435: ◆lu5mqPKdjRWD[sage saga]
2020/02/09(日) 03:14:23.23 ID:T0gKi6Zo0
2.
"そうね"
返す声は、なげやりな静けさに浸されている
"急いで答えを出す必要はないと思う"
少し、視界がぼやけた
わけのわからないタイミングで、感情が揺らぐ
"ねえ"
問いかける
声はまだ、平静だった
"だきしめても、いい?"
だけど、震え始めていた
"いいよ"
なんでもない風に、彼は応えて
ソファに沈み込んだ私は
そっと、彼を、だきしめる
雪原のような静けさが、ふたりを包んでいた
いくらか間があって、古びた掛け時計が
現在が午前三時であることの確認を行った
そしてまた、音のない部屋に戻った
#創作メモ
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