忍「隠し事、しちゃってましたね……」 アリス「……シノ」
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342: ◆jOsNS7W.Ovhu[saga]
2014/09/19(金) 06:12:51.44 ID:6tdc02e90
 声に反応し振り向いてしまうと、二人の男子が笑っていた。
 視線はバッチリ合ってしまう。
 でも何故か、私は震えてもいない。ピクッときたものの、すぐに止まった。
 すぐさまペコリ、と頭を下げる。
 そうするのがベスト、という気がして。


「全く、最後まで……」


 顔をあげると、呆れ顔で呟く委員長の姿があった。ほんの少し、顔が赤くなっている。
 きっと、時間のことを失念していたからだろう。
 私は――今、どんな表情をしているのだろう。分からない。
 少しだけ頬が熱いけれど、気恥ずかしさはあまり感じられなかった。


「それじゃ、私も甘味処班へ……っと、小路さん。ありがとね」
「い、いや、その……どういたしまして?」


 再びペコリ。
 顔を上げれば、クスクスと笑いながら委員長が去っていこうとしていた――


「初めて見たわ。小路さんが男子と話した所」


 ――!?
 またしても、不意打ち。
 私がクルッと振り向けば、委員長は甘味処班の人たちを集めていた……。
 
 
(……からかわれた?)


 いや、さすがに考え過ぎか。委員長にも悪いだろうし。
 思い返してみて、普段、アリスが異性と話すレベルの10分の1位だと分析する。
 陽子やカレンと比べるのは、まだまだ無理だけど……。


「……あれ?」
 

 何を「分析」しているんだろう、私は。
 そもそも、何をやらかしていたんだろう。
 ――思い返しても、赤面しない。
 「しっくりときた」という文章表現が、これほどピッタリ当てはまる状況はあっただろうか。
 当たり前のことを、当たり前にしただけなんだから……。



 「……綾」


 ハッと振り向けば、そこには陽子の姿。
 浮かべている表情は、今まで見たこともないほどの優しさを湛えていた。
 穏やかに、彼女は言う。


「おめでと」
「!?」


 そして気づけば、頭を撫でられている……。
 へぇ、陽子の手は、「女の子」してるのね。綺麗で心地いい……あれ?
 な、何をしているの、この子は!


「よ、陽子!」
「昔からの『親友』が変われた記念だ。少し、許してよ」


 私が顔を真っ赤に染め上げて抗議しても、意にも介さない陽子。
 ど、どうすれば……あっ、そうだ!
 甘味処班に、この子を送り込めば――!


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