らき☆すたSSスレ 〜そろそろ二期の噂はでないのかね〜
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57:ひよりの旅 92/112[saga sage]
2013/02/11(月) 21:20:51.92 ID:W145K4B60
『パチパチパチ』
演奏がおわると高良先輩が拍手をした。
みゆき「素晴らしい演奏でした」
みなみ「ふぅ……」
集中していたのがほぐれたのかみなみちゃんは息を吐いた。そして頭を上げ私達が座っている方を向いた。
みなみ「ひより……いつから……」
演奏しているのを見られて恥かしかったのか少し顔を赤らめていた。
みゆき「ついさっき、ですね、田村さん」
ひより「は、はい……」
みゆき「どうでしたか、みなみさんの演奏……」
ひより「え、ええ、良かったっス……」
みなみ「ありがとう」
みなみちゃんは立ち上がり私達の席に近づいた。
みなみ「連絡もしないで……どうして……」
私の表情を見て只事ではないのを察したのかみなみちゃんの表情も険しくなった。そんな私達を見た高良先輩は……
みゆき「何か大事なお話のようですね、分かりました」
高良先輩は立ち上がった。帰るつもりなのか……
ひより「……待ってください、高良先輩も聞いて欲しいっス……私、どうして良いか分からない……」
みなみちゃんと高良先輩は顔を見合わせた。
みゆき「どうしたのですか、昨日はあんなに元気でしたのに……今日の田村さんは……」
みなみ「今日のひよりは昨日のゆたかみたい……」
みなみちゃん、間違ってはいない、多分昨日のゆーちゃんも同じような心境だったに違いない。それなのに私は……
みなみちゃんはピアノに戻り椅子に腰を下ろした。
みなみ「いったい、どうしたの?」
何て言えば……誤解されるのは嫌だ。恥かしいけど、ありのままを話そう。
ひより「まなぶと一緒に行動していくうちに、笑ったり怒ったりしていくうちに、……私、まなぶの事が好きになってしまった……
    何ででしょうね、こんなのは私も想像もしていなかった……昨日ゆーちゃんが怒り出して、その怒った理由を探っていたら気付いたのです……
    昨日、まなぶはまつりさんに会いに行った、告白をしているのか、それとも……そんなのを考えていると苦しくなる……もうこれから先の事も考えられなくなってしまった」
みゆき「田村さん……」
高良先輩は悲しい目で私を見ている。
ひより「ゆーちゃんも同じです、ゆーちゃんはまなぶが現れる前から佐々木さんと会っていました……だから彼女も、ゆーちゃんも佐々木さんを好きに……」
みゆき「よく話してくれました……これは凄く大事な事……ですけど、時間はそんなにありません……」
ひより「だかから、だから此処に来ました……」
高良先輩は何も言わず私を悲しい目で見ていた。
みなみ「……まさかひよりがそうなるなんて……どうして、ひよりは遠目でいつでも観察していた、感情を入れるなんてなかった……」
ひより「分からない……分からないよ」
みなみちゃんは立ち上がった。
みなみ「私はゆたかに警告した、人と人を繋げるのは危険って、繋げようとすればするほど相手を意識して、何時しか相手を好きになってしまうって、
    ラブレターの代書を依頼すると、書いた人が相手を好きになってしまう……そんな話しをして注意した、だから私はゆたかにあれほど……」
みゆき「みなみさん、もう過ぎてしまった事を言っても始まりません……それだけ田村さん達は真剣だったと言う事です……責められません」
興奮気味のみなみちゃんを諭すような優しい口調だった。
みなみ「は、はい……」
みなみちゃん……そんな警告をゆーちゃんにしていたのか……私はその警告を聞いていたら止めていただろうか……
みゆき「素晴らしいではありませんか、誰かを好きになるなんて……それは掛け替えない事です」
みなみ「でもそれは一対一の話し……人間は二人同時に愛するなんて……それはお稲荷さんでも同じはず……」
高良先輩は私を見ると眼鏡を掛けなおした。
みゆき「お稲荷さん達は一部を除いてこの地球を去ろうとしています、それもそんなに時間はありません、宮本さんが残るにしてもまつりさんと会っているのであれば時間はありません、
    選択肢は二つです……自分の気持ちを宮本さんに伝えるか、このまままつりさんと宮本さんの縁組を続けるかです……
どちらも強い決断が必要になります……そしてその結果はどうなるか分かりません」
ひより「二つ……」
みなみ「みゆきさん、それならひよりも分かっていると思います、選べないから相談しにきた……」
みゆき「それではみなみさん、貴女が選んであげて下さい……」
みなみ「え……それは……」
みなみちゃんはおどおどするばかりで答えなかった。そんなみなみちゃんを見て高良先輩はにっこり微笑んだ。
みゆき「実は私もどちらが良いのか分かりません」
ひより・みなみ「え?」
みゆき「結果が分からないので私は責任はれません……困りました、これでは決める事は出来ませんね」
……まるで私の心を弄んでいるような……そんな風にすら感じる高良先輩の発言だった。でも何故か怒るような気持ちにはならなかった。
まさに他人事……これは私が今までしてきた事……高良先輩は知ってか知らずかそれを私にしている。
みなみ「ふ、ふざけないでもっと真剣になって下さい」
みなみちゃんは少し怒鳴り気味になっていた。
みゆき「私は真剣です、真剣だからこそ選べない……選ぶのは田村さん、貴女なのだから」
ひより「私?」
高良先輩は頷いた。
みゆき「恋愛は自由です、二人の関係に他人は一切口を挟めません……でも、もう田村さんは選んでいます、ですよね?」
高良先輩は微笑んだ。
ひより「私は……まだ……」
みゆき「そうでしょうか……目を閉じて自分に問うてください……」




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