150: ◆7MD0tm3Wnt1M[sage saga]
2021/12/30(木) 11:30:27.67 ID:TYla9Slp0
森への道のりを馬車で進んでいる
道が整備されていることや衝撃の緩和機構があるため
さほどの揺れはないが
向かいの席には少女がいる
例の聖堂守護の者だ
「つまり貴方は精霊術の使い手となり……」
「……システムへの強力な干渉を許された女神の愛し子」
「見初められたゆえに貴方は騎士ではなく……」
彼女の話はいまひとつ頭に入ってこない
聞く気で聞いていないと言うのもあるが
しずかに首を振る
つまりは女神に目をつけられて騎士への道が閉ざされた
しかしひとつ見た程度では
卓越した剣の使い手には見えないような少女だ
肩にかかるかと言う程度の短い黒髪
教会を疑うわけではないが、君が聖堂守護か
牧場で羊の世話などをする愛らしい少女かと思ったよ
ぽつりと呟くと
「愛らしいかどうかはわかりませんが」
「そういった仕事の心得もあります」
車輪が整地の崩れ気味な箇所を通り
馬車が少し揺れた
まだ森までには距離がある
1002Res/278.05 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20