【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part2

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1 : ◆eAA16RTlRw2e :2024/04/14(日) 19:38:35.87 ID:kch9tJed0
◇インフォメーション◇

・概要
 タイトルの通り、魔法の存在するファンタジー世界で生きるスレのPart2です。
 主人公がどのような道を歩むかは安価とコンマ次第です。

・世界観
 ファンタジーです。文明レベルは国や地域によって様々ですが、現存文明のほとんどは魔翌力や魔法を主軸としたものです。
 なお話の都合により設定が一部変更されたり新しく生えたりする可能性はあります。ご了承ください。

・安価について
 安価の連取りは原則禁止です。また内容によっては再安価する場合があります。コンマの連取りは可です。
 なおシステムやルールは途中で変更する可能性があります。ご了承ください。

・注意
 更新頻度と筆は遅めです。そして見切り発車です。展開にガバがあります。
 また、物語の展開や安価コンマの結果によっては、最悪の場合キャラクターが死んだり消えたり闇堕ちしたりすることがあります。
 苦手な方はお気を付けください。


◇用語◇

〈魔法〉
 この世界で生きるための必需技術。
 ほとんどの国や地域に広く普及しており、人々の生活を支えている。

〈魔翌力〉
 習得した魔法を行使するためのリソース。
 この世界のほとんどの生命は生まれながらにこれを保有・生産・出力する能力を持つ。
 魔翌力の保有量・生産量・瞬間出力量は生まれつきの才能によって決まるが、多少は訓練などで伸ばすこともできる。
 魔翌力は一晩熟睡する程度の休息で概ね全回復する。ポーションなどの薬物で即時に回復させることもできる。
 魔翌力を全て失った生命体は死亡する。ただし普通の人間はある程度まで魔翌力が欠乏すると意識を失うため、日常生活において魔翌力枯渇死を心配する必要はない。

〈魔法の属性〉
 大抵の魔法は、火や水などと言った特定の属性を有する。
 属性を持たない魔法は無属性として扱われる。
 属性間に有利不利はほとんどないが、光と闇のように相克し合う関係はいくつかある。
 既存の属性に当てはまらない新属性が発見されることもある。

〈得意属性〉
 ほとんどの生命体は、得意とする魔法の属性を一種類持つ。
 得意属性の魔法は習得コストが低く、行使における燃費が良く、発動する効果・威力も高い。
 そのため、基本的には得意属性の魔法を中心に習得していくのが普通である。
 研究の進んでいない希少属性やユニーク属性の持ち主は独学にならざるを得ない。

 その他質問等あればいつでもお気軽にどうぞ。

前スレ
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1704196175/

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1713091115
2 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/14(日) 19:40:36.88 ID:kch9tJed0
◇登場人物:パーティメンバー◇

【名前】クロシュ
【種族】シャドースライム
【性別】女
【年齢】3
【容姿】羊羹くらいの透明度の粘体に真紅の核。容姿は自由自在だが普段はフメイと同様の黒髪赤目セミロングヘアーロリの姿を取る
【性格】臆病でコミュ能力に難あり。恩は忘れない
【魔法】反映魔法。自分の見え方と質感を知ってるものに変換可能
【備考】親友のフメイと共に、人と魔が助け合って暮らす小さな集落でひっそりと暮らしていたスライムの少女
集落を失ってからは、失踪したフメイを探すために旅を続けている
【技能】
◯お絵かき上手
◯擬態(外見のみ。属性や能力は変化しない)
◯同化(道具や物質の属性や能力を一時的に身に付けることができる)
◯分裂(覚醒時のみ。普段は使えない)
◯再現(覚醒時のみ。普段は使えない)


【名前】妖精
【種族】妖精
【性別】女
【年齢】秘密
【容姿】
【性格】口は悪いが面倒見は良い
【魔法】自然魔法。そこにある自然の力を借りることができる。また、妖精類独自の魔法にも精通する
【備考】クロシュと共に旅をしている妖精。人間嫌いだが、人間以外も割と嫌っている
他の多くの妖精類と同様、固有の名を持たない
生命の在り方を悲観して苦しみのない世界を望んでいるが、それが叶うことのない望みだということもわかっている。それでも望まずにはいられず、諦めて朽ちることもできない
かつて緑の国フォレスティナを興した建国の太母という妖精と同一人物だったことが判明した


【名前】イリス・プラネット
【種族】人間
【性別】女性
【年齢】17
【容姿】髪は少し橙が入った赤のポニーテール
身長は女性の平均くらい、やや童顔気味だけどスタイルは良い美少女
旅に適した魔術師のローブを着て、魔術師用の杖を持っている
【性格】明るく元気いっぱい、前向き
基本的に温厚で礼儀正しいが、やや負けず嫌いなところも
善人だが理知的でもあり、考えなしに人助けに走るわけじゃない。けど周りの人に危機が迫ったときはやっぱり体が勝手に動いちゃうときもある
【魔法】属性:星。自分たちが住むこの星の根源の魔力にアクセスする
この星の様々な自然の力を扱うため、火、水、土、風、光など、一見多数の属性の魔法を使うように見える
現在は自身の属性を把握できてているものの、使いこなせていない
【備考】お師匠様のような立派な魔法使い目指して修行の旅の途中
その中で自分の謎な魔法属性も把握できればと思っている
既に魔法使いとしての腕前はかなりのものだが、お師匠様にはまだ届かないと思っており、邁進中
旅の日記をつけているが、その中でその地域の料理や料理法も書き留めている
彼女自身料理するのも食べるのも好きで、かなり料理上手
元々知的好奇心が強く、結構な知識通
女性の一人旅なので、魔法の他に護身術、杖での格闘術も使えるが、一流の戦士にはさすがに魔法抜きの近接戦は分が悪い
いろんな人とすぐ打ち解けちゃう良く分からない魅力がある
現在は魔法の修行をしつつクロシュたちと行動を共にしている


【名前】ミスティ・クローバー
【種族】人間
【性別】女性
【年齢】16
【容姿】黒を基調とした衣服に身を包んだ、儚い雰囲気の女性。長い黒髪で痩せ気味
【性格】根は心優しいがやや悲観的で冷めている
【魔法】氷
【備考】故郷を襲撃されて天涯孤独の身になって以来、自分にとっての安息の地を求めて旅をしている。動物が好き
現在のパーティに居心地の良さを感じているものの、故郷を滅ぼした仇敵と思わしき者との再遭遇により、復讐と安息の狭間で揺れている


【名前】ローガン
【種族】人間
【性別】男
【年齢】37
【容姿】ボサボサの金髪で無精髭を生やした長身の男性。身なりを整えればなかなかのイケオジ
【性格】元は真面目で正義感の強い性格だったが、今は後述の事件がきっかけで自暴自棄ぎみになっている
【魔法】鋼魔法。魔翌力を使って鋼の武器や防具を作り出したり、その他様々な攻撃が出来る
【備考】かつて、とある魔法騎士団に所属していた男で当時はそれなりに名の知れた存在だった
しかし妻と息子が魔物に襲われて命を落とし、騎士でありながら大切な者たちを守れなかった自分に絶望
その後は騎士を辞めて、まるで死に場所を探すかのように放浪の旅を始める
革命前の魔族自治区にてクロシュらと出会い、どうせ死ぬなら今度こそ誰かを守って死んでやろうとの思いでパーティに加入した
3 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/14(日) 19:41:23.88 ID:kch9tJed0
◇登場人物:集落の生き残り◇

【名前】フメイ
【種族】人間?
【性別】女?
【年齢】10歳前後?
【容姿】背が低く、肩までの長さの黒髪の子供。燃えるような赤い瞳を持つ
【性格】物静かで感情を表に出さない
【魔法】炎属性の魔法が得意。魔法を使う時には髪が赤くなる
【備考】親友のクロシュと共に、人と魔が助け合って暮らす小さな集落でひっそりと暮らしていた少女
自分やクロシュのような者たちが平穏に暮らせる世界を作るために、アリシラと共に世界樹の光を追っている


【名前】アリシラ
【種族】人間(半死人?)
【性別】女性
【年齢】15
【容姿】薄茶色の髪をした青白い肌の小柄な少女
【性格】気弱で臆病で周りの人物を気にして常にビクビクオドオドしている
【魔法】吸収魔法(無属性)周囲の生命から魔力を(強制的に)吸収する 自身の魔力に変えて別の魔法として利用することもでき、各属性の魔法の勉強をすれば全属性の魔法を使うことも可能だが加工した分燃費や効果・威力が通常より劣ってしまい、使用した分の魔力はその分周囲から無差別に吸収してしまう
【備考】生まれた時は死産だったが両親の魔力を吸収して蘇生したが、自身の魔法で無理やり生き残った反動なのか常に魔力が少しずつ消耗し、それを補うように自動的に周囲の生物の魔力を少しずつ吸収しながら生きていく必要があった
普段であれば怪我や病気、魔法の使用等で無駄に体力や魔力を消費しなければ日常生活に支障がない程度の吸収量だったため、周囲に気を遣いながら割と平穏に暮らしていた
しかし襲撃者によって殺されかけた時に吸収魔法が暴走し、襲撃者や同じく殺されかけていた両親の魔力を限界まで吸収し殺害。罪悪感を抱えたまま生き残ってしまった
現在は人が変わったような強気な性格になっており、何らかの意志を持ってフメイと共に世界樹の光を追っている
4 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/14(日) 19:42:56.27 ID:kch9tJed0
◇登場人物:魔族国◇

【名前】フラナ=バイオレット
【種族】吸血鬼
【性別】女
【年齢】439歳
【容姿】金髪ロングの幼女
【性格】ややわがままだが知識・経験は豊富
【魔法】血を操る魔法が得意だが闇魔法も使える
【備考】日の光はある程度平気なのでよく外に出て魔法薬の材料を探している
現在の魔族国の実質的な統治者だが、本人は早く後任を見つけて魔法や薬の研究に没頭したいと考えている


【名前】マリー・セイントレア
【性別】女
【年齢】24
【容姿】金髪ショート、スレンダー体型
【性格】真面目
【魔法】身体強化魔法が得意な他、雷魔法も使える
【備考】現セイントレア王の子息。王族内での地位は高くない
王国騎士団魔族自治区駐屯地の部隊長だったが、現在は魔族国の捕虜となっている
内心は皆仲良くできればな・・・と願っているがなかなかうまく行かない


【名前】聖女
【性別】女
【年齢】19
【容姿】亜麻色の髪を背中の辺りまで伸ばした、柔らかい雰囲気の女性。普段は修道服に身を包んでいる
【性格】博愛の心を持つ
【魔法】ロイエ教の神聖魔法を修めているが、得意属性は異なるため習熟度は低い
【備考】ロイエ魔族国教会に務める年若いシスター
誓願を立てた時に彼女の名は神へ捧げられたため、個人名を喪失しており、魔族国の者たちからは様々な意図を込めて聖女≠ニ呼ばれてしまっている
普段は炊き出しや子供の遊び相手を務める他、教育を受けられていない子供たちに読み書きを教える等、様々な奉仕活動を献身的に行っている

なお現在のロイエ教において名を神に捧げる習わしを堅持している派閥は多くなく、穏健派を初めとした多くの派閥ではその習わしは時代にそぐわないとして撤廃する方針が主流となっている
5 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/14(日) 19:43:46.22 ID:kch9tJed0
◇登場人物:緑の国フォレスティナ◇

【名前】ティセリア
【種族】エルフ
【性別】女性
【年齢】約1500才
【容姿】外見では二十歳前後。緑髪のポニーテール、スタイル抜群の爽やかな雰囲気の美少女
【性格】明るく快活ながらも、慈愛と威厳も併せ持った女性
【魔法】精霊との親和性が非常に高い。様々な属性の精霊の力を借り、千年以上の研鑽を積んだ武術に上乗せする
【備考】
他種族との平和な暮らしを望む、冷静で大局的な判断もできる首長
多忙ではあるが、他の国の文化も興味を持って知ろうとしている
お菓子作りが得意で身近な人におすそ分けしたりしている
彼女の魔翌力が籠もったお菓子は食べると心身ともに元気になる
精霊や子供に懐かれやすいが、懐かれやすすぎてちょくちょくじゃれつかれまくってあわあわ言ってる
現在は鎖国したフォレスティナにて、世界樹の光を追って旅立った妖精の代わりに政務を執っている


【名前】サリー(紫髪のエルフ幼女)
【種族】エルフ
【性別】女
【年齢】約1000歳
【容姿】見た目は紫ショートの幼女
【性格】冷静沈着だが時折腹黒な一面も
【魔法】基本地属性魔法が得意だが、幻術も使える。
【備考】ティセリアの補佐を務めるエルフの少女。
毎日業務に追われるもそれが使命だとして日々励んでいる。その経験からか人の心を見透かすこともできる。
現在は首長代理であるティセリアの補佐を務めつつ、鎖国によってダメージを受けた産業の根を絶やさぬよう尽力している


【名前】マーベル・クライス
【種族】エルフ
【性別】男
【年齢】約600歳
【容姿】フォレスティナの伝統衣装の上に今国際的に流行りのブランドマントを着けている。笑顔が特徴的な薄金髪のお兄さん。
【性格】脱田舎思考のシティボーイ。新しい物好き。気さくな時とシリアスの時のギャップがある。
【魔法】金属を生み出し操る
【備考】世界を渡り歩いた国際通として革新派から出馬。人当たりがよく選挙活動の一環で街に出没して色んな人に握手を求める。
森しかない祖国に多少のコンテンツを増やす目的で一部森林の開拓を主張する。レジャーやスポーツ、その他娯楽施設を開業することで国民の幸福度は上がるわ、業者から裏金が入ってくるわとWin-Win。彼の事務所には王国やその他の外国の者たちが出入りしてるが、いったい何なのだろうね。
祖国は歴史的に伝統派が強く、そのため進歩が止まっている事実に悲観し、森>進歩の現状を変えようと心から思っている。それはそれとして汚職はする。
現在はフォレスティナの地盤や星脈の状態調査や、鎖国が解かれた時の為の再開発計画作りに勤しんでいる。
6 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/14(日) 19:44:14.06 ID:kch9tJed0
【名前】森妖精の子
【種族】妖精
【性別】女
【年齢】7歳
【容姿】深い緑色の髪をサイドテールにした、妖精の幼子
【性格】気弱で泣き虫。命を愛する心を持つ
【魔法】癒やしの魔法。特に植物へ施すのが得意だが、毒や呪いを浄化するほどの技量はまだない
【備考】とても幼い森妖精の子。自身の住処であるおうちの木の中で生まれ、おうちの木に守られながら育った
おうちの木を救ってくれた復権派に深く感謝しており、特に依頼を受諾してくれたミスティを慕っている
本心ではミスティに緑の国にいて欲しいと願っていたが、旅人であるミスティを縛り付けてはいけないという思いもあり、口には出せなかった
7 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/14(日) 19:45:48.51 ID:kch9tJed0
◇登場人物:その他◇

【名前】メルル・マインドストーン
【種族】魔族と人間のハーフ
【性別】女
【年齢】14歳
【容姿】見た目はほぼ人間の女の子だが、額に第3の目があり、帽子で隠している。緑髪のセミショートへア。体格は年相応
【性格】好奇心旺盛だが、夢中になると回りが見えなくなる。
【魔法】地属性が得意だが、周囲の景色に溶け込める迷彩魔法も使用できる。
【備考】世界のあらゆるものを見たいとあてのない旅をしている
クロシュ一行とは少々の縁があり、時折行動を共にすることがある


【名前】サイン
【種族】人間
【性別】男
【年齢】享年22
【容姿】金髪碧眼。襟足長め。全体的に華奢で小柄。
【性格】何事にも揺れない(様に見えた)、冷静沈着で口数が極端に少ない
【魔法】光魔法。出力がおかしい。地形に影響があるくらいは朝飯前
【備考】故人。勇者と称された人物
魔族自治区が成立したあたりで突然血を吐いて斃れた。王国は彼の死を隠蔽している


【名前】セイン
【種族】人間?
【性別】男?
【年齢】10代前半程度?
【容姿】金髪碧眼。襟足短め。外見年齢相応に小柄。
【性格】冷静沈着で口数が少ない
【魔法】光魔法。出力がおかしい。地形に影響があるくらいは朝飯前
【備考】勇者サインに似た容姿の少年。勇者サイン同様、強力な光魔法を操る
王国の尖兵だったり、緑の国の革新派の護衛だったり、ロイエ教原理派幹部の仕事仲間だったりするが、彼の正体や目的は未だ闇に包まれている


