を任せてもいいと思えるわ」
「……だ、だからさぁ」


 あぁ、どうしてこういうことを言われると、瞬時に顔が赤らむのか。
 以前――そう、少なくとも一学期の間には決してなかった。
「あの子」絡みのことでからかわれた時に、こんな反応をすることなんて。


「――シノのサポート、ホント頼むわね」
「……あ」


 ポンっと肩を叩かれた。
 フワッとした風と共に、イサ姉は出口へと向かっていく。
 私の見た後ろ姿は、相変わらず綺麗なものだった。


「……」
「応対、ありがとね」


 おっと、見とれてしまっていた。
 声のした方へ振り向けば、イサ姉のお友達の姿がある。


「まぁ、えぇと……あまり緊張しないで。なんとかなると思うから」


 それじゃね、と手を振りながら去っていく彼女を見ながら思った。


(……励まされた、のかな?)


 疑問符つきの思いのまま、私は店内を見渡した。
 さっきの「一件」が起きてから、それほど時間は経っていない。
 店内は和洋入り混じった様子で、まぁ人入りはそこそこってとこか。
 ……ただ。


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