らき☆すたSSスレ 〜そろそろ二期の噂はでないのかね〜
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こなたの旅O 3/7
[saga sage]
2013/09/28(土) 06:57:50.80 ID:S5HSX8sD0
本当はつかさが神崎さんに会った方が良いような気がする。だけど私はつかさと一緒に行くのを断った。何故だろう。
このファイルを持って移動している時つくづくそう思った。私は一つの大企業を潰せるほどの情報を持って移動して。
何故か周りの人の視線が気になってしょうがなかった。もし誰かにこれを読まれたら……盗まれたら……落としたら……忘れてしまったら……
そう思うと恐くてたまらない。つまりこのファイルはそう言う物。コミケの帰りでくる視線とは次元が違う……
ふと周りを見回した……皆私が居ないかの様に通り過ぎていく。ふふ、意識しすぎだ、私以外にこの鞄に機密文章が入っているなんて知らない。
つかさはこの重荷に耐えられる訳がない。だから一緒に行くのを断った。いや……違う。そんなんじゃない。
思えばつかさはあの時、正確に言うとみゆきさんも同行していたっけ。ある意味けいこさんの計画は状況的に今の私達と同じだ。つかさもみゆきさんもあの時恐くなかったのかな。
下手をすればつかさたちが捕まっていたかもしれない。それにあの当時恋人だったひろしと会えなかったのに……
それでもつかさは最後まで諦めなかった……
あまり深く物を考えない天然だから……そう思った事もあったけどそれは違った。実際つかさは凄いよ……今になってつかさの凄さが分かった。
つかさと一緒に行けば私が今までやってきた事を直ぐにひっくり返されて先に進んでしまう。そんな気がした。
たまにはつかさより先に進んでみたい……かがみも以前そう思ったように。
これが本音だったりする。
なんてね。今更つかさと張り合ってどうする。
私は神崎家の玄関の前で悶々していた。
さて。もう心の準備はいいや。
『ピンポーン』
呼び鈴を押した。
『ガチャッ!!』
ドアが開くと思った通り母親の正子さんが出てきた。
正子「泉さん……」
こなた「あの、あやめさんは……」
正子「ごめんなさい、留守で何時帰るか分からないの……」
やっぱり空振りか……でも。このファイルは郵送とかしたくないし。持って帰りたくもない。私は鞄からファイルを取り出した。
こなた「これをあやめさんに渡してくれませんか」
正子「……何か重要な書類みいたね、良かったら上がって少し待って直接渡されてはどうです?」
こなた「実は今日、電車で来たので余り時間がありません……夕方4時まで神社で待っています」
正子さんは玄関の置時計を見た。
正子「まだ2時間以上もあるのに、どうぞ遠慮しないで……」
こなた「どうしてもあの神社で会いたくて……あやめさんが来たらそう言って下さい」
正子「そうですか……もし来なかったら……」
こなた「来なかったらそのまま帰ります、その書類は大事に仕舞っていて下さい」
正子「あやめの部屋の机の上に置いておく、一番安全だからね」
微笑む正子さん……
もし神崎さんが真奈美だったら、もしかしたらその正体に気付いているかもしれない。いくら化けたと言っても本人になった訳じゃない。親ならばその異変に気付くはずだ。
こなた「あの〜」
正子「はい?」
にっこり微笑む正子さん。
こなた「……い、いいえ、なんでもないです、それじゃ失礼します……」
正子「?……お構いもしませんで……」
やっぱり聞けないや……
私は神社に向かった。不思議そうに私を見る正子さんが印象に残った。
幾ら待っても来ない。どうして。今日は帰らないつもりなのかな。
全く、母親に連絡もしないで留守にするなんて考えられない……ってもうそんな歳じゃないよね。それにしてもメールくらいの返事は欲しい……
って私もよくかがみからそう言われたっけ。いやいやそれはそれ。関係ない!!
腕時計を見るともう4時になろうとしている。ボーとしていたらもうそんな時間か。私は階段を見下ろした。人が登ってくる様子は全くない。
やれやれ本当の空振りだ。帰ろう。滑り下りが出来るようになったから下りるのはそんなに時間は掛からない。
電車が来た。この電車に乗らないと特急電車に間に合わない。そうしないと今日は家に帰れなくなってしまう。電車がホームに到着した。
私はその電車に乗って空いている席に座った。電車はゆっくりと駅を離れた。
どうやって彼女と会うかな……あ、あれ……ま、待てよ。神崎さんがあのファイルを読んだら私と会う必要がないよね……もし、彼女がまだデータを分析していなかったら。
彼女はタナボタで解析済みのデータを手に入れてしまう。っとすると……神崎さんは次の行動を起こしてしまう……やばい。ダメだあのデータは直接私が渡さないとダメだった。
わわわ〜どうしよう。なにやっているのかな〜私は……ちょっとセンチメンタルになりすぎていた……ばかばかばか……
しょうがない次の駅で降りて引き返そう。私は席を立ちドアの前に立って次の駅の到着を待った。
早く次の駅に着かないかな〜
おや……ドアの窓の向こうに並走するオートバイが走っている。そのバイクは私の乗っている車両で速度を合わせた。あのバイクは……神崎さんのバイクじゃない?
ヘルメットを被っていて誰だかは判らない。ライトを何度か点滅するとライダーは片手を上げたその手に持っているのは私の持って来たファイルだった。間違いない神崎さんだ。
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