忍「隠し事、しちゃってましたね……」 アリス「……シノ」
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◆jOsNS7W.Ovhu
[saga]
2014/09/16(火) 01:03:30.88 ID:h7ZtWU6Z0
――AM9:00
「わー、そっちの服、可愛い」
「ありがと。でも、そっちも凄く似合ってるよ」
教室のあちこちで、互いに互いを褒め合う声が聞こえてくる。
ワイワイガヤガヤと、本番は始まっていないのに、もう学園祭のような感覚だった。
「……みんな、キレイ」
「いやー、アリスが和装してると、面白いなぁ」
私が呟くと、ふんふんと納得したように頷く陽子がすぐ近くにいた。
そちらの方へ目を向ければ、いやはやなんとも――
「陽子、凄く似合うね」
「そっか? へへ、ありがと。アリスも可愛いな」
「うん! 何か、『頼れるアネキ!』って感じ」
「……実の弟たちにも、そんな風に思われたらいいんだけどなぁ」
素直に思ったことを言うと、陽子はクルッと後ろを向いて、頭を掻いていた。
おそらく、照れ隠しだろう。
察した私は、メイド服組の方へと目を転じる。
「綾!」
「……うぅ」
声をかけると、綾は恥ずかしそうにモジモジとしていた。
しかし、陽子が「頼れるアネキ」なら、綾は「花畑の百合」みたいだった。
たおやかで、折ってはいけない雰囲気、というか……要するに、
「綾も凄く似合う!」
ということだった。
「ア、アリス! そ、そんな大声出さないでぇ……」
私が笑顔で呼びかけると、綾はガクガクと震えてしまった。
元来、恥ずかしがり屋の性分の綾にとって、物凄く大変なんだなぁ、と一人頷く私だった。
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