忍「隠し事、しちゃってましたね……」 アリス「……シノ」
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365: ◆jOsNS7W.Ovhu[saga]
2014/12/05(金) 01:57:28.10 ID:5/HVdI+M0


「あ、烏丸先生!」
「見回りですか!?」


 外から、男の人の声がしました。
 見れば、受付係のお二人が椅子から立ち上がっています。
 ……あ。あの、金髪は。
 近くにいるのは、私たちの大切なお友達のようでした。


「……あ、そうそう! この烏丸先生っていうのがその怖い先生でね」


 彼らの声にひかれるような形で、お姉ちゃんは再び、ゆっくりと話し始めました。


「見つかると面倒なことになっちゃう、かも――」
「……マジすか」


 参ったな、と目の前の方は呟きました。
 見るからに残念そうな表情です。
 そんなことを思っていると、クルッと私の方へと視線を向けました。


「それじゃ、今日は帰ります。連絡先、気が向いたら……」


 ドギマギしながらそう言って、ペコリと頭を下げます。
 そして荷物をまとめると、教室から急いで出て行きました。


「……」
「シノ」


 その声に、ハッとしました。
 見れば、目の前でお姉ちゃんが複雑そうな表情を浮かべていました。


「――その、メモ」
「あ、これ、ですか……」


 お姉ちゃんが指摘したのは、やはりこのメモでした。


「……どうするの?」


 私が目を落としていると、お姉ちゃんが問うてきます。
 その声は――どこまでも複雑そうでした。
 非難しているわけでもなければ、歓迎しているわけでもない。
 お姉ちゃんにしてみても、今回の「一件」は予想外だったのでしょう。無理はありません。


「……一応、持っておこうと思います」


 声がつっかえないように、私はゆっくりと声にします。
 そのメモを大切にポケットの中に入れて、お姉ちゃんと視線を合わせます。


「……そう」


 お姉ちゃんはそう言うと、身を翻しました。


「――私は、シノがどう対処しても、いいと思うわ」


 もう高校生なんだし。
 そう言いながら、お友達の座るテーブルの所へと戻って行きました――


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