【名前】レイン・フォール
【種族】エルダーサキュバス
【性別】女
【年齢】120
【容姿】金髪オッドアイで黄色いパーティードレスを着たナイスバディ美人。泣きぼくろがチャームポイント。
【性格】気が強く孤高の寂しがり屋
【魔法】心理支配が最も得意で催眠や読心などを行える。
攻撃系統だと闇魔法も得意。触れたら消滅する強力な闇の塊を生み出し操るが、心理魔法ほど練度は高くない
【備考】かつて勇者サインと恋に落ちたサキュバス。勇者に一目惚れしてつきまとうようになり、いつしか勇者も受け入れてくれた。何故魔物である自分を受け入れたのか、そんな勇者の心は魔法をもってしても最期まで見透かすことができなかった。今はもう愛した勇者はいない。たった一人になった彼女は、勇者に誘惑催眠をかけたサキュバスと人類社会から烈火の如く憎まれ、勇者と仲良くしている裏切り者と魔物社会からも侮蔑の限りを尽くされていた。それらに抵抗するうちにいつの間にか国際指名手配の極悪人。賞金稼ぎに狙われ、傷つけられ、既に心は世界への復讐心にとりつかれていた。そのため、今では自分を迫害してきた社会に対して、悲しみと怒りをぶつける手段としてテロに興じる。
彼女はただの一度だって勇者に催眠をかけたことはない。あの時感じた純粋な恋心を魔法なんかで汚したくはなかった。


【名前】ブラッド(冒険者ギルド命名)
【種族】スライム類の一種と推測される
【性別】♀
【年齢】不明
【容姿】血のように赤いスライム。人間に擬態する時は、真紅の髪を足元の辺りまで無造作に伸ばした幼子の姿を取る
【性格】わがまま。感情の起伏が激しく、気に入らないことがあるとすぐに癇癪を起こす
【魔法】詳細は不明だが、通常のスライムとは一線を画す卓越した擬態能力と同化能力を有する
【備考】幼い外見とは裏腹に異常な力を有しており、何人もの冒険者を血の海に沈めている
単純な戦闘能力も高いが、擬態能力を活かして不意打ちや騙し討ちをする等の狡猾さもあり、危険
過去に起きた災害級の事件に関与している疑いがあり、冒険者ギルドは調査を進めている
8 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/14(日) 19:50:11.72 ID:kch9tJed0
というわけで新スレです。亀更新ではございますが、新スレでもよろしくお願いいたします

>>前スレ995
この世界ではスリーサイズを計測する文化が浸透していないため厳密な数値はわかりませんが、目視による簡易的な概算であれば算出可能です

>>前スレ996
過去作について、見た感じの毛色はかなり違うように感じられるかもしれませんが、もしよろしければ楽しんでいただければ幸いです

>>前スレ997
あのシーンで男性キャラクターが選出された場合、場面が男湯に移ってローガン氏が絡まれたりすることになったかもしれません

>>前スレ998
フメイ&アリシラ組とセインくんについては、あのコンマ表にあったように、確率は低いですが一時的に道連れになってくれる可能性はあります
正式な仲間化については、現時点ではよほどの奇跡でも起きない限りは発生しないと思われますが、今後の展開次第で状況が変わる可能性はあります

>>前スレ999
メルル氏は以前旅の途中で出会った縁もあり、今回の再会で親交がそこそこ深まりました。彼女は自由人なので、今後の旅の途中でまた再会することもあるかもしれません

>>前スレ1000
空を飛ぶ魔法もいくつか存在していますが、どれも習得が難しい高度なものであり、かつ複数人をまとめて飛ばすとなるとさらに難易度が跳ね上がるため、あまり現実的ではありません
現在登場している人物の中では、妖精、フメイ、フラナ、ティセリア、セインは単独飛行が可能です


簡易的なものではありますが、登場済みの女性キャラクターの身体的特徴をまとめておきます。目視による概算のため、間違っている可能性もあります。ご了承ください

        身長    B    W    H
◯クロシュ   可変   可変   可変   可変
◯妖精     極小   平坦    並    小
◯イリス     並    並  やや細    並
◯ミスティ  やや高  やや平    細    小
◯フメイ     低   平坦    並    小
◯アリシラ  やや低  やや平    細    小
◯フラナ     低   平坦  やや細  やや小
◯マリー     並  やや平  やや細  やや小
◯聖女      並    大    並    大
◯ティセリア   並  やや大  やや細  やや大
◯サリー     低  やや平    細  やや小
◯森妖精の子  極小   平坦    並  やや小
◯メルル   やや低  やや平    並  やや小
◯レイン   やや高   特大  やや細   特大
◯ブラッド   可変   可変   可変   可変
◯僧侶      並  やや大  やや細    並
9 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/14(日) 19:51:52.41 ID:kch9tJed0
―港湾都市ウォーターポート 滞在2日目
 ◆パーティメンバー
 ◇クロシュ 武:鉄の小盾  防:旅人の服
 ◇妖精   武:なし    防:エルフのレオタード
 ◇イリス  武:精霊樹の杖 防:魔術師のローブ
 ◇ミスティ 武:魔銀の短剣 防:精霊のローブ
 ◇ローガン 武:鋼の剣   防:鎖帷子

◯所持アイテム
・鉄鍋+携帯調理器具
・蜘蛛絹の下着
・ザリガニのお守り
・魔術書「星の魔力」
・魔族国永久旅券
・マジカルブラッドワイン
・反魂丹×2
・運命賽×2
・雨乞い傘
・フメイの服の切れ端
・精霊の印
・精霊樹の実のジャム
・鋼の回転ノコギリ
・精霊樹の鉢植え
・フメイとアリシラの人形
・お宿の焼き菓子
・お宿の妖精の織物

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[0/5]
・トコナツ火山島行きの船を探す

◯仲間の目標
・???(ミスティ)
……………………………………………………………………………………
□港湾都市ウォーターポート 主要施設
大通り:旅の船着場、武具店、雑貨店、魔法店、鮮魚店、食品店、食事処、酒場、浴場、冒険者ギルド、他
裏通り:占い屋、怪しい露天商、暗黒商店、奴隷商店、他
沿岸部:港、造船所、魚河岸、灯台、他
隣接地:機械工業都市テンペスター
……………………………………………………………………………………


―冒険者ギルド ウォーターポート支部

 ワイワイ ガヤガヤ

イリス「情報収集と言ったらまずは冒険者ギルドだよね」

妖精「流石に賑わってるなあ……クロシュの中に隠れてようかな」スス

クロシュ「ん……」

ローガン「うむ。海賊や船についての情報を得たいところだ」

ミスティ「……せっかくなら、仲間も欲しいわね」

イリス「えっ、仲間も!?」

ミスティ「ええ……。この前の……ブラッドとの戦いで痛感したでしょう……。私たちだけでは……ああいう奴らには太刀打ちできないわ……。それに……」

イリス「……それに?」

ミスティ「…………なんでもないわ……」

妖精「……」

ローガン「……」

クロシュ「……?」

 *
10 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/14(日) 19:52:21.61 ID:kch9tJed0
受付嬢「いらっしゃいませ! 当ギルドのご利用は初めてですよね?」

イリス「はい! これ、冒険者証です!」

受付嬢「はい、確認しました!」

イリス「えっと、それでですね……海賊についてお聞きしたいんですけれど、良いですか?」

受付嬢「この近海で船を襲って回っているという例の海賊ですね。討伐依頼も出ていますが……今のところ、まだ討伐報告は挙がってきておりません」

イリス「あ、でもそれなら既に討伐に動いてる冒険者もいるってことですか?」

受付嬢「はい。しかし海賊の尻尾も未だ掴めず、討伐に向かおうにも居所がわからないのでどうしようもないのです。海賊をおびき寄せて討ち取ろうと海に出たパーティもいたのですが……」

ミスティ「……失敗したのね」

受付嬢「はい……。海上戦は海賊の独壇場です。陸地では一騎当千の実力を持つ冒険者でも、海の上では力を発揮できずにやられてしまうのです」

ローガン「ぬう……。やはり強行突破は難しいか……。一応、依頼書を見せていただいても?」

受付嬢「はい、こちらになります」スッ

 依頼書「港湾都市を脅かす海賊の捕縛または討伐 報酬:極高」

イリス「わあ……すっごく美味しい報酬額だけど……ランク3以上だ! 私じゃ受けられない……!」

ミスティ「もし受けるなら私かローガンさんが受ければ良いわ……」

受付嬢「もしこの依頼を受けて頂けるのであれば、有料とはなりますがギルドの方で討伐用の船の手配をすることも可能です。ただしその場合、詳細な討伐計画の提出は必須となります。こちらとしても、迂闊な自殺志願者を送り出したいわけではありませんから」

ローガン「うむ、当然の措置だな……」

イリス「ど、どうします? 受けてみます?」

ローガン「いや……慌てて受ける必要はないだろう。元より、我々の目的は海賊の討伐ではなくトコナツ島へ行くことだ。難しい道を選択をする必要はなかろう」

ミスティ「……私も同じ意見よ。もし討伐するにしても、何の策も用意していない今これを受けても仕方ないわ……」

受付嬢「はい。先ほども言いましたが、策のない方々に船はお貸しできませんので、もし受ける場合はしっかり討伐計画を練っていただきたく思います」

イリス「そうですね……。わかりました、いろいろ教えてくれてありがとうございます!」

受付嬢「いえいえ、こちらこそご利用ありがとうございます。海賊について何かわかったことがありましたら、是非こちらにも情報提供していただけると助かります!」

 ◇
11 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/14(日) 19:53:16.21 ID:kch9tJed0
―冒険者ギルド 酒場

 ワイワイ ガヤガヤ

イリス「やっぱりギルドの方でも困ってるんだね……」

ローガン「そのようだな……。未だ尻尾すら掴めていないとなると、検挙にはかなりの時間がかかるかもしれん……」

妖精「はあ、海上戦に慣れた傭兵か何かでもいないものかなあ……」

ミスティ「……パーティメンバー募集掲示板でも見てみましょうか……」

イリス「そだね。もしかしたら海上戦に慣れた傭兵がいたりするかもしれないし……!」

ローガン「そんなに都合の良い人材が簡単に見つかるだろうか……」

妖精「最低でも妖精とスライムに忌避感を抱かないやつが良いなあ」

クロシュ「うん……」


↓1海賊対策の傭兵探し
01-50 いなかった
51-65 黒髪の無愛想な青年
66-80 赤髪ロングポニテ冒険者女性
81-95 ボサボサ黒髪の若い傭兵
96-98 フメイ&アリシラ
99-00 セイン

↓2仲間(セインくん以外の男)探し
01-05 イケメン狐獣人
06-55 いなかった
56-75 黒髪の無愛想な青年
76-95 ボサボサ黒髪の若い傭兵
96-00 イケメン金髪エルフ
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/14(日) 19:53:56.45 ID:Qt5NKMBS0
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/14(日) 19:54:49.78 ID:ERx9BvMDO
はい
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/14(日) 19:55:10.91 ID:ya/ZArH/O
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/14(日) 20:25:13.81 ID:FVdsuRCt0
イリスさん大きい方だと思ったら普通なのね
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/14(日) 20:29:11.67 ID:pNXy7EMUo
特大…特大
これで勇者を堕としたのか
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/14(日) 20:55:34.62 ID:+EhXIajDo
立て乙

聖女さんに重大情報追記されてませんかね……胸じゃなくて、いや胸もだけど名前名前
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/14(日) 20:59:51.80 ID:GHMwnsYdO
狐獣人はこれ敵か
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/14(日) 21:16:59.88 ID:WWmnfTjDO
前スレの>>881
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/14(日) 21:40:03.34 ID:qCtPDfBOO
しれっとイケメン金髪汚職エルフいて草
21 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/14(日) 22:27:33.46 ID:kch9tJed0
 募集掲示板「」

ローガン「……やはりそんなに都合の良い人材はいないな」

イリス「そりゃそっかぁ……」

ミスティ「……」

妖精「まあ仕方ない。一旦宿に戻って対策を考えようよ」

イリス「そうだね――」

 ガタンッ!!
 ザワザワ…

クロシュ「!?」ビクッ

妖精「何の音? 全く、クロシュがびっくりしちゃったじゃん……迷惑だなあ」

イリス「あれは――」


黒髪の若い男「うぃ〜……ひっく……。くそったれめ……」

給仕の女性「ちょっとエバンス、また昼間っから飲んでるの?」

黒髪の若い男「うるせえ……お前に俺の気持ちがわかんのかよぉ……ひっく……」

給仕の女性「……そりゃ、傭兵団を降ろされてここに置いてかれたのは気の毒だけど……。仕方ないじゃない、だって馬車が崖から転落して大怪我してたんでしょ?」

黒髪の若い男「そうだよ……!! ちくしょう……俺は馬を失い、馬車を失い、あの集落も救えず……何も成せないまま、ここに置いてかれちまったんだ……!! ちくしょお、ちくしょおお……!!」グビグビ

給仕の女性「エバンス……! もうやめときなよ!」

黒髪の若い男「うるせぇぇぇ!! 俺は、俺は……!! 世話になったイーシャさんも救えず、こんなとこで無様に生き恥晒してんだよぉぉぉ!!!」グビグビ

給仕の女性「……お冷、持って来る」スタスタ


クロシュ「!」ガバッ

イリス「えっ、クロシュちゃんどうしたの!?」

クロシュ「あの人……イーシャさんって……!」

妖精「イーシャさん?」

クロシュ「うん……! えと……わたしのいた村の……まとめ役の……お医者さんの、魔族の人……!」

ローガン「何!?」

ミスティ「……確かに……集落を救えなかった、とか言ってるわね……。もしかしたら、本当に……」

クロシュ「……お話、してみる」スクッ

 *
22 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/14(日) 22:27:59.80 ID:kch9tJed0

クロシュ「えと……おじさん……」

黒髪の若い男「あぁん……? なんだァ、お嬢ちゃん……」

クロシュ「おじさんの言った、イーシャさんって……。人と、魔族の……集落の……?」

黒髪の若い男「……!! お嬢ちゃん、知ってんのか!!?」ガバッ

クロシュ「うん……。わたし……あの、集落の……」

黒髪の若い男「待て。別の場所で話そう――」スクッ

クロシュ「あ、うん」


妖精(男の雰囲気が変わった……)

ローガン(一気に酔いを覚ましたようだな……。あれはかなり鍛えた戦士かもしれん)

イリス(と、とにかく一緒に行かなきゃ!)

