らき☆すたSSスレ 〜そろそろ二期の噂はでないのかね〜
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448:こなたの旅 32 6/9[saga sage]
2015/01/02(金) 14:44:07.47 ID:C5m941lV0
かえで「どうだ、ゲームより面白いでしょ?」
こなた「ちょ、これはゲームじゃないよ」
かえで「ほぅほぅ、こなたからそんな言葉が出るとは思わなかったわ」
こなた「私だってゲームと現実の区別くらいはできる」
かえで「それでよし、私からはもう何も言う事はない、後は好きになさい」
かえでさんは席に座ると回転させて事務仕事に戻った。
こなた「……そういえば、聞きたい事が……」
かえで「なに?」
こなた「なんでまなみちゃんの演奏を聴きにきたの?」
かえでさんの作業が止まった。
かえで「……これは……仕事の話になる、こなたは休日でしょ、仕事の話は嫌でしょ?」
こなた「確かに嫌だけど、ここはもう仕事場だし、こんな所に呼んでおいてそれはないよ」
かえで「……そうね、確かに……そう」
言いたくないのか、かえでさんもまた何かに躊躇っていたっているって事なのかな。
こなた「話せないなら無理には……」
かえで「ごめんなさい……近いうちに話す」
かえでさんが謝るなんてめずらしい。これ以上聞いてもしょうがないか。
こなた「それじゃつかさの仕事が終わるまで更衣室で待ってます」
私が事務室を出ようとした。
かえで「待ちなさい」
こなた「はい?」
かえで「まなみちゃんの演奏……どうだった?」
こなた「どうだったって……とっても良かった」
かえで「今時小学生でも難曲をスラスラ演奏するのは珍しくも無い、だけど彼女は、かえでちゃんが他とちがうのは
    叙情的な表現まで出来ている……あの曲を彼女なりに理解して更に感情も込めるなんてプロのピアニストでも難しいわよ」
こなた「きっと先生が、みなみの教え方が上手かったんだよ」
かえで「そうね先生の指導がよかったかもしれない……だけどこなた、あんた演奏が終わってから何もしないでボーとしていたじゃない?」
こなた「ボーとしていた?」
かえでさんは椅子を回転させて私の方を向いた。
かえで「演奏が終わって感動したなら拍手をするのが礼儀でしょ……」
こなた「あ、それは……あまりにもまなみちゃんの演奏が凄くて……」
かえで「まなみちゃんこなたを見ながら悲しそうにしていたわよ」
しまった……確かに私は拍手をしていなかった。
こなた「ど、どうしよう」
かえで「……どうしようって私に聞くな……つかさと帰るならやる事があるでしょ?」
こなた「まなみちゃんに会いに行く」
かえで「それで良い、同じ想いがあるならお互いに通じるものがあるかもね」
こなた「サンキュ、かえでさん」
かえで「いいえ……行ってきなさい」

 確かにかえでさんの言うとおりだ。あやめさんはもう5年も前に亡くなっている。
それに私は私、あやめさんの代わりじゃない……


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