らき☆すたSSスレ 〜そろそろ二期の噂はでないのかね〜
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24:ひよりの旅 60/112[saga sage]
2013/02/11(月) 20:40:57.42 ID:W145K4B60
「バゥ!!」
突然私の後ろから白い陰が横切りゆーちゃんの目の前に覆いかぶさる様に現れた。
ゆたか「ちぇ、チェリーちゃん!!」
ゆーちゃんのその声に反応するようにゆーちゃんの目の前でお座りをするチェリーちゃん。良く見るとリードが付いたままになっている。
ゆたか「どうしたの、だめじゃない、みなみちゃんを置いてきちゃ」
ゆーちゃんはチェリーちゃんの頭を軽く叩いた。耳を折り畳み、申し訳無さそうな態度をとるチェリーちゃん。まるでまつりさんとコンのやり取りを思い出させる光景だった。
みなみ「チェリー!!」
公園の入り口からみなみちゃんが駆け寄ってきた。息を切らしている。
みなみ「ひより……ゆたか……まだ帰っていなかったの?」
私は頷いた。ゆーちゃんはチェリーちゃんを構っていてみなみちゃんに気付いていない。
みなみ「この公園は散歩のコースに入っていない……チェリーが突然を振り切って走って行ったから……」
ゆーちゃんの匂いでも追ってきたのだろうか。でも、こうしてまた三人が集まった。これは偶然か。偶然だろう……だけど。
ひより「チェリーちゃん、お稲荷さんじゃないよね?」
みなみ「まさか、普通のハスキー犬、私が小さいとき……」
ひより「ふふふ、分っている、冗談だよ、冗談」
私が笑うと暫くしてみなみちゃんも笑った。そして、ゆーちゃんとチェリーちゃんを見た。
ひより「まるで飼っているみたいに仲が良いね、ゆーちゃんとチェリーちゃん」
みなみ「うん」
ひより「チェリーちゃんは私には何故か唸るだよね〜」
みなみ「うん……」
ひより「ゆーちゃんはつかさ先輩に憧れていた、そしてつかさ先輩と同じようになろうとした、一人で人間とお稲荷さんの因縁を断ち切ろうとしていた」
みなみ「え……一人で……」
ひより「みなみちゃんには言わなかったみたいだね、考えてみれば言わない筈だよ、一人でしようとしたのだから」
みなみ「憧れは自分がそう成れないから憧れるもの、一人でなんて……はっ!!」
みなみちゃんは自分の言った事に気付いたみたいだった。
ひより「つかさ先輩はとんでもない事に巻き込んでくれた」
自分の世界に入っている。私の話しを聞いていない。やれやれ、それなら最初から喧嘩なんかしなければ良いのに。
みなみ「私は……ゆたかの真意を知らなかった……」
ひより「知らなかったじゃなくて、知られたくなかった、誰にも知られずに完結したかったんだね」
ゆーちゃんはみなみちゃんに気付いた。
ゆたか「みなみちゃん、いつの間に……」
みなみ「チェリーが迷惑をかけたみたい……」
ゆーちゃんはベンチから立ち上がった。そしてチェリーちゃんのリードをみなみちゃんに渡した。
ゆたか「ダメだよ、大型犬を放したら大変な事になっちゃうでしょ、小さい子にじゃれついたら大怪我だよ」
みなみ「確かに……」
みなみちゃんはリードを強く握り締めた。そんなみなみちゃんを見ながらゆーちゃんは話した。
ゆたか「人間になったり、狐になったり、遺伝子操作をしているのは分るけどそれ以上は分らない、遠い星から来るのくらいの文明をもっているのだから理解できなくて
    当然だよね、私達の知識や経験じゃ及びもしないよね、そんな彼らでも事故が起きてしまうなんて」
みなみ「今の私達より進んだ文明の技術、私達では理解出来ないくらい素晴らしいもの、でも、所詮人が使っている以上そんなものなのかもしれない」
ゆーちゃんは空を見上げた。
ゆたか「お稲荷さんの故郷……何故助けに来ないのかな……連絡はとれないの」
みなみ「みゆきさんが言っていた、お稲荷さんの故郷はおそらくとても遠い星、人間の技術で彼等の故郷と連絡はできないって」
ゆたか「そうなんだ……だから帰れないんだね」
ゆーちゃんは空を見上げるのを止め、みなみちゃんの方を見た。
ゆたか「帰れないのなら、やっぱり私達と一緒に暮らすのが一番」
みなみ「それが最善ならそうかもしれないけど……現実はそうではなかった、その原因は私達人間の方にあるのかもしれない……」
ゆたか「そうだね……難しいね」
ゆーちゃんとみなみちゃん、今まで話せなかった分を取り戻すように語り合っている。やっぱり二人はこうでなくてはならない。高校時代を彷彿とさせる。
私は二人の会話に入らず暫く見ていた。チェリーちゃんも静かに二人をみていた。




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