ミスティ(…………私の代わりに、なるかしら……)

 *
23 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/14(日) 22:28:29.35 ID:kch9tJed0
―ウォーターポート 路地裏

黒髪の若い男「……ここなら他人の目もないし大丈夫だろう。君の仲間も来たようだしな」

クロシュ「うん……」

黒髪の若い男「……何から話そうか。いや、まずは自己紹介からだな……」

クロシュ「……」コク

黒髪の若い男→エバンス「俺はエバンス。エバンス・ブレイカー。一応……傭兵をやっている」

クロシュ「……わたしは……クロシュ、です。えと……スライム、です」デロ―

エバンス「スライム……。君は……本当に、あの集落の生き残りなのか……?」

クロシュ「……うん。わたしと……フメイちゃんと、アリシラさん……三人だけ……」

エバンス「…………そう、か……。生き残りが……いたのか……」ガクッ

妖精「えっ、ちょっとどうしたの? いきなり膝をついて――」

エバンス「うっ、うっうっ……わかんねぇ……でも、涙が止まんねぇんだよぉ……」ボロボロ

妖精「そ、そう……。やっぱり、まだ酔ってるのかもね……」

クロシュ「……」スッ

 エバンスの背中「」サスサス

エバンス「う、うおぉぉぉ……!! イーシャさん……クロシュちゃん……俺は……俺はぁぁぁ……!!」


イリス「な、なかなか感情豊かな人みたいだね……」

ローガン「う、うむ……きっとまだ酒が抜けていないのだろうが……人柄は信用できそうだ」

ミスティ(……人柄は、確かに信用できそうだけれど……実力はどれほどのものか……)

 *
24 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/14(日) 22:29:05.91 ID:kch9tJed0

エバンス「すまん、取り乱した……。君があの集落の生き残りで、イーシャさんの教え子だってことはわかった……」

クロシュ「うん……。エバンスさんは……?」

エバンス「俺は……俺も、イーシャさんに世話んなったことがあるんだ。あれは俺がまだ傭兵見習いのガキだった頃……任務中に仲間とはぐれて死にかけたことがあってな……。大怪我を負い、水も飯も底をつきて、森の中で行き倒れちまったんだ……。万事休す、ここで終わんのか――そう思ってたら、いつの間にか知らんベッドの上で寝てたんだよ」

クロシュ「……!」

エバンス「体を起こしたら、イーシャさんがいてな。怪我が治るまで休んでろって言ったんだ。俺、その時まで魔族は怖いもんだと思ってたんだが……その集落にいた魔族の人たちは、全然怖いことなんてなかった。人も、魔族も……本当に優しくて良い人たちだったんだ……」

クロシュ「!!」

エバンス「だから俺は約束したんだ。もしこの集落に危機が訪れたら、すぐに駆けつけて助けるって……。それなのに……俺は……俺ってやつは……!!」ダンッ

クロシュ「エバンスさん……」

エバンス「…………今更……俺なんかがこんなこと言う資格、ないかもしれないが……。クロシュちゃん……俺を……雇ってくれないか……?」

クロシュ「!」

エバンス「金は取らない……。イーシャさんの……あの集落の優しさを継ぐ、君を……守らせて欲しいんだ……」

クロシュ「……」チラ


妖精「……まだ、あなたのことを完全に信用したわけじゃない。だから……」

ローガン「……うむ。仮加入という形で、しばらく様子見させていただいても構わないだろうか?」

クロシュ「!」パァァ

エバンス「……! もちろんだ……! よろしく頼む……!!」

クロシュ「うん……! えと……よろしくお願いします、エバンスさん……」ペコ

イリス「え、えと……よ、よろしくお願いします!」

ミスティ「……よろしく頼むわね」

 ☆傭兵のエバンス・ブレイカーがパーティに仮加入しました

 ◆
25 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/14(日) 22:32:39.27 ID:kch9tJed0
―港湾都市ウォーターポート 滞在3日目
 ◆パーティメンバー
 ◇クロシュ 武:鉄の小盾  防:旅人の服
 ◇妖精   武:なし    防:エルフのレオタード
 ◇イリス  武:精霊樹の杖 防:魔術師のローブ
 ◇ミスティ 武:魔銀の短剣 防:精霊のローブ
 ◇ローガン 武:鋼の剣   防:鎖帷子
 ◇エバンス 武:鉄の剣   防:革の鎧

◯所持アイテム
・鉄鍋+携帯調理器具
・蜘蛛絹の下着
・ザリガニのお守り
・魔術書「星の魔力」
・魔族国永久旅券
・マジカルブラッドワイン
・反魂丹×2
・運命賽×2
・雨乞い傘
・フメイの服の切れ端
・精霊の印
・精霊樹の実のジャム
・鋼の回転ノコギリ
・精霊樹の鉢植え
・フメイとアリシラの人形
・お宿の焼き菓子
・お宿の妖精の織物

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[0/5]
・トコナツ火山島行きの船を探す

◯仲間の目標
・???(ミスティ)
……………………………………………………………………………………
□港湾都市ウォーターポート 主要施設
大通り:旅の船着場、武具店、雑貨店、魔法店、鮮魚店、食品店、食事処、酒場、浴場、冒険者ギルド、他
裏通り:占い屋、怪しい露天商、暗黒商店、奴隷商店、他
沿岸部:港、造船所、魚河岸、灯台、他
隣接地:機械工業都市テンペスター
……………………………………………………………………………………


―朝
 旅の船着場 ロビー

ローガン「……♪」ウキウキ

妖精「……ど、どうしたの?」

ローガン「む? どうした、とは……」

妖精「いや……なんかやけに機嫌が良いみたいだから……」

ローガン「そ、そうだろうか? 普段通りのはずだが……」

妖精「いや明らかにウキウキしてたよ」

ローガン「なんだと……」

妖精「……男仲間が増えて嬉しかったり?」

ローガン「……そうかもしれん。男一人というのは何分肩身が狭いからな……」



妖精「……ところで、ミスティのことなんだけど」

ローガン「……うむ。私も……気が付いてはいる……」

妖精「……ねえ、もしミスティが早まるようなことがあったら――」

ローガン「……わかっている。ミスティくんを一人にするわけにはいかんのだろう?」

妖精「うん……。ローガンが付いていてあげれば……安心できるからさ」

ローガン「……妖精くんには成すべきことが。クロシュくんには追うべき友が。そしてイリスくんには――無謀なる復讐のお供は、重すぎる。であれば私が適任だろう。何の因果か、ミスティくんと同様魔の者に家族を殺された境遇でもあるしな」

妖精「悪いね、せっかく男仲間が増えるかもしれない時に……。でもそれも最悪のケースだからさ。踏みとどまってもらえたら、それが一番良いし」

ローガン「うむ……。なんとか心のケアをしてあげられたら良いのだが……」


ウォーターポート滞在3日目です
↓1〜3 自由安価 何をする?
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/14(日) 22:33:16.11 ID:Qt5NKMBS0
服を買いに行ったらメルルと遭遇
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/14(日) 22:34:41.34 ID:ERx9BvMDO
占い屋で今後のことを占ってみる
28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/14(日) 22:35:15.99 ID:pNXy7EMUo
なんかこう海を渡るための手段を考案する
29 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/14(日) 23:17:27.00 ID:kch9tJed0
というわけで本日はここまでとなります。次回はメルルと買い物編、占い編、海渡り試行錯誤編となります

いろいろあって傭兵のエバンス氏が仮加入しました。ローガン氏と違って若い男の人なので、パーティの女性陣はちょっとドキドキしてしまうかもしれません(ミスティはそれどころではありません)
そして妖精とローガン氏も話していますが、ミスティ氏のメンタルがとても不安定です。もしミスティがパーティを抜けることになる場合、死に場所求めおじさんであるローガン氏もミスティと共に無謀な復讐のお供をする覚悟ができているため、一気に二人減ってしまう可能性があります。そうなるとクロシュとイリスのメンタルにも良くない影響があるので、回避したい場合は何らかの策を講じた方が良いでしょう
これはちょっとしたヒントなのですが、ミスティの離脱を阻止する方法として、実はとてもクリティカルなものがあります。もし阻止したい人はいろいろ読み返してみると良いかもしれません

イリスさんは特別大きいわけではありませんが、程よくバランスの良い大きさをしているのだと考えられます。それでも普段のクロシュや妖精やミスティと比べると大きいため、現パーティではイリスさんが最大サイズとなっております
エルダーサキュバスはエルダーなサキュバスなので、当然大きさも相応のものとなります。生まれながらに特大サイズが約束された種族とも言えるでしょう。勇者もその大きさに惹かれたのかどうかは……わかりません
聖女さんはシスターですが、男性の信徒やオーク男性の煩悩を増幅させてしまうことがあるようです。そして一線を越えようとした愚かなオークは竜人姉貴に焼かれています
自身の名前を捧げたことについて聖女さんがどう思っているかはわかりません。聖女呼ばわりについては、自分に相応しくないと思いつつも、呼ばれ方にこだわりはないためあまり気にしていないようです

狐獣人氏は、仰る通り前スレ881の方です。見てわかるとおりファンブルなので、もし引き当てていたらろくでもないことになっていたと思われます
イケメン金髪汚職エルフもまあまあ自由な人なので、鎖国中の今はまた見聞を広めるために国外を出歩いている可能性があります

それでは本日もありがとうございました。次回も土日かと思います。よろしくお願いいたします
30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/14(日) 23:24:13.29 ID:pNXy7EMUo
乙乙
ミスティ対策ちゃんと講じないとな
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/15(月) 00:17:13.26 ID:Hz3LatIDO
乙です
ミスティ離脱阻止は森妖精の子が鍵になるのかな……?
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/15(月) 01:06:54.98 ID:o517aRKyo
乙でした
イーシャさんの遺志が確実に受け継がれていってる
いつか関係者皆でお墓参りしたい

ミスティは離脱させると永遠の別れになりそうで怖…
33 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/20(土) 21:07:36.08 ID:UcAVZarw0
>>2について、妖精の容姿欄が空白になっていたため、訂正いたします
【名前】妖精
【種族】妖精
【性別】女
【年齢】秘密
【容姿】銀髪セミショートの妖精。くすんだ光の翅を持つ
【性格】口は悪いが面倒見は良い
【魔法】自然魔法。そこにある自然の力を借りることができる。また、妖精類独自の魔法にも精通する
【備考】クロシュと共に旅をしている妖精。人間嫌いだが、人間以外も割と嫌っている
他の多くの妖精類と同様、固有の名を持たない
生命の在り方を悲観して苦しみのない世界を望んでいるが、それが叶うことのない望みだということもわかっている。それでも望まずにはいられず、諦めて朽ちることもできない
かつて緑の国フォレスティナを興した建国の太母という妖精と同一人物だったことが判明した


ミスティさんをパーティに留めたい場合は何らかの行動を起こした方が良いでしょう
森妖精の子は、実際ミスティさんにとっては決して小さくない存在と思われます。鍵となるかもしれません
ここでミスティさんが離脱した場合、コンマ次第では今生の別れとなってしまうかもしれません。気を付けましょう

イーシャ氏が何者なのか、なぜあのような共同体を築いたのかは、クロシュちゃんには知る由もありませんが、クロシュとフメイとアリシラが今も生きているのは彼とその集落の功績と言えるでしょう。そして彼が掲げていた相互扶助・相互尊重の理念は今もクロシュの心の中に息づき、時たま道を指し示してくれます
エバンス氏なら喜んでお墓参りに付き合ってくれるでしょう。フメイとアリシラもお墓参り自体には乗り気な旨の発言をしていたため、状況が変われば一緒にお墓参りしてくれるかもしれません
34 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/20(土) 21:08:04.25 ID:UcAVZarw0
―旅の船着場 ロビー

イリス「う〜ん……」

 擦り切れてきた魔術師のローブ「」ボロッ

妖精「随分年季が入ってるよね、そのローブ」

イリス「旅立ちの時からずっと着てるからなあ。流石に買い替え時かも……」

ローガン「トコナツへ行く方法を考えるのも大事だが、その前に消耗した装備を整えるか」

クロシュ「……」

イリス「でもクロシュちゃんの服は綺麗だね。雨風に晒されたり、この前ブラッドにズバズバ斬られたりしたのに――ええ!? なんで綺麗なの!?」

クロシュ「あ、えと……。足りないとことか……ほつれたとこ……わたしの体で、補ってるから……」

エバンス「ええ? そりゃまたどういう――」

クロシュ「ほんとは……こんな感じ……」デロデロ

 ボロボロの旅人の服「」ボロッ

エバンス「――!!?」

イリス「わ、わーっ! わかったから直して良いよ!!」

クロシュ「あ、う、うん……」モニョニョ

 ちゃんとした旅人の服「」ビシッ

妖精「もう、そんなにボロボロになってたならちゃんと言いなよ。新しいの買ってあげるからさ」

クロシュ「でも……この服……ミスティさんに、買ってもらった――」

ミスティ「……買い替えるべきよ、クロシュ。そのボロボロの服では、あなたの体を守り切れない。私としても……あなたが良い装備を身に付けてくれた方が、安心だもの……」

クロシュ「……わかった……」

ミスティ「それで良いのよ……。私のことなんか、気にしなくて……」

イリス「……」

 ◆
35 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/20(土) 21:14:25.57 ID:UcAVZarw0
―ブティック・ウォーターポート

 布の服「」
 旅人の服「」
 革の鎧「」
 硬質革鎧「」
 鉄の鎖帷子「」
 鋼の鎖帷子「」
 鉄の鎧「」
 鋼の鎧「」
 布のローブ「」
 魔術師のローブ「」
 防寒着「」
 耐火服「」
 踊り子の服「」
 忍装束「」
 巫女装束「」
 大きな巻貝「」
 カニの甲殻「」
 スモック「」
 ハイレグ競泳水着「」
 エプロンドレス「」

イリス「わあ……! 見たことない服がいっぱい……!」

エバンス「世界各地の服飾を扱ってる店なんだ、ここは。普段着から勝負服に戦装束までなんでもござれだぜ」

クロシュ「……」

ミスティ「クロシュは……クロシュの力を活かすには、どんな服が良いのかしら……」

ローガン「難しいな。クロシュくん自身が変幻自在ゆえ……」



メルル「およ? ソリ芸人の皆さんだ!」トコトコ

イリス「あなたは……メルルちゃん!」

ミスティ「よく会うわね……」

メルル「そりゃまあ同じ街にいれば会うでしょ! 芸人の皆さんも服を買いに?」

ローガン「うむ……旅をしていれば消耗するからな。あと我々は芸人ではない」

エバンス「この少女は?」

妖精「あー……なんか最近ちょっと縁がある子。どっちかと言えば友好的な知り合いかな」

メルル「どっちかと言わなくても友好的! ていうか新しいおじさんが増えてる!」

エバンス「……新しいおじさんって、俺のことか? 一応まだ23なんだが……」

メルル「20越えてたら半分おじさんみたいなもんだよねェ」

エバンス「半分おじさん……」

メルル「それで、皆さんはどんなのを買う予定なの?」

妖精「まだ全然決まってないよ。来たばっかりだし」

メルル「へェ〜じゃああたしと一緒に選ぼうよ!」

クロシュ「うん……」


買い替え時のイリスとクロシュの服を買います

↓1コンマ イリスが買う服
01-70 魔術師のローブ
71-90 賢者のローブ
91-00 星光のローブ

↓2自由安価 クロシュが買う服

↓3自由安価 その他、服以外の服飾品など買うものがあれば(なしでも可)
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/20(土) 21:15:04.23 ID:8oSI8okIo
こんま
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/20(土) 21:15:59.45 ID:rhKzE2YG0
ゴスロリエプロンドレス
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/20(土) 21:18:44.00 ID:uo4+SUBzO
メルルとお揃いの帽子
39 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/20(土) 22:58:49.85 ID:UcAVZarw0
イリス「いろいろあるけど……私はやっぱりこれ!」

 魔術師のローブ「」ポン!

妖精「まあ着慣れてるやつが一番だよね」

ローガン「新品に買い替えられるのが既製品の利点だな」

 *

クロシュ「……」キョロキョロ

ミスティ「クロシュには……何が良いかしら……」

メルル「あ、これとか良くない!?」バッ

 ゴスロリエプロンドレス「」ポンッ!

