らき☆すたSSスレ 〜そろそろ二期の噂はでないのかね〜
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677:母の夢の戻り道 10/10[sage saga]
2018/12/04(火) 01:52:44.21 ID:tkcstJKX0

「……いやはやお恥ずかしいところを」
「いえいえ、ぜんぜん」

 そんなことを言いあいながら、雨上がりの虹のしたを歩く。
 べちょべちょした地面なんかどうでもいいくらいに、青空は華やいでいるようにみえて。
 それだけ、おかあさんの夢でダウンしていた精神が立ち直って、視界が広がっているのだろう。

 晴れた空のしたを、ふたりで歩く。
 胸のうちも、すっかり晴れたような気分。帰ったら、何か、家事をしたくなる。

「家族の話をしたせいか、帰ったら、何か、家事をしたくなってきました」

 おんなじことを考えていた彼女の言葉に、苦笑が浮かぶ。

「みゆきさんはもうお母さんより料理上手いんだっけ」
「まあ……上手というか、わたしが担当しているというか」

 自分の母に向かってヘタと言い切らないあたりの育ちの良さが微笑ましい。

「お母さんも見た目はみゆきさんとそっくりなのに、中身ぜんぜんちがうよねえ」
「はい、――泉さんのところと、同じですね」

 母の話をきっかけに、すこしだけ、わたしたちの距離が変わった放課後のひととき。
 中身は、ちがうけれど。あなたの姿と父親の性格はしっかり受け継いで、ちゃんと育っているよ。

 笑いかける彼女に、わたしも笑う。


 ――そうだね、おんなじだねえ――


 あなたになりたいわたしとわたしになりたいあなたと。
 すでにおなじふたりで、母の夢の戻り道を歩いた、ある雨の日のこと。




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