忍「隠し事、しちゃってましたね……」 アリス「……シノ」
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310: ◆jOsNS7W.Ovhu[saga]
2014/05/22(木) 02:14:18.35 ID:z5gCSS+c0
 ――で。

 私たちの出し物は何かというと、少し説明に困る。


「甘味処!」
「メイド喫茶!」


 こんなやり取りと睨み合いの末、えらく変則的な結論に落ち着いた。
 すなわち、2つを同時並行する、ということに。
 この提案への決を採った時の委員長の困惑顔は、未だに忘れられない……。

 そして、もう一つ。
 私たちにとっては、とても重要なことがまだ残っていた。
 2つの出し物を並行して進めることはともかく、そこには「役割」というものがある。
 例えば、男子なら看板を作ったり、買い出しにすすんで行ったり。
 そして、提案の都合上、女子が目立つ役割――すなわち、メイドさんだったりを担当することになる。


「……ええと、その」


 壇上の委員長が困惑した。同時に、烏丸先生も最前列を見つめる。
 クラスメイトの視線も、「その子」に集中することになる――


「……ど、どうしますか、その」
「そ、そうですねぇ――」


 委員長と先生が困惑を声に混ぜながら、協議する。
 それはまぁ、しょうがないことなんだろう。


 なぜなら――


「……シノは、どうなるんだろう?」


 私の友人――陽子がポツリと呟いた。
 それはきっと、クラスの皆が思っていることだったと、私は思った。


「皆さんは、どう思いますか?」


 先生と簡単な話し合いを終えて、委員長が私たちに視線を移す。
 周囲を見てみれば、ある人は顔を赤らめているし、ある人はどこかにやけているようにも見える。
 十人十色の反応を見て、委員長は最後に、「本人」と目を合わせた。


「……大宮さんは?」
「私、メイドさんやりたいです!」


 そうして当人――シノがハキハキと応えた時、クラス全体が妙に脱力したことは言うまでもないことだろう。


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