エバンス「お、おおう……まあ、かわいいとは思うが……」

イリス「私も、クロシュちゃんにはきっと似合うと思うけど……」

ミスティ「旅には不向きじゃないかしら……」

メルル「でもでもこれ見て! 各種耐性エンチャント済だって!」

ローガン「ほう……こう見えて実用的な戦闘服というわけか」

メルル「そそ! どうかな!?」

クロシュ「これが、良いの……?」

妖精「いや、クロシュが決めるんだよ。これが良いかどうか」

クロシュ「えと……じゃあ、これにする……」スッ

メルル「さっすがクロシュちゃん! わかってるねェ〜」

 *
40 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/20(土) 22:59:20.32 ID:UcAVZarw0

妖精「さて、とりあえず必要な服は買えたわけだけど、他に何か買うものある?」

ミスティ「私はないわ……。このローブが……良いもの……」

ローガン「私も、この鎖帷子は地力で補修できるゆえ困っていない」

エバンス「俺も問題ない。少し年季が入ってはいるが、この革鎧もまだまだ使えるぜ」

イリス「私とクロシュちゃんは新しいのを買えたから、大丈夫!」

クロシュ「うん」

妖精「じゃあ撤収――」


メルル「待って待って!」トタトタ

イリス「メルルちゃん! 姿が見えないからまたどこかに行ったのかと」

メルル「えっへへ〜ちょっと買いたいものがあったから買ってたの!」

妖精「そういえばあなたも買い物に来てたんだよね。何を買いにきたの?」

メルル「当初は冷やかしに来ただけだったんだけど、気が変わってねェ。はい、これ!」

 メルルがかぶっているのと同じ冒険帽「」ポン

妖精「んん? これ、今あなたがかぶってるのと同じ冒険帽?」

ミスティ「あなたの帽子、まだまだ使えそうだけれど……」

メルル「違うよォ! これ、あなたたちにあげるって言ってるの!」

妖精「へっ……?」

メルル「ソリ芸人の皆さんに、お近づきの印ってことで! はい、どうぞ!」

 メルルがかぶっているのと同じ冒険帽「」グイグイ

クロシュ「う、うん……ありがと……」

 ☆イリスが魔術師のローブを新調しました
 ☆クロシュがゴスロリエプロンドレスを身に付けました
 ☆メルルの帽子を手に入れました

 ◆
41 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/20(土) 23:02:59.91 ID:UcAVZarw0
―ウォーターポート 裏通り

ゴスロリエプロン装備クロシュ「……」フリフリ

イリス「おお……クロシュちゃん、良いとこのお嬢様みたいだよ……!」

クロシュ「フメイちゃんが、かわいいから……」

エバンス「ああ、確かその姿はフメイちゃんっていう友達の姿なんだよな」

クロシュ「うん……。だから……フメイちゃんが、お嬢様……」

イリス「フメイちゃんも……クロシュちゃんと同じ、かわいい女の子なんだよね」

クロシュ「うん……」


妖精「それで……その占い師ってのは、どこにいるの?」

エバンス「もう少しだぜ」

ローガン「占い師か……。信用はできるのだな?」

エバンス「おう。うちの傭兵団も困った時はここの占い師を頼ったりするんだ。ちゃんとできる占い師だから安心してくれ」

イリス「へぇ〜! 本物の占い師だとしたら凄いなあ……是非お話を聞いてみたい……!」

ミスティ「……まあ、普通に気になるのは確かね……」

エバンス「お、あれだ! あの建物!」

 ボロ看板『占い屋』

 ◇
42 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/20(土) 23:04:07.63 ID:UcAVZarw0
―占い屋

 ギイー…
 バタム…

イリス「く、暗い……どことなく、フラナ先生のお店を思い出すセンス……」

ミスティ「ここが……占い師の……?」


「おや……置いてきぼりを食らったエバンス坊やに……新顔が五つかい?」スタスタ


イリス「!」

ミスティ「……!」

エバンス「占い師さん!」

クロシュ(店の奥から現れたのは――真っ白な髪を無造作に伸ばした、綺麗な女の人だった。髪とは真逆の真っ黒いローブを身に付けていて、どこか不思議な雰囲気をまとっている……)


占い師「エバンス一人、子供二人、中年一人、妖精一人、そして……ほお、こりゃまたトンチンカンな生き物がいたもんだ……クックック……」

妖精「あなたが……ここの占い師?」

占い師「いかにも。お前さんは……建国の妖精かい。こりゃまたとんでもない大物が来たもんだ……ククク……」

妖精「……へえ」

イリス「ま、まさか……占いの魔法で……!?」

占い師「どうだろうねえ。建国の妖精なんて大が付くほどの有名人だ、ちょいと歴史が好きなら誰でも知ってるだろうさ」

妖精「私の顔が判別できる歴史書なんてほとんど現存してるもんか。あなた……本物だね」

占い師「フフ……それで、エバンス坊やと、緑の国の首長とその一派が、何の用だい?」

エバンス「ああ……ちょっと知りたいことがあってな」

占い師「いいとも。なんでも占ってあげよう。勿論、相応の対価はいただくがね」


↓1〜3 占い師に占って欲しいこと(内容によっては超高額になるため、お金が足りずに聞けない可能性があります)
43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/20(土) 23:06:53.54 ID:WVQs+YuBo
ミスティの未来
44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/20(土) 23:07:54.57 ID:8oSI8okIo
取りあえず海を渡るのにどのルートややり方ならベストなのか聞く
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/20(土) 23:08:36.33 ID:CIlNXVeDO
すれ違って別行動している友達(フメイ達)とまた一緒に暮らせる方法
46 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/20(土) 23:16:56.04 ID:UcAVZarw0
本日はここまでとなります。次回は占い結果からです

今回は服を新調し、メルル氏とさらに親交を深め、そして胡散臭い占い師にいろいろ占ってもらう運びとなりました
占い屋では、冒険のヒントから冒険に関係のないフレーバーまで、いろいろな情報を得ることができます。お金はかかりますがいろいろと役立ててみるのも良いでしょう
しかし運命は刻一刻と移り変わっていきます。占い師が垣間見るのは、無限に枝分かれする未来のたった一つでしかないのかもしれません。過信はしすぎないのが良いでしょう

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/21(日) 04:08:02.86 ID:AdpOZqpSo

占い師めっちゃ大物感
フメイちゃん、このままだとメイド姿での目撃情報が出回るぞ!
だから早く合流しよ?
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/21(日) 17:40:33.87 ID:0yhg1kaKo
お金って今どれくらい保有しているんだ
お金の力で海賊どうにかできないか
49 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/21(日) 21:36:31.32 ID:r3XQJlSW0
占い師は胡散臭い人物ですが、特に重要人物というわけではありません。知っていることは多いかもしれません

クロシュちゃんにゴスロリエプロンドレスが似合うように、フメイちゃんが着ても似合うかと思われます。なおフメイちゃんはファッションにはあまり頓着しない性格のため、ゴスロリエプロンでの目撃情報が増えても特に何とも思わない可能性が高いです……

旅の資金はけっこうあり、贅沢をしなければ数ヶ月は暮らせる程度の額はあります。ただし消耗品の補充や旅の支度など、描写されていないところでもけっこうお金は使っているため、大金持ちというわけではないようです
なお、お金の力では解決が難しいようです
50 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/21(日) 21:37:00.65 ID:r3XQJlSW0
―占い屋

エバンス「トコナツ島へ行きたいんだが、海賊が跋扈していて正規ルートじゃ通れないんだ。あんたの力でベストな道を占えないだろうか」

占い師「行くだけならここ以外から遠回りすれば行けるだろう。占うまでもない」

妖精「意地が悪いね。私たちが急がなきゃならない立場なのはわかってるでしょ」

占い師「ハハ、悪かったよ。そうだねえ……マフィアたちの船が、どうして海賊に襲われないかわかるかい?」

イリス「えっ……? えと……裏で繋がってるとか、マフィア自身が海賊だから、とか……?」

占い師「残念、はずれ。でもちょっと惜しいねえ……海賊はマフィアの船を標的にできない理由があるのさ」

エバンス「なんだ……? マフィアの報復を恐れている、とかか?」

占い師「いいや、もっと単純だよ。海賊は――マフィアの船を認識できない≠だ」

イリス「認識阻害魔法?」

占い師「いいや、魔導技術さ。道具さえ揃っていれば誰でも再現できる……ここまで言えば、お前さんたちが何をすれば良いかわかるだろう?」

ローガン「……その認識阻害の手段を得れば良い、というわけだな?」

占い師「そういうこと。ああそうそう、この認識阻害の手段ってのは例の海賊にしか通じない特殊なものだよ。他の船や海の生き物の目を欺く効果はないから注意しな」

イリス「……? 海賊にしか通じない……? その海賊って、特殊な種族の方々だったりするんですか?」

占い師「さあ。知ってるけど、個人的に教えたくない。どうしてもって言うならお前たちの全財産の三倍は欲しいねえ」

ミスティ「払えるわけないじゃない……」

占い師「だろうね。私も教えたくないから丁度良いだろう」

エバンス「……だが、その技術ってのは一体何なんだ? それも教えてくれないのか?」

占い師「それを教えちゃうと、海賊の正体を教えることにもなっちゃうからねえ……」

イリス「……マフィアの人と交渉する……?」

エバンス「いや、それは危険だろ。下手なことを言えば口封じに消されちまう」

占い師「マフィアとしても技術と情報の流出は痛手だろうからねえ」

イリス「でも、じゃあどうすれば……」

占い師「馬鹿正直に交渉する必要はない。末端を捕まえて質問≠キるなり、船に潜入して調べてみるなり、やりようはいくらでもあろう」

ローガン「う、うむ……まあ、方法は後で考えるとしよう……」
51 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/21(日) 21:37:32.98 ID:r3XQJlSW0
占い師「とりあえず海の渡り方についてはこんなとこかね。他に何か知りたいことはあるかい?」

クロシュ「あ……えと……。わたし……いい……?」

イリス「クロシュちゃん! もちろんいいよ!」

エバンス「おう。俺の手持ちで良いぜ、好きなことを聞いてくれ」

クロシュ「ありがと……。それじゃあ……。えと……フメイちゃん……あ、えと……わたしの……大切な、友達のことで……」

占い師「炎の子のことだろう? 大丈夫、知ってるよ」

クロシュ「う、うん……。その……フメイちゃんと……また、一緒に暮らしたくて……。どうすれば……いい……?」

占い師「う〜ん、それはまた難しい問だねえ……。運命神に愛されてるんだから嫌われてるんだか知らないが、お前さんたちの運命は複雑怪奇にこんがらがりすぎてるんだよ。悪いけれど、現時点じゃ正解なんてわからんとしか言えないねえ……」

クロシュ「……」ショボン

占い師「まあそう落ち込みなさんな。お前さんと炎の子の縁、運命は簡単にゃ途切れんよ。また一緒になりたけりゃ、諦めずに進み続けることだね」

クロシュ「……うん!」

占い師「大したことは言えなかったから金はいらんよ。さて、他には?」
52 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/21(日) 21:38:19.95 ID:r3XQJlSW0
ミスティ「……じゃあ、私……良いかしら?」

ローガン「……」

妖精「……うん。いいよ、ミスティ」

ミスティ「……私は……これから先、どうなるかわかる? 目的を……遂げられるの?」

占い師「へえ……お嬢さんは、どうやら運命の岐路に立っているようだ。ククク……どちらに進んでも、目的を遂げられるかどうかは運次第としか言えないねえ……」

ミスティ「答えになってないわ……。占い師なら、もっとはっきりわかるんじゃないの?」

占い師「運命は絶えず変化する。昨日見た運命が今日は丸っきり違うものになっていることもある。私が観測する未来は、無限に広がる可能性のたった一つでしかないんだよ」

ミスティ「……」

占い師「結局、あんた自身がどうしたいかってことさ。自分が本当に大切にしたいものをよく考えることだね」

ミスティ「私が……」

占い師「これもタダでいいよ。占いらしいことは何も言ってないからね」

妖精「まあ……安く済ませられるのは良いけど……」

 ☆マフィアの海賊対策方法についての情報を得ました

 ◆
53 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/21(日) 21:43:00.34 ID:r3XQJlSW0
―ウォーターポート 大通り

妖精「認識阻害の手段を調達しなきゃならないわけだけど……考えてみたら、海賊を欺く手段があっても船がなきゃ意味がない」

ローガン「確かに……。ギルドの船も海賊の討伐依頼を受けなければ借りられんし、少し困ったな……」

イリス「船かあ……。私の地魔法じゃ泥舟しか作れないし……」

エバンス「イリスちゃんも地属性なのか? 俺も地属性なんだ、奇遇だな!」

イリス「あいや、星属性です! 地属性も一応使えるってだけで、ですね……」

エバンス「星属性、だと……」

イリス「あはは……本職よりは全然な器用貧乏ですよ」


ローガン「……ところでミスティくんのソリは、水上移動とかはできないかね?」

ミスティ「できるわけないでしょ……。そんなことができたら本当にソリ芸人よ……」

ローガン「そ、そうか……」

妖精「……そうだ! クロシュ、帆船とかに擬態できない?」

クロシュ「ほえ……?」


↓1コンマ
01-40 カタツムリなら……
41-70 ヤドカリなら……
71-90 ウミガメなら……
91-00 海竜なら……
54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/21(日) 21:43:26.16 ID:wUV16OwR0
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/21(日) 21:43:45.60 ID:0yhg1kaKo
海竜
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/21(日) 21:57:53.53 ID:G/7uXc4No
ムリムリムリの
57 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/21(日) 22:13:27.74 ID:r3XQJlSW0
クロシュ「えと……カタツムリ、なら……」

 デロデロ…ポン!

カタツムリクロシュ「」モゾモゾ

妖精「ええ……」

エバンス「で、でっけえカタツムリだ……」

イリス「でもかわいいかも! カタツムリクロシュちゃん!」

カタツムリクロシュ「」モゾモゾ

ローガン「……は! クロシュくん、そのカタツムリの殻に鉄の小盾を同化させたりはできるかね!?」

カタツムリクロシュ「!」ピコン!

 モゾモゾ ポン!

鉄殻カタツムリクロシュ「」キラン

ローガン「おお、思った通りだ……! クロシュくん、能力の使い方に磨きがかかってきたな……!」

妖精「いや、そもそも普段の姿がフメイに擬態してるんだから、擬態中に同化を使えるのは今更でしょ……」

ローガン「……言われてみればそうだったな。うむ……」

ミスティ「ま、まあ人型でもスライム型でもない姿でも同化が使えるのがわかったし、良いんじゃないかしら……」

ローガン「ミスティくん……!」

妖精「……まあそうだね。とりあえずクロシュの成長が見れたってことで良しとしよっか」

鉄殻カタツムリクロシュ「」モゾモゾ

 ☆擬態と同化を自由に組み合わせることができます
 ☆今後、海渡りの姿を獲得するための訓練を行うことができます(必要経験 0/3)

 ◆
58 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/21(日) 22:21:13.09 ID:r3XQJlSW0
―港湾都市ウォーターポート 滞在4日目
 ◆パーティメンバー
 ◇クロシュ 武:鉄の小盾  防:ゴスロリエプロン
 ◇妖精   武:なし    防:エルフのレオタード
 ◇イリス  武:精霊樹の杖 防:魔術師のローブ
 ◇ミスティ 武:魔銀の短剣 防:精霊のローブ
 ◇ローガン 武:鋼の剣   防:鎖帷子
 ◇エバンス 武:鉄の剣   防:革の鎧

◯所持アイテム
・鉄鍋+携帯調理器具
・蜘蛛絹の下着
・ザリガニのお守り
・魔術書「星の魔力」
・魔族国永久旅券
・マジカルブラッドワイン
・反魂丹×2
・運命賽×2
・雨乞い傘
・フメイの服の切れ端
・精霊の印
・精霊樹の実のジャム
・鋼の回転ノコギリ
・精霊樹の鉢植え
・フメイとアリシラの人形
・お宿の焼き菓子
・お宿の妖精の織物

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[0/5]
・トコナツ火山島行きの船を探す
・海渡りの姿を獲得する[0/3]

◯仲間の目標
・???(ミスティ)
……………………………………………………………………………………
□港湾都市ウォーターポート 主要施設
大通り:旅の船着場、武具店、雑貨店、魔法店、鮮魚店、食品店、食事処、酒場、浴場、冒険者ギルド、他
裏通り:占い屋、怪しい露天商、暗黒商店、奴隷商店、他
沿岸部:港、造船所、魚河岸、灯台、他
隣接地:機械工業都市テンペスター
……………………………………………………………………………………
59 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/21(日) 22:21:41.32 ID:r3XQJlSW0
―朝
 旅の船着場 客室

 チュンチュン

スライムクロシュ「……」zzz

妖精「すう、すう……」zzz


ミスティ(……私の……大切なもの……?)

ミスティ(…………全部、全部……あいつに、奪われてしまったじゃない……)

ミスティ(もう二度と……戻って、来ないのに……どうやって……大切にしろって、言うのよ……)

ミスティ(…………)


イリス「ふわあ……。あ、ミスティ……早いねえ……」ググッ

ミスティ「! イリス……」

イリス「……ミスティ、眠れてないの? クマ、ひどいよ……」

ミスティ「……気のせいでしょ。ちゃんと……休めているわ……」

イリス「そう……? それなら、いいけど……」

ミスティ「……」

イリス「えと……私、相談とか、何でも乗るからさ。あんまり、一人で苦しまないでね」

ミスティ「……ええ。ありがとう、イリス……」


ミスティ(……本当に、ありがとう。イリス……)

ミスティ(でも……だからこそ、そんな優しいあなたを巻き込むわけにはいかないでしょう……)

ミスティ(これは……私の問題だもの……)


ウォーターポート滞在4日目です
↓1〜3 自由安価 何をする?
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/21(日) 22:22:26.06 ID:wUV16OwR0
ミスティ、海賊の下っ端に絡まれてる子供を助ける
61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/21(日) 22:24:15.75 ID:QtrjGSamO
クロシュ、海わたり変身の特訓
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/21(日) 22:28:37.13 ID:85vIrSdDO
イリス
ミスティの様子が心配で皆に相談(魔族国緑の国含む)
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/21(日) 22:29:02.59 ID:XdSqUOdT0
ミスティの悩みを聞き出す
64 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/21(日) 23:30:53.69 ID:r3XQJlSW0
―裏通り

ローガン「マフィアの末端を締め上げるとは言っても、そもそもどこの誰がマフィアの末端なのかわからんな……」

ミスティ「情報がないとどうにもならないわね……。私が囮になって、悪漢でも誘き寄せてみる?」

ローガン「………ミスティくんの実力なら大丈夫だとは思うが……しかしただのチンピラしか釣れないような気もするぞ……」

ミスティ「ただのチンピラでも、マフィアに繋がる情報を持っているかもしれないわ……」

ローガン「……うむ。このままでは埒が明かんのも確かだ、やるだけやってみよう。私は隠れているが、何かあればすぐに助けるぞ」ススッ

ミスティ「ええ、お願い……」

 *

ミスティ「さて……釣れるかしら……」スタスタ


 ダレニキョカトットンジャコラーッ!! ゴメンナサイゴメンナサイ!

