らき☆すたSSスレ 〜そろそろ二期の噂はでないのかね〜
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373:七夕 5/4[saga sage]
2014/07/06(日) 00:07:30.10 ID:jN24m8os0
 店を出るとかがみ先輩は空を見上げた。
かがみ「鬱陶しい天気ね……」
ゆたか「今日はご馳走様でした……すみません奢ってもらえるなんて」
かがみ「いいのよ、つまらない話に付き合ってくれたのだから」
ゆたか「つまらないなんてとんでもないです、その経験がいつかきっと役に立つと思います」
かがみ「……ふふ、そうなれば良いけどね、これからの予定は?」
ゆたか「特に無いです」
かがみ先輩は腕時計を見た。
かがみ「私はこれからつかさと会う約束をしているから帰るわ」
つかさ先輩か……
ゆたか「今度つかさ先輩に会ってさっきの質問をしたらどうなるかな……」
かがみ先輩には聞こえないと思っていたけどしっかり聞いていた。
かがみ「さぁね、私もそんあ質問をしたことないから分らない……」
ゆたか「あ、すみません独り言でした」
それでもかがみ先輩は話し続けた。
かがみ「私も興味あるわ、普通に考えて一人や二人、好きな人が居ても不思議じゃない、あとはどうしたか……」
ゆたか「告白していたりして……」
かがみ先輩はクスっと笑った。
かがみ「そうそう、ゆたかちゃん、貴女はどうなの?」
ゆたか「わ、私ですか!?」
なんだか急に身体が熱くなってきた。自分でも顔が赤くなるのが分るくらいだった。
かがみ「私に喋らせてゆたかちゃんは内緒なんてずるいぞ!」
笑いながら話すかがみ先輩。
かがみ「今度会ったら話してもらうわよ」
私もかがみ先輩と同じだった。何も出来なかった。その一言が出なかった。
再びかがみ先輩は空を見上げた。
かがみ「明日、晴れると良いわね」
ゆたか「そ、そうですね……」

 気付くともう駅の前に着いていた。
かがみ「途中まで一緒に行きましょ?」
ゆたか「あ、私、未だ買い物が終わっていないので……」
かがみ「そう……それじゃまたね」
ゆたか「はい……」
かがみ先輩は駅のホームへ消えて行った。

 本当は買い物なんて無かった。このままかがみ先輩と一緒に帰っても良かった。
だけど出来なかった。
言えなかった。かがみ先輩と同じでした……そのたった一言が言えなかった……
ずるい……笑って言っていたけど私にはとても辛かった……一緒になんか帰れない……
最初にこの話を持ち出したのは私なのに……
頭に冷たい物を感じた。雨が降ってきた。私は走って改札口へ移動した。
そして頬が濡れていた。これは雨じゃない……
かがみ先輩が店で流した涙の本当の意味が分ったような気がした。

私はしとしとと降る雨をぼんやりと眺めていた。
そういえばかがみ先輩はしきりに天気を気にしていたけど、どうしてだろう?
明日は月曜日で平日……なにかあったかな。
ふと周りを見回した。改札口の横に笹飾り……
明日は七夕……だから天気を気にしていたのか。かがみ先輩って伝説とか信じないと思っていたけど……
あれ……七夕……
思い出した。
……七夕はかがみ先輩の誕生日……
お姉ちゃんが買い物に私を誘ったのは……かがみ先輩とつかさ先輩にプレゼントを買うためだった?
そうと分れば私も二人に何か贈ろう。何がいいかな……
そうだ。
折り畳みの傘を差した。そして来た道を戻った。

 アンティーク風のお店。かがみ先輩と会った売り場へ向かった。
手にと取ろうと思っていた物はまだ置いてある。それは髪飾り。
かがみ先輩もつかさ先輩もリボンはもう似合わない。この髪飾りなら二人とも似合いそう。
私は二つの髪飾りを包んでもらった。

明日は私もお姉ちゃんと一緒に二人に会おう。それで今度こそちゃんと話そう。
私は心の中でそう誓った。





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