忍「隠し事、しちゃってましたね……」 アリス「……シノ」
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◆jOsNS7W.Ovhu
[saga]
2014/05/22(木) 02:14:18.35 ID:z5gCSS+c0
――で。
私たちの出し物は何かというと、少し説明に困る。
「甘味処!」
「メイド喫茶!」
こんなやり取りと睨み合いの末、えらく変則的な結論に落ち着いた。
すなわち、2つを同時並行する、ということに。
この提案への決を採った時の委員長の困惑顔は、未だに忘れられない……。
そして、もう一つ。
私たちにとっては、とても重要なことがまだ残っていた。
2つの出し物を並行して進めることはともかく、そこには「役割」というものがある。
例えば、男子なら看板を作ったり、買い出しにすすんで行ったり。
そして、提案の都合上、女子が目立つ役割――すなわち、メイドさんだったりを担当することになる。
「……ええと、その」
壇上の委員長が困惑した。同時に、烏丸先生も最前列を見つめる。
クラスメイトの視線も、「その子」に集中することになる――
「……ど、どうしますか、その」
「そ、そうですねぇ――」
委員長と先生が困惑を声に混ぜながら、協議する。
それはまぁ、しょうがないことなんだろう。
なぜなら――
「……シノは、どうなるんだろう?」
私の友人――陽子がポツリと呟いた。
それはきっと、クラスの皆が思っていることだったと、私は思った。
「皆さんは、どう思いますか?」
先生と簡単な話し合いを終えて、委員長が私たちに視線を移す。
周囲を見てみれば、ある人は顔を赤らめているし、ある人はどこかにやけているようにも見える。
十人十色の反応を見て、委員長は最後に、「本人」と目を合わせた。
「……大宮さんは?」
「私、メイドさんやりたいです!」
そうして当人――シノがハキハキと応えた時、クラス全体が妙に脱力したことは言うまでもないことだろう。
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