ミスティ「!? 何かしら……!」タタッ


ローガン「み、ミスティくん待て! 私も行く!」タタッ

 *
65 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/21(日) 23:34:17.67 ID:r3XQJlSW0
―裏通り

悪漢「ここが俺たちのシマだってわかってんのかオオン!!?」

エプロンの少女「ごめんなさいごめんなさい! 知らなかったんです!」

悪漢「知らんで済みゃマフィアは要らねーんだよ!! どう落とし前付けてくれんじゃオオン!?」

エプロンの少女「ゆ、許してください……商品を差し上げますから……」

悪漢「オオン!? こんなもんいらんわ!! もっと出せるもんがあるよなァ!?」

エプロンの少女「えっ……こ、これ以外は……お金も、なく……」

悪漢「カマトトぶってんじゃねェーぞオオン!!? 体で払えってんだよボケがコラーッ!」

エプロンの少女「えっ……」

悪漢「ショバ代徴収だオラーッ!」ガシッ

エプロンの少女「あ……」ジワ

悪漢「まずはその安物の服を引き裂いてやるぞオラーッ!」グッ


「そこまでよ!」カッ


悪漢「オオン!?」

 氷塊「」ブンッ
 ゴッ

悪漢「オゴッ……」

 ドサッ


エプロンの少女「え、え……?」

ミスティ「……怪我はないかしら」

エプロンの少女「は、はい……」

ミスティ「……なら良かったわ。早く家に帰りなさい。ここは危ない……商売は大通りの方が良いわ……」

エプロンの少女「あ、は、はい……! あの……ありがとうございました! これ、差し上げます……!」

 焼きたてパンの入ったバスケット「」ポン

ミスティ「これは……」

エプロンの少女「あの……私の店で焼いたパンなんです。保存魔法がかかってるので、長持ちなので……都合の良い時に、お食べください……! それじゃあ……本当にありがとうございました……!」ペコッ タタッ

 ☆焼きたてパン入りバスケットを手に入れました

 *

ローガン「ミスティくん……!」タッタッタッ

ミスティ「ローガンさん」

ローガン「そのバスケット……善徳を積んだようだな」

ミスティ「……お礼が欲しくてやったわけじゃないわ。当初の目的通り、情報収集のために悪漢を締め上げたに過ぎない……」

ローガン「フッ……目的が何であれ、そのバスケットが全てだろう」

ミスティ「……それより、早速こいつを締め上げましょう……マフィアがどうとかショバ代がどうとか言ってたから、末端である可能性は高いわ……」

悪漢「」ピクピク

 *

↓1コンマ 締め上げた結果
01-30 マフィアぶったただのチンピラだった
31-60 末端(情報量:少)
61-90 中堅(情報量:中)
91-00 幹部(情報量:多)
66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/21(日) 23:35:04.79 ID:85vIrSdDO
はい
67 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/21(日) 23:45:18.36 ID:r3XQJlSW0
マフィアの中堅構成員を締め上げたところで本日はここまでです。次回、ダークヒーローミスティの尋問編、クロシュの特訓編、イリスの相談編です

海を渡る手段へ着々と近づいています。なお海賊が跋扈しているこの状況で、通常価格で船を貸してくれるモノ好きはほとんどいません。安く済ませたい場合はクロシュちゃんに海渡りの仕方を覚えてもらうのが良いでしょう

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/22(月) 01:35:50.03 ID:+ZNJl/q7o
おつおつ
あくまで尋問だから、手加減するんだよ……ミスティさん思い切りが良過ぎるので
クロシュつむり人気で草
69 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/27(土) 12:02:19.33 ID:MV18Xz4AO
海竜クロシュになったらいよいよパーティ最強格になるんじゃ
70 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/27(土) 15:32:28.91 ID:0wTOpo8SO
海なら水着回は期待していいのだろうか?
いや、それ以前に皆泳げるのだろうか?
すべてはコンマ神のみぞ知る……はず。
71 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/27(土) 20:50:33.47 ID:G41wZLu70
ミスティ氏は割と喧嘩っ早い判断をしがちなようです。一人旅をしていた時は、暴力による解決が最短最速最適解となる場面が多かったのかもしれません
クロシュつむりは本物のカタツムリと違って寄生虫を持っていないため、素手で触っても安心です

ただの擬態では強さや能力までは再現できないため、海竜に擬態しても強くなれるわけではないようです(海竜の形にはなるので効率的に泳ぐことはできます)
海竜などの水生生物に擬態した状態で水属性のアイテムを同化に用いれば、より高い水適性を得られるでしょう

水着は……機会があれば着ることもあるでしょう。泳げるかどうかは実際コンマ次第です
ちなみにスライム形態のクロシュちゃんはほぼ全裸です
72 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/27(土) 20:51:07.22 ID:G41wZLu70
―薄暗い路地裏

悪漢「ハッ!?」

ミスティ「気が付いたようね……」

悪漢「め、目がッ……! 手足も……冷てェ……!?」

 悪漢の目元と手足を覆う氷「」カチコチ

ミスティ「騒がないで……。私たちは王国特務騎士……いくつか質問に答えてもらうわ……」

悪漢「王国特務騎士だとォ……!? テメッ俺様はウォーターポート最大のマフィア、港湾組の次期若頭補佐代理心得だざッ――」

 氷「」キンッ

悪漢「オゴッ……!」

ミスティ「騒ぐなと言ったはずよ……。喉も凍らせて欲しいのかしら……?」

悪漢「……ッ!」

ミスティ「時間が経てば経つほど、あなたの目と手足は壊死に向かうわ……。処置が遅れれば……わかるわね?」

悪漢「……ッッ!!」

ミスティ「そして私たち特務騎士は嘘を見抜くことができる……。もし嘘をつけば……壊死では済まないかもね……」

悪漢「……ッッッ!!!」

ミスティ「……正直に、迅速に答えなさい。いいわね……?」

ローガン「…………」

 ◆
73 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/27(土) 20:52:15.26 ID:G41wZLu70
悪漢「」ピクピク


ミスティ「尋問結果をまとめると……こんな感じね」

・マフィアは海賊の目を欺く手段を有している
・とある魔導機械装置を起動することで、海賊の目を欺く結界のようなものが展開される
・その装置の大きさは一般的な飯盒と同じくらい
・その装置を操作する権限を持つのは幹部以上の構成員のみ。当然持ち出し不可
・その装置には、テンペスターに拠を構える巨大企業「セイントレア・メカニクス」のロゴマークが入っている
・海賊の正体は知らない

ローガン「うむ。かなりの収穫だ」

ミスティ「みんなに報告しましょう……」


悪漢「」ピクピク


ミスティ「こいつは……口封じした方が良いかしら」

ローガン「いや。顔を見られたわけではないのだから命まで奪う必要はないだろう」

ミスティ「……それもそうね」

ローガン「うむ……。戦場以外の場所では殺人は極力避けよう。力による解決を是とする獣の論理に従い続ければ、人の世で生きられなくなる」

ミスティ「ふふ……こんなやり方で情報収集している時点で手遅れじゃない?」

ローガン「…………」

ミスティ「……冗談よ。気をつけるわ……」

 ◆
74 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/27(土) 20:53:16.53 ID:G41wZLu70
―海岸

カモメ「クゥー、クゥー」

カニ「チョキチョキ」


エバンス「ええっ? 結局クロシュちゃんに船の代わりをやってもらうのか!?」

妖精「うん。船を出してくれるとこもないし」

エバンス「でも、ここからトコナツ島までけっこうあるぞ? かなりの負担になるっていうか……」

クロシュ「大丈夫……。わたし……体力、けっこう、ある……」

エバンス「いやそれにしたって限度がある! 普通の船旅で3日くらいかかるんだぞ!」

クロシュ「たぶん……大丈夫……」

妖精「地図を見た感じだと道中で休めそうな島もいくつかあったから、休憩はちゃんと取れるよ」

イリス「いざという時は私が泥舟を作ります!」

エバンス「そ、そうか……。まあ、クロシュちゃんが大丈夫だってんならいいが……でもクロシュちゃん一人に負担をかけんのはなあ……」

妖精「私たちにできることもあると思う。例えば私なら、海流の力を借りてクロシュの背中を押してあげられるし」

イリス「あ、そっか……! 私も水魔法で何かできることがあるかも……!」

エバンス「なるほどな……じゃあ俺も、クロシュちゃんが疲れた時に休めるよう、泥舟を作る練習でもしてみるか……」

クロシュ「みんな……ありがと、ございます……」ペコ


↓1 特訓の成果
01-60 イカダ(経験1/3)
61-90 小舟 (経験2/3)
91-95 大亀 (経験3/3)
96-00 海竜 (経験☆)
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/27(土) 20:54:32.23 ID:DqkPkmsy0
76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/27(土) 20:54:47.16 ID:rCtM9byqo
77 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/27(土) 23:31:57.28 ID:G41wZLu70
 ザバァン―

イカダクロシュ「」プカプカ

妖精「お〜! イリスとエバンスが乗ってもちゃんと浮いてるよ!」

イリス「ご、ごめんねクロシュちゃん! 土足で乗っちゃって」

エバンス「す、すまん……」

イカダクロシュ「」モニョモニョ

妖精「大丈夫だってさ」

イリス「そっか……ありがと、クロシュちゃん。でもその姿だと、人間の言葉は喋れないんだね」

イカダクロシュ「」モニョニョ…

妖精「大丈夫大丈夫、私はわかるから。できないことを無理にやらないで、できることを一歩づつやろう」

イカダクロシュ「」モニョモニョ

エバンス「妖精はスライム語がわかるのか。凄いな」

妖精「まあ……無駄に長生きしてるからね……」

イリス「スライム語かあ……スライム語で書かれた古代の魔導書とかもあるらしいし、私も勉強してみようかなあ」


 ☆クロシュの海渡り経験が1/3になりました
 ☆イカダに擬態できるようになりました

 *

カモメ「クゥー、クゥー」

カニ「チョキチョキ」


スライムクロシュ「……」デロロ

妖精「お疲れ様、クロシュ。今日はこのくらいにしとこうか」

クロシュ「ん……」モニョ

エバンス「しかし凄いな。イカダに化けられるスライムなんて聞いたことないぞ。体積や質量まで変化してないか?」

イリス「ですよねえ。クロシュちゃんって実は凄いスライムなんじゃ……?」

クロシュ「?」

妖精「まあクロシュはクロシュだよ」

 ◆
78 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/27(土) 23:32:26.73 ID:G41wZLu70
―夜
 旅の船着場 客室

ミスティ「――以上が、マフィアの構成員から聞いた話になるわ」

エバンス(どうやってマフィアの構成員から聞き出したのかは聞かないでおこう……)

イリス「それで、えっと……セイントレア・メカニクスって……?」

ローガン「王家直属の軍産企業だな。主に魔導機械を用いた物品の開発・生産を行っている」

イリス「えっ、じゃあもしかしてローガンさんが使ってる回転ノコギリも?」

ローガン「いや、あれはマーベル重工製のもののようだ」

妖精「マーベル重工……あいつそんなものもやってるのか……」

エバンス「しかしセイントレア・メカニクスだと? きな臭くなってきやがったな……」

ローガン「うむ……。テンペスターに行って調べてみるのも良いかもしれん」

妖精「うへぇ……」



ミスティ「ああそうそう。それと……いろいろあって、これをもらったわ」

 焼き立てパン入りバスケット「」ポン

エバンス「おお! 美味そうなパンだな! 焼き立てみたいだ!」

ミスティ「保存魔法がかかっているみたい。焼き立てホカホカの状態が維持されているわね」

イリス「え、すごい! 良いなあ、保存魔法……」

ミスティ「都合の良い時に食べて良いとのことだから、みんなも食べて」

クロシュ「ん……!」

妖精「せっかくだし塗るものとか欲しいなあ。何かあったっけ?」

 *
79 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/27(土) 23:35:06.84 ID:G41wZLu70
ミスティ「……さて、それじゃあ話もまとまりそうだし私は入浴を済ませてくるわね」スクッ スタスタ

イリス「あ、うん! いってらっしゃ〜い」

 パタム…

イリス「……」

妖精「どしたの、イリス」

イリス「……えと、みんなにちょっと相談があるんだけど……」

クロシュ「?」

妖精「え、相談?」

ローガン「うむ……聞こう」

エバンス「おう、何だ?」

イリス「うん……あのね、ミスティのことで……」

妖精「ああ……イリスも流石に気付くか……」

エバンス「え、どういうことだ……?」

妖精「この街に着く少し前のことなんだけど――」

 *

エバンス「故郷と家族の仇……。そんなことが……」

イリス「はい……。それで、ここ最近ちょっと思い詰めてるみたいで……」

妖精「私も気付いてはいるんだけど……。家族の仇ともなると、安易に復讐やめろとも言えないし、難しいんだよね……」

イリス「私は家族を殺されたわけじゃないから……下手な言葉をかけると、かえって嫌な気持ちにさせちゃいそうで……」

妖精「ローガンは近い境遇なんでしょ? 何か、良い案はない……?」

ローガン「確かに、私は彼女と似た境遇だが……。だからこそ、彼女の気持ちも痛いほどわかるのだ……。憎き仇が現れて、そいつがのうのうと生きている姿を見せつけられて……黙ってなど、いられるはずもない。私がミスティくんと同じ立場であれば……勝ち目などないとわかっていても、きっと無謀な戦いを挑まずにはいられないだろう」

妖精「……」

ローガン「すまん……私は、本心では復讐を肯定する愚か者なのだ。そんな私が復讐を止める言葉を吐いても、軽薄な戯言にしかならぬ……」

イリス「そんなことありません! ローガンさんもミスティも、家族が本当に大事だったんです!! だから、その想いが愚かだなんて……」

ローガン「イリスくん……」

妖精「イリスって本当に良い子だねえ。でもその考えだと復讐を肯定しちゃいそうじゃない?」

イリス「あっ……!! いや、でも……うう……」

ローガン「大事だからこそ、か……。フッ……家族の言葉なら、あるいはミスティくんに届いたのかもしれんな……」

妖精「その家族が殺されたんだから、届けようがない……」



エバンス「……なあ、ミスティちゃんの元々の旅の目的って何だったんだ?」

妖精「安住の地を探してたんだって。今は私の仕事に付き合ってもらってるけど……これが終わったら、また一人で旅に出るのかなあ」

ローガン「……魔族国……はまだ難しいだろうが、緑の国であれば十分に安住の地と言えそうな気がするな」

イリス「ティセリアさんたちなら喜んで迎えてくれるだろうし、あの森妖精の子もきっとすっごく喜びそう……!」

エバンス「いろいろあったんだな……。しかしこのパーティ以外からもしっかり愛されてるんじゃないか、ミスティちゃん。とんだ困ったちゃんだぞこりゃ……」

イリス「愛されて……。みんなが、ミスティを大事に思ってることを、上手く伝えられたら……」

ローガン「愛を伝える方法か……。指輪を渡す……のは違うな、すまん」

エバンス「はは、一瞬ビビったぜ……。でも、言葉だけでなく何かしら別の形で表現するのは実際良いかもな」

妖精「別の形かあ……。何か、ミスティへの愛を示せるものはあったかな……」


クロシュ「……」

↓1〜2自由安価 クロシュは何か良い案ある?
80 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/27(土) 23:38:06.75 ID:DqkPkmsy0
手料理を作ってあげる
81 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/27(土) 23:42:13.08 ID:uDpOWH0VO
皆お揃いのアクセサリーをプレゼント
82 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/27(土) 23:42:13.96 ID:ndeT0ahDO
精霊樹の鉢植えを一緒に育てようとかかな?
83 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/28(日) 00:18:40.81 ID:aYYOgcBr0
クロシュ「……」

