忍「隠し事、しちゃってましたね……」 アリス「……シノ」
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21:1[saga]
2013/09/01(日) 17:03:52.80 ID:ECufGEjL0
勇「アリス――私は大歓迎よ。あなたがこの家に来てくれたこと、シノとまた会って嬉しがってくれること」

勇「そして、この部屋で寝ることだって」

アリス「……」

勇「――でも」


勇「敢えて、訊くわ」

勇「本当に、それでいいの?」

アリス「……!」







 ――どうやら、私はアリスに距離を置かれてしまったらしいです。

「……ふぅ」

 ベッドに寝転がり天井を見つめて、私は今日のことを思い出します。
 高校生活が始まったこと、クラス分けで陽子ちゃんと綾ちゃんと一緒になったこと。
 そして――


 ――シノ〜!


 アリスと、再会したこと。

「そろそろ、寝ましょうか」

 そう独りごちて、私は置きあがりました。
 部屋のドアの近くにある電灯のスイッチを切るために。


「……アリス」

 それなのに、何故でしょうか。
 ベッドからドアまでのほんの僅かな距離が、酷く遠く感じてしまうのは。
 こんなに、足取りが重いのは。

「……はぁ」

 おかしいですね。
 「こういう風」になってから、大抵のことは解決してきました。
 それも、大体は陽子ちゃんと綾ちゃんという心強い友達のおかげで。

 ああ、それなのに。

「――解決、出来るかなぁ」

 この、チクリとする胸の痛みは……。


 さて、ようやくスイッチに辿り着きました。
 これを押して、後はベッドに戻るだけ。
 眠りに入るのが早い私は、明日までの数時間を、そこで過ごします。

 当然、一人で。
 そう、いつも通りです。
 お姉ちゃんと寝ていた頃ならいざ知らず、私だってもう――「お姉さん」です。
 だから……だから。


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