らき☆すたSSスレ 〜そろそろ二期の噂はでないのかね〜
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ひよりの旅 79/112
[saga sage]
2013/02/11(月) 21:03:08.38 ID:W145K4B60
かがみさん無理しちゃって……
帰り道心の中でそう呟いた。
でも、死期が近い身でありながら普段通りなんて誰でも出来る事じゃない。私だったらどうなんだろう……その時になってみないと分からないかな……
それにしてもかがみさんと小林さん……二人は愛し合っている……私もあんな恋愛をしてみたい…これが……憧れ……か。
ゆーちゃんがつかさ先輩なら私はかがみさんに憧れる。あんな生き様を見せ付けられたら……
「田村さん?」
後ろから声がした。私は振り向いた。
いのり「やっぱり田村さんだ、すれ違ったの気付かなかった?」
そこには巫女服姿のいのりさんが立っていた。その横に神主姿のおじさんも居た。
ひより「あ、こんにちは、す、すみません、気付きませんでした」
私は二人に向かって会釈した。
いのり「この姿で気付かなかったなんて、よっぽどな考え事をしていたみたいね」
確かに二人は巫女と神主姿、普通なら直ぐに目に付く。そう、よっぽどな考え事だったかもしれない。でもこの二人には話す訳にはいかない。
いのり「かがみと会っていたのかな、その帰り道ね」
ひより「はい……」
いのり「あ、丁度良かった、これから神社に持って行く物があるから手伝ってくれる?」
ひより「あ、良いですよ」
いのりさんはおじさんの方を向いた。
いのり「お父さん、神社にお払いもって行くから先に帰って」
だたお「だめじゃないか、かがみのお友達を利用するなんて失礼だろう」
私の顔を見て申し訳なさそうに礼をした。
ひより「いいえ、お構いなく、ここで会ったのも何かの縁ですよ、喜んで手伝わせていただきます」
なんだろう、ここでいのりさんに会うのは何か偶然では片付けられない何かを感じる。
ただお「すまないね、それじゃよろしく頼むよ」
おじさんはいのりさんにお払いを渡した。
いのり「それじゃ、行こうか」
私はおじさんに礼をするといのりさんと神社に向かった。
いのり「これでよしっと!!」
神社奥の倉庫、その中にいのりさんは恭しくお払いを納めた。いのりさんを巫女さんなんだなって思った瞬間だった。いのりさんは倉庫の鍵を閉めた。
いのり「ありがとう」
ひより「あの〜私、何もしていませんが……」
私は何も渡させていなかった。持ち物は全ていのりさんが持っていた。私と一緒に行く必要は全く無い。そんな私を見ながらいのりさんは咳払いを一回すると真剣な顔になった。
いのり「私達に気付かないような考え事、それはかがみに関係することかしら、かがみと家で何を話したの?」
す、鋭い、流石は柊家の長女、私の表情で只事ではない何かを感じたのか。それでわざわざこんな所まで連れてきたのか。
どうする。「なんでもありません」で帰してくれるほど簡単ではなさそうだ。私が返答に困っていると透かさず話してきた。
いのり「話したくない、話せない……どっちにしても気になる、最近かがみの様子がおかしいから、何か知っていたら話して欲しい」
なんてこった。かがみさんと別れてすぐに秘密を暴かれる危機がくるなんて。安請け合いなんかするんじゃなかった。どうする。中途半端な嘘は通用しないしすぐにバレる。
いのり「田村さんが話せないならかがみに直接聞くか、ごめんなさい、こんな所まで連れてきて」
ま、まずい、直接なんて聞かれたらかがみさんは本当の事を言うしかなくなる。ここでなんとかしないと。考えろ、考えるんだ、ひより!!
ひより「此処、覚えています?」
いのり「え?」
いのりさんは周りを見回した。
いのり「覚えてるって……何?」
いのりさんは首を傾げた。
ひより「ここにコンを連れてきましたよね」
いのり「……あ、あぁ、そう、そうだった、最初は私が見つけたのにまつりに取られてしまった」
本当はゆーちゃんが最初に見つけたのだけどね。あ、そんな事考えている暇はなかった……
ひより「あの犬、狐にすごく似ていませんでしたか?」
いのり「似ている、私が狐に間違えるくらいだった、鳴き声も狐そっくり、だからコンって名付けた」
いいぞいいぞ、こっちの方に話題を掏り替える。
ひより「私、思ったのですよ、つかさ先輩の一人旅の出来事に似ているなって」
いのり「似ている……?」
いのりさんはまた首を傾げた。
ひより「実はつかさ先輩も旅先で狐に会っているのですよ」
暫く考え込んでいたいのりさんだが、急に手を叩いた。
いのり「あ、そういえば思い出した、つかさは夕食の度に度の話しをしていた、狐が、お稲荷さんがどうのこうのって……あんなの話し、作っているだけの絵空事だと思っていたから
かがみ以外は聞き流していた……そ、それがどうかしたの?」
やっぱりつかさ先輩は家族に話していた。あまりに現実離れしているから普通なら聞き流してしまうのは当たり前。
ひより「つかさ先輩が今まで嘘を付いたり、作り話をしたりした事ってあります?」
いのり「……な、ない……」
ひより「でしょ」
私は微笑んだ。
いのり「つかさが嘘をつかないとしたら……あの話は……ちょっと、田村さん、詳しく教えて!!」
食いついた……このままやり過ごせるかもしれない。真実を話して核心を隠す……また使うとは思わなかった。
私はつかさ先輩の一人旅で起きた出来事を話した。
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