忍「隠し事、しちゃってましたね……」 アリス「……シノ」
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177: ◆OtZIp/YaIxCt[saga]
2013/11/14(木) 01:44:51.92 ID:t9zNEIK+0
投下します。ただ、今回もまた地の文で、かなり幕間的な要素が強いので、楽しんで頂けるかどうか――





 ――聞いたことが、ある。


 私は、「あの時」のことを思い返していた。
 あの日……カータレット氏はえらくご機嫌で、私はそんな彼女に尋ねた。


「どうしたんだい、えらく機嫌がいいけれど」
「えぇ、実はね……」


 聞けば、今日は日本からホームステイに来る子がいるそうな。
 なるほど、そういうイベントがあれば心も躍るわけだ。
 

「へぇ、それはいいねぇ」
「でしょう? けれど――」


 どうやら、娘――アリスちゃんは乗り気じゃないとか。
 私は頭のなかで、まだ小さな彼女の姿を思い浮かべた。
 ……たしかに、飼い犬に寄り添い、縮こまっている姿が絵になりそうだ。


「まあ、アリスちゃんも変わると思うよ?」
「まぁ、どうして」
「だって――カータレットさんが呼ぶ人が、悪い人なわけがないからね」
「もう……」


 少し照れた彼女を見て私は、よりその考えを強めたものだ。




 ――数日後



「やぁ、カータレットさん」
「……あ、こんにちは


 暇が出来たので、カータレット家を訪れた私に
 いつものようにカータレット夫人が挨拶をしてくれた。
 しかし、どこか様子がおかしい……ような。


「何かあった?」
「ええ――まぁ、ね」


 彼女は意味深な言葉を紡ぎ、ぼんやりと外を見つめた。


「そういえば、ホームステイに来た子は?」
「今は、アリスと街に出てるわ。帰りは遅くなりそうね……」


 遠い目をしたままの彼女を見て、一つの考えが浮かんだ。
 ――あまり、想像したくはないものではあったけれど。


「もしかして……ホームステイに来た子が、問題を?」
「――そういう、わけじゃ」


 そう言って、スッと目を伏せる彼女を見て、私は何かを感じ取った。
 ホームステイに来た子は、いわゆる問題児的な子じゃない。
 だと、したら……


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