らき☆すたSSスレ 〜そろそろ二期の噂はでないのかね〜
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300:こなたの旅S 1/2[saga sage]
2014/03/09(日) 16:34:30.61 ID:GMz0M6/D0
S

 私は貿易会社本社の非常階段25階の入り口に居た。もちろん神崎さんとすすむさんも居る。
この階段には防犯カメラもセンサーも付いていない。それはこの前の潜入で既に判っていた。それにこの階段は外からは見え難くなっている。隠れるにも好都合だった。
この一週間、私達は入念な打ち合わせをしていた。もちろん私の潜入で得たこのビルの特徴等も話している。
それらを考慮に入れてもいのりさんは凄いと思った。たった一週間で私達の探しているメモリー板と真奈美が捕らわれていると思われる場所を探し当ててしまった。
私は一ヶ月も掛かったのに……
これも夫のすすむさんを想う気持ちからなのだろうけど、いったい何でメモリー板を欲しがるのかな。
あやめ「四万年前からずっと見つかっていない物を今頃になって取り返すなんて、しかも妻であるいのりさんまで巻き込んで、何故そこまでして?」
私が疑問に思っている事をストレートに聞いた。それもこんな土壇場になってから。前にも何度か聞いたけど答えてくれなかった。これも記者ならでは出来ることなのかもしれない。
私もそれを知りたい。私達はすすむさんの方をじっと見た。
すすむさんは腕時計を見た。私も時計を確認する。時間はまだたっぷりある。
25階入り口。ここは外側からは開かない。災害が無い限り内側から鍵を開けないといけないからだ。私のUSBでも停電を起こせば開けられるのだがみゆきさんに止められて
この方法になった。
鍵を開けるのはいのりさんの役目。いのりさんは既に25階の室内で掃除をしている。その合間にここの鍵を開ける手筈になっている。その時間まではまだまだ間があった。
すすむ「妻は、いのりは自分の意思で私達に協力をしている、強制はさせていない」
あやめ「意思ね……でも当初はすすむさんの参加に反対していた、どうして意思が変わったのか、私の知りたいのはそこ」
透かさず、しかも的確に知りたい所を突いてきた。すすむさんは少し困った顔をした。やっぱり話し難いのだろうか。
こなた「すすむさんは調査船のパイロットだったって?」
すすむ「な、なぜそれを知っている……」
すすむさんは驚いて私を見た。
こなた「かがみからそう聞いた」
すすむ「……かがみが話したのか、家族にはかがみ以外には話していない、他言は無用と言ったはずなのに……」
こなた「もしかしていのりさんにも話したの?」
すすむさんは私と神崎さんを見た。
すすむ「はやり話さない訳にはいかないか……」
すすむさんは溜め息をついた。
すすむ「あのメモリー板は船の航行記録も兼ねていてね、おそらく事故の当時の詳細な記録が入っているはずだ」
あやめ「飛行機で言うブラックボックスもしくはフライトレコーダーね」
すすむさんは頷いた。
すすむ「そう、それと同じ機能だ」
あやめ「どうして航行記録を……」
すすむ「あの時、私の判断が正しかったのか、それを確かめたかった……」
あやめ「4万年前の事故……例え貴方のミスだったとしても誰も貴方を責めたりはしないんじゃなかな、着陸に失敗しても生存できたのだし」
すすむ「そうかもしれない……しかし私は知りたい、自己満足だけかもしれないがな……」
あやめ「それでいのりさんは夫の貴方に協力するようになった訳か……」
すすむ「事故さえなければ地球に取り残される事もなかった」
確かに当時はそう思っていたかもしれないけど……
こなた「本当に地球に取り残されて嫌だったの?」
すすむ「そう思っていた仲間が多数だったはずだ……それより」
すすむさんは神崎さんの方を向いた。
すすむ「君はなぜこの作戦を主催した、しかも泉さんの時より急いでいる気がしてならない」
あやめ「私は捕らわれている真奈美を助けたいだけ……只それだけ、それにに急いでいる訳ではない、作戦が早いのは泉さんの経験が活かされた結果よ、だから今回も来てもらっている」
すすむさんも神崎さんが急いでいると感じているのか。私もそう思っていたけど……
すすむ「そうかな……私は人間になる前から他人心を読む事はできなかった、しかし経験である程度は推理できる……呼吸数の増加、手のひらの発汗、身体の硬直……緊張しているな、
    本当に充分な作戦を練ったのか?」


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