 メルルの帽子「」

クロシュ「!」ピコン

クロシュ「えと……帽子を……プレゼント……するのは……?」

妖精「へ? なんで帽子?」

クロシュ「あの……メルルさんが……お近づきの印に、って……」

 メルルの帽子「」

イリス「あ、そっか! 親愛の気持ちを示すのに、パーティみんなでお揃いのものをプレゼントしようってことだね!」

クロシュ「……? うん……」

ローガン「なるほど、お揃いの装備でこのパーティへの帰属意識を高めようというわけか。なかなか策士だなクロシュくん」

エバンス「そういう手もあるのか……! クロシュちゃん、やるな……!」

妖精(いや、絶対そこまで考えてないと思う……)

イリス「お揃いの装備は明日にでも買いにいこう!」

ローガン「そうだな。今夜はもう暗い……明日、通りを見てみよう」



妖精「でもせっかくだしもう一つくらい案が欲しいね。クロシュ、他に何か良い案ある?」

クロシュ「えと……ごはん……」

イリス「ご飯……そっか! 私たちでミスティに手料理を振る舞ってあげれば……!」

ローガン「なるほど……街に着いてからは外食ばかりだったからな」

エバンス「確かに食ほどストレートに愛を示せるものもない!」

イリス「ご飯ならここのキッチンを借りればすぐにでも取りかかれるよ!」スクッ

エバンス「よし、善は急げだ!」スクッ

 タッタッタッ

 ◇
84 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/28(日) 00:19:16.43 ID:aYYOgcBr0
宿の看板娘「え、キッチンを使いたい? 今は誰も使っていないので構いませんが……」

イリス「ありがとうございます!」

エバンス「綺麗に使いますんで!」

宿の看板娘「必要な食材があればお申し付けくださいね。お店ほど豊富ではありませんけど、いろいろありますので」


↓1〜2 食材を1〜2つ選択
肉類:トリ肉、ケモノ肉
野菜:セイントレア草、王国キャベツ、海藻類
穀物:ウルティ米、ふっくらパン、港湾パスタ
魚介:カニ、海ザリガニ、異世エビ、アークサーモン、ホタテ
果実:リンゴ、ナシ
卵乳:トリの卵、ミルク、チーズ、バター
特殊:スライムゼラチン
所持:マジカルブラッドワイン、精霊樹の実のジャム、お宿の焼き菓子、焼きたてパン
※表にない調味料などが使われることもあります
85 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/28(日) 00:29:43.76 ID:+5UrSjlyo
リンゴ バター
86 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/28(日) 00:30:47.36 ID:mEzkS7jDO
ミスティを慕ってる森妖精の子から貰った精霊樹の実のジャム
ミスティが助けたエプロンの少女から貰った焼きたてパン
87 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/28(日) 01:58:45.19 ID:aYYOgcBr0
 バスケット入り焼きたてパン「」

エバンス「せっかくだから、ミスティちゃんが貰ってきたっていうパンを持ってきたぞ」

イリス「いいですね! じゃあパンをベースにして……ここにある食材なら何が合うかなあ」

エバンス「無難なのはバターだが、ただのバタートーストじゃ少し物足りないな。他に何か……」

イリス「あ、リンゴ! この美味しそうなリンゴをスライスして焼いて、パンで挟めば……!」

エバンス「焼きリンゴバターサンド!」

イリス「よおし、じゃあこれで――」

 トテトテ
 ガチャッ

クロシュ「……」トテトテ

イリス「クロシュちゃん!」

エバンス「どうしたんだ?」

クロシュ「ん……」スッ

 精霊樹の実のジャム「」

エバンス「ん? これは……ジャム? ラベルも何も貼られていないが……」

イリス「あっ……これ……!!」

クロシュ「……ミスティさんを……大切に、想ってる……子の……ジャム、だから……」

イリス「……そうだね。勝手に使ったら……怒られちゃうかもだけど……。でも……今のミスティにこそ、食べさせてあげなきゃ……!」

クロシュ「ん……!」

 *
88 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/28(日) 01:59:17.03 ID:aYYOgcBr0

ミスティ「ふう……。お風呂、上がったわ……。ん? 何か、とても良い香りが……」スタスタ

イリス「ミスティ! これ……どうぞ……!!」スッ

 焼きリンゴバター精霊サンド「」キラキラ

ミスティ「こ、これは……!」

妖精「私たちの、感謝と親愛の気持ちだよ。まあ……遠慮せず受け取って欲しいな」

エバンス「聞いたぜ……。ミスティちゃんを慕ってる、幼い妖精の子がいるんだってな……」

イリス「このサンドイッチには……あの子の精霊樹のジャムをふんだんに使いました。勝手に使っちゃってごめんね……。でも……今のミスティに、味わって欲しかったから」

ローガン「このパンも、君が助けた少女がその恩としてくれたものだ。ミスティくん……君は、君が思っている以上に……他者を想い、他者から想われているのだ」

ミスティ「……」

クロシュ「ミスティさん……」

ミスティ「……ありがとう……。いただくわ……」スッ

イリス「うん……!」

 *
89 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/28(日) 01:59:45.12 ID:aYYOgcBr0
 サクッ モグ モグ …

ミスティ(うっすらと焼かれたパンに、焼きリンゴとバターがよく溶け合い――)

ミスティ(ふんだんに塗り込まれた精霊樹の実のジャムが……とても甘酸っぱく、染み渡る――)

ミスティ(……美味しい)

ミスティ(…………)

ミスティ(ジャムの中に……あの子の魔力を感じる……。あの子の……優しい想いが、伝わってくるかのよう……)

ミスティ(あの子は……元気かしら……)

ミスティ(私の来訪を……待ってくれて、いるのかしら……)

ミスティ(…………)ジワッ

ミスティ(…………私……馬鹿だわ……)

ミスティ(私が死ねば……あの子が……どんな顔をするか…………)

ミスティ(ううん……あの子だけじゃない……。イリスも……クロシュも……みんな……)

ミスティ(どうして……気付かなかったのかしら……。私……こんなにも……大切にされているのに……)

ミスティ(本当に……馬鹿よ……)ポロポロ


イリス「あ、な、なんか変だった!? 玉ねぎは切ってないはずなんだけど……!」アタフタ

ミスティ「ち、違うのよ……。これは……ぐすっ……自分に、呆れてるのよ……」ポロポロ

イリス「え、え?」

ミスティ「……ありがとう……。本当に……ありがとう……」ポロポロ

イリス「あ、う、うん……! こちらこそ……!」

クロシュ「ミスティさん……! あの時も……今も……わたしを、守ってくれて……わたしと一緒に、来てくれて……ありがと、ございます……」ペコリ

ミスティ「クロシュ……。ふふ……元はと言えば……あなたが発端だったのよね……。私が、ここにいるのは……」

クロシュ「え、えと……」

ミスティ「あなたのお陰で……このパーティの一員になって……みんなに、出会えた……」

クロシュ「……!」

ミスティ「ありがとう……。これからも、よろしくね……」

クロシュ「うん……! よろしく、お願いします……」ペコリ


ローガン「フッ……一件落着のようだ」

妖精「良かった……。復讐を否定する気はないけれど、仲間が無謀な挑戦をして死ぬなんて嫌だもの……」

ローガン「……うむ」

妖精「……ローガンは……もし旅の途中で仇を見つけたら……」

ローガン「……さあ。その時になってみなければわからないが……君たちを悲しませる結果にならぬよう努力する……と約束しよう」

妖精「……うん。してよね、努力」



エバンス「……復讐、か……。イーシャさん……集落のみんな……」グッ


 ☆ミスティ残留が確定しました
 ☆ミスティの目標が更新されました

 ◆
90 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/28(日) 02:00:15.91 ID:aYYOgcBr0
というわけで本日はここまでです。ミスティ残留確定おめでとうございます

いくつかの会話中にミスティ残留のヒントをこそこそ出していたのですが、お気付きになられましたでしょうか?
何にせよミスティさんはパーティに残ってくれるようです。おめでとうございます。これにて、パーティの結束はより強くなったと言えるかもしれません。今後のミスティとクロシュ一行の活躍に是非ご期待くださいませ

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
91 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/28(日) 08:24:13.85 ID:w1/nwXQro

助けた妖精さんに助けられた……!良かった!!
パーティの希望の光系クロシュちゃん
92 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/28(日) 14:01:56.00 ID:Zxlm2POmo
乙です
ここでミスティ、ローガンが離脱した場合、復讐完遂→パーティ復帰出来れば二人の戦力が大幅アップしますが、運命賽×2でも安定しません。
だから、ミスティを引き止める必要があったんですね。(クロシュパーティ生存100%RTAチャートより)(嘘)
93 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/28(日) 20:12:00.51 ID:aYYOgcBr0
はい、ミスティ残留の鍵は森妖精の子(のジャム)でした
あの時のミスティの善意が、巡り巡って愛となり――ミスティの心に届いたのです

クロシュちゃんは目立つ子ではありませんが、その小さな優しさや善意は、未来への道行きを照らす薄明かりとなるのかもしれません
やはりこの物語の主人公は、クロシュちゃんなのです

実際、ミスティが離脱した場合の生存率は絶望的なものでした(1%で勝利、4%で相打ち、10%で敗走、85%で死亡)。運命賽を使っても無駄になってしまう確率の方が高いです
ちなみにローガン氏はミスティ死亡ルートでも死ねません。ミスティが最後の力を振り絞ってローガン氏を逃がし、生き残ってしまうからです
そうしてローガン氏は、死にたくともミスティに救われた命を無駄にできず、後悔と自責を抱えたまま亡霊のように生きざるを得なくなってしまいます
94 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/28(日) 20:13:34.44 ID:aYYOgcBr0

 フラナからの手紙『復讐はすべきよ。でもそれは今ではないわ』

 フラナからの手紙『特級危険生物は私でも五分の相手。今のあなたたちに勝ち目はない』

 フラナからの手紙『刺し違えてでも、などとは考えないこと。復讐は完全完璧に相手を下さなければ意味がない』

 フラナからの手紙『だからミスティにはこう伝えなさい。今は堪え、力を付けよ――と』


 聖女からの手紙『ミスティさんが前に進むためにどうしてもその復讐を遂げなければならないというのであれば、私に彼女を止める言葉はありません』

 聖女からの手紙『ですが、それでも私は、ミスティさんに御身を大切にして欲しいと思ってしまいます』

 聖女からの手紙『そしてこれは、できればなのですが。もし対話の機会があれば、相手の方とお話をしてみて欲しいのです』

 聖女からの手紙『わかり合え、などと言うつもりはありません。しかし私は――対話もなく、相手の真意も知らぬまま殺し合うなんて――悲しすぎると思うのです』

 *

 風の精霊『ティセリアと森妖精の子からの伝言だよ!』ヒュルヒュル

 ティセリアの声真似『復讐、ですか……。部外者である私に軽率なことは言えませんが……無茶はして欲しくない、というのが正直なところです』

 ティセリアの声真似『……もし特級危険生物に挑むのであれば、徹底的に相手を調べ、策を練り、万全の態勢で――」

 森妖精の子の声真似『えっ……ミスティさん……今、たいへんなの……?』

 ティセリアの声真似『……! 聞いていた、のですか……』

 森妖精の子の声真似『……ミスティさん……だいじょうぶ、なの……?』

 ティセリアの声真似『……はい。今は、何ともないはずです』

 森妖精の子の声真似『………また、ここに……きて、くれるよね……?』

 ティセリアの声真似『……………ええ。あなたの想いが、届けば……きっと――』

 森妖精の子の声真似『わたし、の………?』

 ティセリアの声真似『はい。だから……一緒に、ミスティさんの息災を祈りましょう――』

 森妖精の子の声真似『うん……。ミスティさんに……せいれいのかごが、ありますよう――』

 *

―旅の船着場 客室

 ミスティ「……」グッ

 イリス「……ふふ。ミスティ……みんな、あなたのことが大好きなんだよ」

 ミスティ「……ええ。思い知ったわ……」

 イリス「復讐はさ……。フラナ先生の言うように、力を付けてからでも遅くないよ。私たち……まだまだ、発展途上なんだから」

 ミスティ「……そうね。私……強くなるわ……。あいつに……負けないくらい……」

 イリス「そうだよ……! 私も手伝うからさ……! 一緒に、がんばっていこう?」

 ミスティ「ええ……! 不束者だけど、よろしく頼むわ……!」

 ◆
95 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/28(日) 20:14:01.02 ID:aYYOgcBr0
―翌日 朝
 ウォーターポート 大通り

 ワイワイ ガヤガヤ

イリス「朝から賑わってるなあ……!」

エバンス「これでも普段よりは人がだいぶ少ないんだぜ。欠航の影響でな」

妖精「ええ、これで少ない方なの? うへぇ……」

ローガン「うむ……流石は王国の玄関口というわけだな」

ミスティ「……ところで、今はどこへ向かっているの?」

イリス「ふっふっふ、良くぞ聞いてくれました! クロシュちゃん、ミスティに教えてあげて!」

クロシュ「んえ……? あ、えと……ぼ、帽子……?」

妖精「もー、メルルに釣られすぎだよ。帽子に限らなくて良いの」

クロシュ「あっ……えと、みんなで……お揃いの、装備を……買いたくて……」

ミスティ「おそ、ろい……?」

イリス「そ! 私たちのパーティみんなで、お揃い装備!」

ミスティ「私たちのパーティの、お揃いの……」

ローガン「うむ。パーティ結束の象徴というわけだ」

ミスティ「……ふふっ! なあに、それ……すっごくクサいわ……」

ローガン「むっ……そ、そうだろうか」

ミスティ「ええ……。でも……全然、嫌いじゃないわ」


↓1〜3 お揃い装備候補 このあと多数決を行います
96 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/28(日) 20:16:28.62 ID:rWfzya1aO
虹色に光るイヤリング
97 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/28(日) 20:17:04.17 ID:+5UrSjlyo
守りのペンダント
98 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/28(日) 20:21:29.26 ID:XqicVPwCO
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/04/28(日) 20:28:38.70 ID:aYYOgcBr0
それでは多数決を行いたいと思います。案を出していただいた人もご自由に投票してOKです(自分のも可)

↓1〜5 多数決
1.虹晶の耳飾り
2.守りのペンダント
3.槍
100 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/28(日) 20:29:45.03 ID:T4zBGrvv0
101 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/28(日) 20:32:33.03 ID:mEzkS7jDO
2
102 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/28(日) 20:32:56.40 ID:+5UrSjlyo
2
103 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/28(日) 20:33:01.48 ID:w1/nwXQro
1
104 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/28(日) 20:34:38.85 ID:rWfzya1aO
1
105 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/28(日) 22:49:33.95 ID:aYYOgcBr0
ターバンの褐色少女「おや? あんたたちは――」

イリス「あっ! 緑の国の大樹の宿で、紙と画材を売ってくれた商人さん!」

ターバンの褐色少女「復権派の皆さんじゃん! その節はお買い上げどうも!」

妖精「うげっ、ここで復権派の名前を聞くことになるなんて……。まあ、どうも……」

ターバンの褐色少女「あのビラ、うちで買った紙と画材で作ったんでしょ? あれだけ綺麗な絵が描いてもらえたんなら商人冥利に尽きるってもんよ」

クロシュ「んへへ……」

妖精「ふふん、凄い絵だったでしょ!」

ミスティ「描いたのはクロシュよ」

ターバンの褐色少女「それで捜し人は見つかったの?」

クロシュ「……」

妖精「いや……まだ捜し中」

ターバンの褐色少女「そか……。まあ元気出しなよ、安くしとくからさ!」

イリス「な、何か買う前提になってる……」

ターバンの褐色少女「そりゃあこんなとこに来てるなら買い物でしょ? 何をお探し?」

クロシュ「えと……。みんなで、お揃いの装備を……」

ターバンの褐色少女「お揃い? ははあ、なるほど! 復権派結束の印ってわけだ!」

ローガン「うむ。迅速な理解、感謝する」

ターバンの褐色少女「じゃあ最低でも6つは必要ってことだね?」

エバンス「おう。頼むぜ」

ターバンの褐色少女「新顔のお兄さんもよろしく! まあいろいろあるから見てみてよ」ガサゴソ

 *
106 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/28(日) 22:51:25.13 ID:aYYOgcBr0
 守りのペンダント「」

