忍「隠し事、しちゃってましたね……」 アリス「……シノ」
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354: ◆jOsNS7W.Ovhu[saga]
2014/11/29(土) 02:44:57.42 ID:Kn2Q0xzu0
 ――接客に追われながら、私は充実した気分に満たされていた。
 少なくともうちのクラスは、全員やってきて文化祭に参加している。
 このことだけでも、何故か嬉しくなるんだよね。
 それに、こうして人と接していると、
 やっぱり私は人と話すのが好みだということがアリアリと分かって、嬉しくなったり。


(……祭り、かぁ)


 なるほど、大昔から今まで、多くの人に親しまれてきたわけだ。
 ホントはこういうあれこれを考えるのは綾の役目なんだけど、アイツはそれどころでもなさそうだし。


「い、いい、いらっしゃいませ」
「綾ちゃん、ファイトですっ」


 ほら、声も手も震えている。
 でも、縮こまってないし、しっかり目の前を向いている。
 近くには、お互いにとって大切な友達だって付いている。


「人は変われる」なんて、CMとかではよく聞くフレーズだけど、大切な友達がそれを実践したなんて格別だ。
 私まで、何だか熱くなってくる。


「お客様、二名!」


 おっと、外のお調子者たちが声を上げた。
 どうやら、客足は途絶えることもないらしい。
 まぁ――休みたいなんて、全く思わないんだけどさ。


「いらっしゃいま……」


 そして――



――同時刻


男子A「……うーん」

男子B「なんだよ?」

男子A「いや――今のサングラスの人、どっかで」

男子B「ああ、あの人か。あのスタイルとか、モデルみたいだよな」

男子A「……モデル?」

男子A「ああ、そっか」

男子B「悩んだと思えばあっさり納得するのな……」




 ――やってきたのは。


「やっほー、陽子ちゃん」


 耳に響く、陽気な声。
 私にとっては、シノと同じくらい長い付き合いになる人。
 サングラスをかけていても、そのスタイルの良さとか諸々が突出している。


「イ、イサ」
「ストップストップ。一応、内緒ってことで」


 つと、私の唇に綺麗な指が当てられた。
 絹のようにつややかなその指に、私の声帯は参ってしまったとみえる。


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