らき☆すたSSスレ 〜そろそろ二期の噂はでないのかね〜
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こなたの旅O 4/7
[saga sage]
2013/09/28(土) 06:59:52.11 ID:S5HSX8sD0
次の駅で降りるて改札口を出るとバイクに跨ったままヘルメットを取った神崎さんが待っていた。神崎さんは笑っていた。
あやめ「ふふ、何も言わずに帰るつもりだったの、だとしたらよっぽどお人好しだ」
こなた「へへへ、私もそう思って引き返す所だった」
あやめ「帰ったら泉さんが来ていたって母が言ってね、このファイルを渡してくれって……急いで追いかけたけど丁度電車に乗る所だった、気付いてくれて良かった」
神崎さんは私にヘルメットを渡した。
あやめ「話があるんでしょ、乗って……」
私はヘルメットを被ると神崎さんの後ろに座った。神崎さんもヘルメットを被るとバイクはゆっくり動き出した。バイクは電車で来た方法の逆に向かっている。戻っているみたい。
暫く進むとバイクは止まった。そしてエンジンが止まった。神崎さんはヘルメットを外した。
あやめ「着いたよ」
私もヘルメットを取りバイクを降りて辺りを見回した。
こなた「公園?」
そこは公園だった。滑り台、ブランコ、ジャングルジム……どこにでもあるような在り来りの公園だった。
あやめ「よく父がここで私と遊んだらしい、全く覚えていないけどね……この時間ならもう誰も来ない、込み入った話だって出来る」
そんな昔の話しを知っているなんて……やっぱり神崎さんは神崎さんなのかな……。
神崎さんは公園に入りベンチに腰を下ろした。私も公園に入ったがベンチには座らなかった。
神崎さんは持っていたファイルを開いてペラペラと捲って見た。
あやめ「……本当に解析したんた……半年は掛かると思ったのに……一ヶ月とは……仲間のお稲荷さんが協力したみたいね」
こなた「うんん、手伝っていない、ほとんとみゆきさんとかがみがした、それにお稲荷さんはみんな人間になったから」
神崎さんの紙を捲る動きが止まった。
あやめ「人間に……そう言えばそんな事を柊さんが言っていた、泉さんの友達はよっぽど優秀みたいね……」
こなた「さて、もう話しても良いんじゃないの、神崎さん」
神崎さんはファイルを見ながら答えた。
あやめ「あのデータを解析したのなら、私がこれから何をしようとしているのか大体判ったんじゃない、そしてその危険性もね……どうなの?」
こなた「4万年前の遺跡、それはお稲荷さんの物だった、それを利用して兵器を開発して密輸している貿易会社を暴こうとしている、そして、それに協力させられている
お稲荷さんを救おうとしている」
あやめ「……そこまで分かっているならどれだけ危険な事は分かるでしょ、これから先は私一人でする、無用な犠牲は出したくない……あの会社の不正を暴くにはこのデータだけでは
不十分なの、確証が必要、兵器の設計図、取引先の密約の文章……」
こなた「それが貿易会社本社の25階にあるわけだね?」
神崎さんはファイルを何度も捲った。
あやめ「……驚いた……そこまで分かっているの……」
こなた「まぁね、ところで神崎さんはどこまで分かったの?」
あやめ「わ、私はもう既に全部分析した……こんなファイルは要らないくらい」
こなた「それじゃ返して」
私は神崎さんの目の前に両手を出した。しかし神崎さんはファイルを私に渡す素振りは見せなかった。この人……負けず嫌いだ……
こなた「……返さなくて良いから教えて、神崎さんの本当の目的をね」
あやめ「…………だから、さっき言ったでしょ、貿易会社の不正を暴くって、それ以上でも以下でもない」
こなた「みゆきさんが言うにはお稲荷さんの使っている文字ってかなり難解だって、お稲荷さんの文字を読める人が貿易会社に居るって……多分そのファイルにも書いてあると思うけど」
神崎さんは黙ってしまった。
こなた「あらら、神崎さんらしくないね、ダンマリなんて……」
神崎さんはファイルを私に渡した。
こなた「へ?」
あやめ「ファイルは返す、そしてもう私に姿を見せないで欲しい」
こなた「ファイルはいいのかな、こんな短時間で全部読めないでしょ?」
あやめ「そのファイルは必要ない……それに間違えが数箇所あるから、調べ直しなさい」
うそ……まさか全部読んだ……ありえない。私が神社に向かった時にすれ違いで帰ってきたとしても二時間ちょっと……そんな短時間であのファイルを全部読むなんてできっこない。
神崎さんはヘルメットを被った。
あやめ「もうこんな時間じゃ帰れないでしょ、近くの町のホテルに送るから、それでお別れね」
もし本当にデータを全部解析していたとしたら神崎さんは人間じゃない。
この人はあくまで一人で行動するつもりなのか……よ〜し、それなら。
こなた「ほんとうにそれでいいの、つかさが悲しむよ……真奈美さん」
神崎さんの動きが止まった。
あやめ「つかさ……真奈美……いきなり何を言っているの、貴女、大丈夫?」
私は続けた。間違えでも本当でも構わない。
こなた「神崎さんって本当はお稲荷さんの真奈美さんなんでしょ」
神崎さんはヘルメットを外した。そして私を呆れた顔で見ている。
あやめ「……最後の悪あがきね、そこまでして何故私を引き止める、私は貴女にとって赤の他人、私がどうなったって何も感じないでしょ、高々一ヶ月ちょっとの付き合いなのに」
赤の他人……何故か怒りが込み上げてきた。
こなた「……赤の他人……赤の他人でわざわざこんな所まで何度も来ると思う、つかさはね、つかさと真奈美さんはほんの数日の出会いだった……それなのに生まれた子供にまなみと名付けた、どれだけ慕っていると思っているの、時間なんか関係ない……」
神崎さんは一歩後ろに下がった。
あやめ「熱い事を言う…………ただの他人なら私を助けはしないか……泉さん、ただのオタクじゃないみたい……それで、何故私が真奈美なんて言うの」
こなた「おめでたい……データを解凍するとき神崎さんはそう言ったよね……つかさの旦那、真奈美の弟も全く同じ口調でそう言った、それだけじゃない、私のお弁当を食べたら作った人の気持ちを読んだよね……それにあのファイルを短時間で読んだし……」
あやめ「ふ……ふふ……ははははは〜」
神崎さんは高笑いをした。
あやめ「そ、それだけで、ははは、それだけで私がお稲荷さんだって……それだったら泉さんだって……ははは、お稲荷さんの秘術を使うじゃない、お稲荷泉さん……」
神崎さんは暫く笑った。そして笑い終わると真面目な顔になった。
あやめ「パソコンを完全に制御した時の泉さんは正直言ってお稲荷さんだと思った……」
こなた「確かにあれはお稲荷さんの物だけど、教えてもらっただけだよ……あのUSBがなければ私はただの人間だよ」
神崎さんはまた笑った。
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