エバンス「……お! この守りのペンダント、全員で付けるのに丁度良いんじゃないか!?」

ターバンの褐色少女「お目が高い! と言いたいとこなんだけど……それ2つしかないんだよね。ごめん!」

エバンス「そうなのか……」

ターバンの褐色少女「非力な後衛でもそこそこの防御力を得られる貴重な装備なんだけどさ、なかなか人気があって品薄なんだよ」



ローガン「ふむ……おっ」

 槍「」

ローガン「この槍は何という槍かね?」

ターバンの褐色少女「それは……槍だよ!」

ローガン「う、うむ……。それで、正式名称は……」

ターバンの褐色少女「槍!!」

ローガン「お、おお……や、槍か……」

ターバンの褐色少女「冗談だよ。その槍はねえ……持つ者の特性に合わせて形を変える不思議な槍さ」

ミスティ「えっ、そんな摩訶不思議な槍が存在するの?」

ターバンの褐色少女「試しに持ってごらん、ほい」スッ

ミスティ「え、ええ……はい」パシッ

 氷の槍「」キンッ

ミスティ「わっ!」

ターバンの褐色少女「おっ、お姉さん氷属性なんだねえ! ふふ、貴重な属性武器もこの槍ならこの通りってわけ!」

ローガン「おお……。つまり私が持つと鋼の槍だな……」

エバンス「俺が持つと土の槍か……」

ターバンの褐色少女「でも残念ながらこれは1本しかないレアアイテム! お値段もかなり張るから今回のお買い物には向かないと思うよ〜」

ミスティ「面白いけれど、今のところ武器には困っていないしね……」
107 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/28(日) 22:54:23.01 ID:aYYOgcBr0
イリス「……ん? この耳飾りは……」

 くすんだ耳飾り『』

ターバンの褐色少女「あー……それ、ほんとは虹晶石なんだよ」

イリス「……えっ!? これが、あの虹晶石!? だって虹晶石は、触媒としても宝飾品としても最高級の、七色に輝く宝石のはずで……」

ターバンの褐色少女「前はその通りだったんだけどねえ。あの世界樹から光が飛んだ日……あれからすっかりくすんじゃってさあ……」

イリス「!! それって――」

妖精「……だろうね。虹晶石は、星の奥深く圧縮されて形作られる物質。多くの魔力に適合する性質を持ち……特に星の魔力の影響を受けやすい」

イリス「やっぱり……! あの本にも、書かれてた……!」

ターバンの褐色少女「やっぱり復権派の皆さんは何かご存知なの?」

妖精「うん、まあ……。この旅の目的も、あの世界樹の光を追って、元に戻すことなんだ」

ターバンの褐色少女「ははあ、なるほどね……。それ、戻ったらこの虹晶も元に戻る?」

妖精「うん、多分……。いや、断定はできないけど」

ターバンの褐色少女「断定はできないんだ……」

イリス「あの、ちょっとお借りしても良いですか? これ……」

 くすんだ耳飾り「」

ターバンの褐色少女「ん、いいよ。はい、落とさないでね」

イリス「はい! 星の魔力なら――」グッ

 コォォォォ―
 カッ

 七色に輝く耳飾り「」キラキラ

クロシュ「わあ……!」

ミスティ「これが……虹晶石……!」

エバンス「すげェ……!」

ローガン「美しいな……」

ターバンの褐色少女「今何やったの!?」

イリス「この虹晶石に、星の魔力を込めました! でも、長続きはしないと思います。根本の原因を解決しないと……」

ターバンの褐色少女「あ、そうなんだ……。はあ、結局不良在庫かあ……。うーん……よし、決めた! これ、あんたたちにあげる!!」

イリス「え、ええっ!? こんな貴重品を!?」

ターバンの褐色少女「うん! でも条件がある!」

ミスティ「条件……?」

ターバンの褐色少女「世界樹から飛んでった光とか、それによって起きてる異変とか、絶対解決してよ! いろんなとこで大変なことになってるし、あたしの故郷のテラヌス・ウルスも今めっちゃやばいみたいだから!」

妖精「……!」

ターバンの褐色少女「数も丁度6つ。世界を救う依頼料としちゃ安いくらいかもしんないけどさ」

妖精「ううん……凄く助かるよ。ありがとう……!」

ターバンの褐色少女「期待してっからね……!」

 ☆くすんだ耳飾りを6つ手に入れました
 ☆装備者の魔力回復と魔力出力が僅かに向上します

 ◆
108 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/28(日) 22:56:26.47 ID:aYYOgcBr0
―港湾都市ウォーターポート 滞在5日目
 ◆パーティメンバー
 ◇クロシュ 武:鉄の小盾  防:ゴスロリエプロン
 ◇妖精   武:なし    防:エルフのレオタード
 ◇イリス  武:精霊樹の杖 防:魔術師のローブ
 ◇ミスティ 武:魔銀の短剣 防:精霊のローブ
 ◇ローガン 武:鋼の剣   防:鎖帷子
 ◇エバンス 武:鉄の剣   防:革の鎧
 ・共通   飾:くすんだ耳飾り

◯所持アイテム
・鉄鍋+携帯調理器具
・蜘蛛絹の下着
・ザリガニのお守り
・魔術書「星の魔力」
・魔族国永久旅券*5
・マジカルブラッドワイン
・反魂丹*2
・運命賽*2
・雨乞い傘
・フメイの服の切れ端
・精霊の印*5
・精霊樹の実のジャム
・鋼の回転ノコギリ
・精霊樹の鉢植え
・フメイとアリシラの人形
・お宿の焼き菓子
・お宿の妖精の織物
・メルルの帽子

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[0/5]
・トコナツ火山島行きの船を探す
・海渡りの姿を獲得する[1/3]

◯仲間の目標
・ブラッドを倒す(ミスティ)
……………………………………………………………………………………
□港湾都市ウォーターポート 主要施設
大通り:旅の船着場、武具店、雑貨店、魔法店、鮮魚店、食品店、食事処、酒場、浴場、冒険者ギルド、他
裏通り:占い屋、怪しい露天商、暗黒商店、奴隷商店、他
沿岸部:港、造船所、魚河岸、灯台、他
隣接地:機械工業都市テンペスター
……………………………………………………………………………………

イリス「虹晶の耳飾りをもらっちゃうなんて……!」

ミスティ「……ふふ……私たちのパーティにはぴったりじゃない?」

ローガン「うむ……! 星の光を追うこのパーティの象徴として、これほど適したものもないだろう」

エバンス「光を取り戻す度、この耳飾りも色を取り戻していくってことか……! へへ、面白い……!」

妖精「本当に私たちにはぴったりかも……。気が引き締まるなあ……!」

クロシュ「ん……!」

 くすんだ耳飾り「」キラッ


ウォーターポート滞在5日目です
↓1〜3 自由安価 何をする?
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/28(日) 22:57:04.72 ID:T4zBGrvv0
一息つくために海で遊ぶ
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/28(日) 23:00:08.93 ID:jJ4DQoxq0
みんなで食事する。ついでにエバンスの事について色々聞いてみる(使える魔法とかどこに住んでいるのかなど)
111 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/28(日) 23:01:33.23 ID:rWfzya1aO
メカニクスについての情報集め
112 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/28(日) 23:15:15.82 ID:aYYOgcBr0
妖精「セイントメカなんとかについての情報収集は午後にして、午前中は少しゆっくりしようよ。最近みんな動きっぱなしだったしさ」

イリス「そだね。せっかく海に来てるんだし、ちょっと海で遊びたいかも!」

ローガン「海か……。そういえば、皆水泳はどれくらいできるのだ?」

ミスティ「水泳……」

エバンス「あー……確かに、海に出るなら最悪の事態に備える必要はあるもんな」

ローガン「うむ。各々の水泳能力は把握しておきたい。せっかく海で遊ぶわけだしな!」

クロシュ「……」


コンマ数値が大きいほど水泳が得意(0が最大)
↓1 1桁目クロシュ(人型) 2桁目妖精

↓2 1桁目イリス  2桁目ミスティ

↓3 1桁目ローガン  2桁目エバンス
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/28(日) 23:22:07.11 ID:mEzkS7jDO
はい
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/28(日) 23:27:22.18 ID:DSe7guRp0
高く
115 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/28(日) 23:31:53.19 ID:w1/nwXQro
116 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/28(日) 23:32:51.88 ID:w1/nwXQro
クソ極端なの笑っちゃうんですよね
117 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/29(月) 00:16:15.93 ID:AHGoEKSW0
―海岸

 ザァーン ザザァーン…

カモメ「クゥー、クゥー」

カニ「チョキチョキ」


イリス「とりゃっ!」ザブン!

ローガン「むんっ!」ザバァン!

 スイスイ

イリス「むむっ……! ローガンさんやりますね……!」

ローガン「イリスくんもその若さで、かなり、やる……!」

イリス「えへへ、水泳は昔からけっこう得意だったんです! 水魔法も併用すれば――それっ!」

 バシュウウウン!!!

ローガン「うおっ……! フッ、技術では私に分があるが、魔法を使えばイリスくんの方が上手か……。しかし他の皆は……?」



クロシュ「」ブクブク

ミスティ「く、クロシュ……!!」タッ ザブンッ

エバンス「い、今助ける!!」タッ ザバァン!

ミスティ「」ブクブクブク

エバンス「」ブクブクブク

妖精「わあああ! う、海よ! 三人を助けて!!」ポウ

 ザバァァアン――…

 *
118 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/29(月) 00:17:00.11 ID:AHGoEKSW0
スライムクロシュ「」グニャァ…

ミスティ「ごめんなさい……」グッタリ

エバンス「面目ねえ……」グッタリ

ローガン「すまん、私も迂闊だった……」

イリス「ご、ごめんね……私も浮かれてた……」

妖精「ま、まさか……イリスとローガン以外、だめだめだったなんて……」

イリス「よ、妖精さんは……?」

妖精「私も全然だめ……。飛べるから、泳ぐ必要なんてなかったし……」

ローガン「ううむ……。これは……大丈夫だろうか……」

妖精「クロシュ……水が苦手なら、無理しなくて良いよ……? 海上移動は、別の方法も探せるからさ……」

スライムクロシュ「……」

 デロデロ…ポン!

イカダクロシュ「」モニョニョ!

妖精「だ、大丈夫……? でも、クロシュが溺れたらみんなも危ないしさあ……」

イカダクロシュ「」モニョモニョ!

イリス「な、なんか張り切ってるのは伝わるけど……。なんて言ってるの?」

妖精「フメイちゃんの姿だから泳げなかっただけで、別の姿なら全然平気! だって……」

ローガン「そ、そうなのか……。まあ、フメイくんは炎属性だしな……」

 ☆イリスの水泳能力が判明しました(8:とても上手)
 ☆ローガンの水泳能力が判明しました(9:達人)
 ☆クロシュ、妖精、ミスティ、エバンスの水泳能力が判明しました(1:カナヅチ)

 ◆
119 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/29(月) 00:19:08.94 ID:AHGoEKSW0
というわけで本日はここまでです。次回はお昼ご飯を食べながらエバンスのお話編、セイントレアメカニクスの情報編です

いろいろあって高級品の虹晶の耳飾りをもらったり、皆さんの水泳能力が判明したりといった午前中でした
虹晶の耳飾りは光を取り戻す度に本来の輝きを取り戻していくかもしれません。今は効果の微妙な装飾品ですが、最終的にはそのレアリティに見合った素晴らしい効果を発揮してくれることでしょう
そして、イリスさんとローガン氏以外はカナヅチ級という衝撃の事実が発覚してしまいました
一応、クロシュさんがモニョモニョ言っていたように、クロシュさんはちゃんと水に適した姿を取っていれば水泳に支障はありません。フメイちゃんの姿が絶望的に水に適していなかったのでしょう。ちゃんと海渡りの練習をすれば海を渡れるだけの実力を身に付けることはできますので、ご安心くださいませ

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/29(月) 11:22:09.82 ID:08mggUUNo
乙です
フメイちゃんもカナヅチっぽくなって流れ弾被弾草
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/29(月) 12:23:51.81 ID:s9AQb98cO

女性陣はどんな水着だったのか
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/29(月) 16:38:15.83 ID:qgTNJpnzO
フメイちゃんの弱点わかったな!
123 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/29(月) 18:42:56.64 ID:AHGoEKSW0
クロシュ氏曰く、フメイちゃんは水が苦手なようです。それが炎属性の影響によるものなのかどうかはわかりません
なおフメイちゃんは炎魔法で飛行することができるため、基本的には水に入る必要がないようです

この大陸では水中に入る際に専用の水着を着用する文化は浸透していないため、今回は全員下着で水に入ったようです。蜘蛛絹の下着は丈夫で水にも強いのでしょう
なおトコナツ島では水着を着る文化があり、若い女性やファッション業界人を中心に密かな注目を集めています
124 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/29(月) 18:44:20.39 ID:AHGoEKSW0
―昼
 冒険者ギルド 酒場

 ワイワイ ガヤガヤ

ミスティ「うぅ……水泳なんてしたことなかったのよ……。水上は凍らせれば歩けるし……」

妖精「私は飛べるし……」

イリス「ミスティと妖精さんは水に入る必要がなかったんだね……」

エバンス「……俺は特に理由なく泳げん。昔から苦手なんだ、水が……」

クロシュ「……わたし……イカダに、なれる……!」

ローガン「……私とイリスくんは水中で救助活動が行えるくらいには泳げるし、水に入る必要のない妖精くんも自然魔法で救助できる……。ミスティくんは氷を張れるし、クロシュくんは水に適した姿になれば問題ない……まあ、意外となんとかなるか?」

エバンス「俺以外のカナヅチ民は地力でなんとかできる、だと……」

イリス「ど、どんまいですエバンスさん! 泥舟を作りましょう……!」

エバンス「やっぱ作るしかねえか、泥舟……!!」
125 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/29(月) 18:44:54.93 ID:AHGoEKSW0

ローガン「ところでエバンスくんは急遽このパーティに入ったわけだが、傭兵団のことは大丈夫なのか?」

エバンス「ああ。個人依頼を請けたから団にはしばらく戻れんと伝えてある」

ローガン「ほう……柔軟で融通の効く良い職場なのだな」

エバンス「おう。というかまあ、傭兵団とは言ってもバラけていることの方が多いからな。全員集まるのはよっぽどの大仕事くらいで、普段は小規模な依頼を数人単位で回してることの方が多いんだ」

イリス「へえ〜。あれ、普段はどこにお住まいなんです? ここ?」

エバンス「あー……一応、拠点はチカーバの街にあるんだが……戻ることはあまりないな。今も全員出払ってるはずだから、多分もぬけの殻だ」

ミスティ「ああ、だからここで飲んだくれていたのね……。大怪我をしているあなたを誰もいない拠点に置いていくわけにはいかなかったから……」

エバンス「恥ずかしながらそういうことだ」


給仕の女性「いらっしゃいませ! ご注文がお決まりになりましたら――エバンス! どこ行ってたの!?」

エバンス「おわっ! あんたか……。どこって、仕事だよ。いろいろあってこのパーティに雇われることになったんだ」

給仕の女性「えっ……!? そ、そうなんだ……。良かったじゃない、仕事が見つかって」

エバンス「無職だったみたいな言い方はやめてくれよ。怪我で休職中だっただけだ」

給仕の女性「ご、ごめん……。でも……ほんとに良かったよ。もう……飲んだくれないでよ」

エバンス「……おう」


ローガン(……これは……)

妖精(人間の乙女心ってやつは複雑なんだよねえ……)


↓1〜2 食材を1〜2つ選択
肉類:トリ肉、ケモノ肉、オーク肉、触手肉
野菜:セイントレア草、王国キャベツ、ユーシリアカボチャ、海藻類
穀物:ウルティ米、ヤマイモ、ふっくらパン、港湾パスタ、甘もろこし、ナッツ
魚介:カニ、海ザリガニ、異世エビ、アークサーモン、イクラ、ホタテ、ウニ
果実:リンゴ、モモ
卵乳:トリの卵、ミルク、チーズ
特殊:スライムゼラチン
※表にない調味料などが使われることもあります
126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/29(月) 18:48:38.70 ID:UHVuSmC0O
トリ肉、セイントレア草
127 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/29(月) 18:48:41.36 ID:08mggUUNo
触手肉
128 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/29(月) 21:37:48.16 ID:AHGoEKSW0
 お品書き『セイントレア草』

ミスティ「ねえ……このセイントレア草というのは、どういう野菜なの?」

エバンス「ああ、セイントレア草はここセイントレア王国に自生しているハーブの一種だ。薬効もあって香りも良いし、何より手軽に採れるからウチの傭兵団でも重宝してた」

妖精「いろんなとこに自生してるから昔から旅人の心強い味方だったんだよね。以前はチユ草って呼ばれてたんだよ、こんな忌々しい名前じゃなくて」

ミスティ「え、王国が勝手に名前を変えたってこと……?」

妖精「そう。まあ人間が付けた名前なんて植物たち自身にとってはどうでも良いことだから、別に良いんだけどさ」

エバンス「そうだったのか……。いや、しかしいろいろ強権的で問題があるよな、王国のやり方は」

妖精「まあ今更気にしても仕方ないけどね。せっかくだし頼んでみよっか、セイントレア草」

 *

 王国風トリ肉と触手肉の香草焼き「」ポン!

クロシュ「〜♪」モグモグ

ミスティ「美味しいわね……」モグモグ

ローガン「うむ、美味いな」モグモグ

エバンス「やっぱりセイントレア草は万能だな!」モグモグ

イリス「今度見かけたら採っていきましょう!」モグモグ


妖精「うへぇ……触手肉って本当に美味しいの……?」

ミスティ「あら……妖精は食べたことなかったの……?」

妖精「ない……触手は妖精の天敵だし……。いや、これが常闇の触手とは全くの別種なのはわかってるけど……」

イリス「あー……確か常闇の樹海に生息するやつだよね。妖精や精霊を好んで捕食するっていう……」

妖精「うん。触手って言えば私にはその印象が強いからさあ……」

イリス「食べるだけ食べてみるのも良いんじゃないかな? 口に合わなかったら残せば良いし」

クロシュ「……残り物、わたし、食べる……!」

妖精「まあ……食べてみるよ、うん……」スッ

 モグモグ…

 ◆
129 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/29(月) 21:38:22.83 ID:AHGoEKSW0
―機械工業都市テンペスター

 ガゴン ドドドド ガゴン―

 自動貨物馬車『』ドドド

 作業ゴーレム『エッサホイサ』ガションガション


 警備ゴーレム『ピピ……ヨオコソ、テムペスターへ。歓迎イタシマス』ウィーン ペコリ

イリス「わあ……! ここが、機械都市テンペスター……!」

ミスティ「勝手に馬車が走ってる……どうなっているの……!?」

エバンス「最先端の魔導機械技術ってやつだ。ああいう自立稼働する魔導機械が登場したのもここ近年のことらしい」

ローガン「テンペスターの技術競争は凄まじいと聞くが、まさかこれほどとは……! 全く想像も付かぬ世界だ……!」


妖精「うへぇ……。ここにいると目が回りそうだよぉ……」グルグル

クロシュ「妖精さん……。わたしの中で、休んでる……?」

妖精「そうする……」モゾモゾ


↓1コンマ セイントレア・メカニクスについての情報収集
01-40 最近の動向
41-80 関係者の証言
81-00 ??
130 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/29(月) 21:39:20.40 ID:2a+MeGuq0
131 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/29(月) 22:32:36.37 ID:AHGoEKSW0
案内メイド人形「テンペスターへようこそ、旅人の皆様。歓迎致します」ペコリ

クロシュ「……?」

イリス「メイドさんだ!」

エバンス「ところがどっこい、これは本物のメイドじゃなくてメイド型の魔導ゴーレムなんだぜ」

イリス「えっ、ええっ!? この人が……ゴーレム!?」

案内メイド人形「はい。私はテンペスターのご案内をする為に配置された魔導人形でございます。ご用命がありましたら何なりとお申し付けくださいませ」

イリス「……! た、確かに……魔力の波長が、生き物とは全然違う……本当に、ゴーレムなんだ……」

ミスティ「こ、こんな技術まで……。恐ろしいわね……」

ローガン「う、うむ……。だが案内してくれるというのなら、せっかくだし彼女にいろいろ聞いてみよう」

 *

案内メイド人形「――以上が、ここ最近のセイントレア・メカニクス社様のご動向になります。お役に立てましたでしょうか?」

イリス「あ、うん! 丁寧に教えてくれてありがとう!」

案内メイド人形「人間の皆様にお仕えすることが、私たち魔導人形にとっての至上の喜びです。また何かありましたら遠慮なくお申し付けくださいませ」ペコリ



ミスティ「彼女に教えてもらった内容をまとめると、大体こんな感じね」

・セイント社は数年前に驚異的な技術革新を起こし、世界一の魔導機械開発企業に成長した
・近年登場した自立稼働する馬車やゴーレム、魔導人形は技術革新によって生み出されたもの
・近年の王国内では人権意識が高まっており、奴隷の代わりに魔導人形を活用しようという運動が広がっている
・その運動を受けてセイント社も魔導人形の増産に力を入れ、新時代の奴隷として打ち出し始めている
・しかし大量生産・大量消費による廃棄問題や、人間に加害行動を取る魔導人形『バグ』の出現等、新たな問題も生じている
・セイント社は現在、バグへの対応策となる製品を開発中

イリス「う〜ん……海賊の手がかりにはならなそうかなあ」

ローガン「ううむ、やはり表に出ている情報だけではわからんな……」

エバンス「そうだな。しかしなんというか、ちょっと胸糞悪いっつーか……」

イリス「……私も。なんだか……モヤモヤします」

ミスティ「……そうね。奴隷を解放する代わりに……彼女たち魔導人形を新たな奴隷にしようというのは……」

妖精「でも、魔導人形は心も感情も持たない機械なんでしょ? ならどんな扱いをしても苦しまないし良いんじゃないの?」

イリス「むう……。確かに……苦しくなければ、いいのかなあ……」

ローガン「……奴隷を手放しで是とする王国のこれまでの在り方と比べれば、これはこれで大きな前進と言えるかもしれんな」

クロシュ「……」


↓1〜3多数決 クロシュはどう思う?
1.心がなくても、かわいそう
2.心がなければ、いいのかな
132 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/29(月) 22:34:09.44 ID:o3rdANIq0
1
133 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/29(月) 22:39:36.41 ID:f8kl2wC+o
2
134 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/29(月) 22:43:06.69 ID:8OM1+03DO
1
135 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/29(月) 23:17:40.72 ID:AHGoEKSW0
クロシュ「えと……。でも……かわいそう、だと思う……」

イリス「クロシュちゃん……!」

妖精「クロシュはそう思うの?」

クロシュ「うん……。心が……なくても……。酷いこと……するのは……だめ、だと思う……」

妖精「ふふ……そういえばクロシュは、勇者の銅像もほったらかしはかわいそうって言って掃除したくらいだもんね」

クロシュ「うん……」

妖精「うん、クロシュはそれで良いよ。そのまま、優しいスライムでいるのが良い」

クロシュ「ほえ……? うん……」

 ☆クロシュの考え方は特に変わりませんでした

 ◆
136 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/29(月) 23:18:45.45 ID:AHGoEKSW0
―港湾都市ウォーターポート 滞在6日目
 ◆パーティメンバー
 ◇クロシュ 武:鉄の小盾  防:ゴスロリエプロン
 ◇妖精   武:なし    防:エルフのレオタード
 ◇イリス  武:精霊樹の杖 防:魔術師のローブ
 ◇ミスティ 武:魔銀の短剣 防:精霊のローブ
 ◇ローガン 武:鋼の剣   防:鎖帷子
 ◇エバンス 武:鉄の剣   防:革の鎧
 ・共通   飾:くすんだ耳飾り

◯所持アイテム
・鉄鍋+携帯調理器具
・蜘蛛絹の下着
・ザリガニのお守り
・魔術書「星の魔力」
・魔族国永久旅券*5
・マジカルブラッドワイン
・反魂丹*2
・運命賽*2
・雨乞い傘
・フメイの服の切れ端
・精霊の印*5
・精霊樹の実のジャム
・鋼の回転ノコギリ
・精霊樹の鉢植え
・フメイとアリシラの人形
・お宿の焼き菓子
・お宿の妖精の織物
・メルルの帽子

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[0/5]
・トコナツ火山島行きの船を探す
・海渡りの姿を獲得する[1/3]

◯仲間の目標
・ブラッドを倒す(ミスティ)
……………………………………………………………………………………
□港湾都市ウォーターポート 主要施設
大通り:旅の船着場、武具店、雑貨店、魔法店、鮮魚店、食品店、食事処、酒場、浴場、冒険者ギルド、他
裏通り:占い屋、怪しい露天商、暗黒商店、奴隷商店、他
沿岸部:港、造船所、魚河岸、灯台、他
……………………………………………………………………………………
□機械工業都市テンペスター 主要施設
大通り:武具店、雑貨店、機械店、無人食事処、自販機通り、冒険者ギルド、他
裏通り:闇市、薄暗い路地裏、他
沿岸部:港、造船所、コンテナ港、工場地帯、灯台、他
……………………………………………………………………………………

―朝
 旅の船着場 ロビー

イリス「セイント社の認識阻害装置……うーん……」ウロウロ

エバンス「情報が足りないな……。もう一度テンペスターへ出向くか、別の調べ方を考えるか……」

ミスティ「……マフィアとこれ以上接触するのは……危険よね」

ローガン「うむ……。顔は見られていないとは言え、あれだけの暴力を働けば彼らも犯人を探すだろう。今は避けた方が良い」

妖精「クロシュの海渡り練習もしなきゃね」

クロシュ「ん」


ウォーターポート滞在6日目です
↓1〜3 自由安価 何をする?
137 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/29(月) 23:20:24.81 ID:2a+MeGuq0
テンペスターの闇市を探ってみる
138 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/29(月) 23:26:10.27 ID:8OM1+03DO
クロシュの海渡りの練習をする
139 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/29(月) 23:26:41.17 ID:s9AQb98cO
魔法店で禁術の魔道書(フラナ作)を発見
140 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/29(月) 23:27:03.63 ID:ampOse7dO
エバンス氏の実力を知りたいので模擬戦やるよ
141 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/29(月) 23:47:24.48 ID:AHGoEKSW0
本日はここまでとなります。次回は闇市編、海渡り練習編、魔導書編です

クロシュたちは少しづつ近づいています、海賊の正体へ。イリスちゃんたちは空振りだと思っているようですが、しっかり前進しておりますのでご安心ください
かの技術革新がもたらしたのは、奴隷解放の光か――。それとも――。

それでは、本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
なお大型連休中の予定が少々はっきりしておりませんので、突然更新したり休日なのに更新できなかったりするかもしれません。ご容赦くださいませ。
142 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/30(火) 00:16:42.67 ID:cyj+KLoGO
おつ。
次はエバンス氏の模擬戦とれるといいな
143 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/30(火) 01:16:53.49 ID:ndTKmKGro
乙です
道具だとしてもあえてひどい扱いする理由にはならんと思いますよええ
金髪エルフはテンペスター一日居れそう
144 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/30(火) 04:20:00.28 ID:5+60g+qn0
乙です
話しが進んでしまったけど>>106で特性に合わせて変わる槍について質問なんですが、ミスティは氷、ローガンは鋼、エバンスは土に変わる事が分かったけど、イリスや妖精のような複数の特性がある者(イリスは星、妖精は自然)やクロシュが持つとどうなるのでしょうか?
145 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/02(木) 18:25:47.96 ID:63N8f+CG0
突然ですが本日は少しだけ更新したいと思います。よろしくお願いします

エバンス氏はローガン氏ほどの経験はありませんが、軽装で若さがあるため瞬発力や速度に秀でているようです
そしてやや魔法寄りだったパーティが彼の加入によって物魔のバランスが取れたものとなりました。今後の活躍に期待できましょう

道具は大切に使えば実際長持ちします。クロシュがそこまで考えているかはわかりませんが、現時点のクロシュとしては道具であっても大切にしたいようです

金髪イケメン汚職エルフは実際テンペスターのことを気に入っています。マーベル社製の回転ノコギリにも、テンペスターでの競争によって培われた技術がふんだんに使われているようです

あの槍についてですが、妖精が持った場合は妖精サイズの小さな槍になり、さらにその場の環境によって性質が変化する槍となります(水中では水の槍、吹雪の中では吹雪の槍、雷雲の中では雷の槍、等)。イリスが持った場合は星の槍(星属性)となります。クロシュが持つと、クロシュの擬態や変身に合わせて様々な形状に変化する槍となります
146 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/02(木) 18:27:25.39 ID:63N8f+CG0
―機械工業都市テンペスター
 闇市

 ゾワゾワ… ヒソヒソ…

闇の武器商人「毎度。約束のブツだ、持っていきな」コソコソ

怪しい客「助かるぜ」ヒソヒソ


仮面の男「ほう、これが……」

違法パーツ屋「ええ、それを組み込めばあなたの奴隷人形も――」ヒソヒソ


暗黒行商少女「これをアンタの義手に組み込めば性能が数倍に跳ね上がるわよ?」ニヤニヤ

魔導義手の男「数倍だと……」ゴクッ



イリス「こ、ここが闇市……!」

ミスティ「白昼堂々とやばそうな取引が行われているじゃない……。ここの治安はどうなっているのよ……」

エバンス「ああ、それなら――」



憲兵ゴーレム「……」ガションガション

怪しい商人「――」ヘラヘラ
怪しい客「――」チラッ
違法パーツ屋「――」ニコニコ
仮面の男「――」ニヤニヤ

憲兵ゴーレム「ピピッ……登録外ノ事業者ヲ確認。強制連行モードニ移行シマス」ガショショ

暗黒行商少女「おわっ! チッ、今月はまだ払ってなかったか。払えば良いんでしょ、払えば」ガサゴソ

 チャリンチャリン ガチャチャチーン!

憲兵ゴーレム「ピピッ……登録ヲ確認。強制連行モード解除。巡回モードニ移行シマス」ガションガション

暗黒行商少女「ペッ……金の亡者が……」



イリス「ええ……」

エバンス「見ての通り、みかじめ料さえ払えば見逃してもらえんだ。あの女の子は今月分をまだ払ってなかったみたいだな」

ミスティ「白昼堂々と汚職が……いえ、もういいわ……。それにしてもあの商人、私やイリスと同じくらいかしら……」

ローガン「虹晶の耳飾りを譲渡してくれた商人の少女も君たちと同じくらいだったな」

妖精「同性同職同年代と言っても生き方は自由だからねえ」

イリス「それはそうかもしれないど……。なんだかなあ……」

エバンス「クロシュちゃんは一人でこんなとこ来ちゃダメだぞ。危ないからな」

クロシュ「うん……」


↓2 闇市です。どうしますか?
1.闇の武器商人に聞いてみる
2.違法パーツ屋に聞いてみる
3.暗黒行商少女に聞いてみる
4.他の客に聞いてみる
5.聞き込みはせず商品を見ていく
6.その他(自由安価)
147 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/02(木) 18:33:51.21 ID:+V1/nCw90
148 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/02(木) 18:35:12.88 ID:UI6JFlozo
3
149 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/02(木) 19:47:53.33 ID:63N8f+CG0
イリス「せっかくだしあの子に聞いてみよう! 歳が近いから話しやすそうだし!」ズンズン

エバンス「お、おい! 同年代っつってもこんなとこで商売してる奴だぞ……!」

 *

イリス「こんにちは……!」

暗黒行商少女「いらっしゃい。何をお求めかしら?」

イリス「ちょっと聞きたいことがあって。ここって、セイントレア社の製品とかって扱ってますか?」

暗黒行商少女「もちろん! それも市場に出回ってない試作品とか、商品化を見送られたヤバイ奴とかね。フフ……何が欲しいの?」

イリス「実は――」

 *

暗黒行商少女「海賊の認識を阻害する装置ィ?」

イリス「うん。私たち、どうしても海を渡りたくて」

暗黒行商少女「ふうん……」


エバンス(一応後ろから見てはいるが……今のところは大丈夫か……?)


↓1コンマ
01-20 これのことね!
21-40 さっぱりわかんないわ
41-60 憶測(有料)
61-80 情報(有料)
81-95 これのことかしら
96-00 これのことね
150 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/02(木) 19:48:30.05 ID:jiWFlBDDO
はい
151 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/02(木) 19:48:43.19 ID:+V1/nCw90
152 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/02(木) 21:48:36.53 ID:63N8f+CG0

ローガン「エバンスくん! ちょっと来てもらっていいか!?」

エバンス「えっ、何だ!? 今行く!」タタッ


イリス(あっ、エバンスさん……! あっちで何かトラブルがあったのかな……と、とにかく私一人でもお話を聞こう!)


暗黒行商少女「飯盒と同じくらいの大きさ……これのことね!」

 飯盒くらいの大きさの装置「」ドン!

イリス「こ、これは……?」

暗黒行商少女「ここ最近世間を騒がせている海賊ってのは、私の情報網が間違っていなければ――バグよ」

イリス「えっ……バグって、おかしくなった自立型魔導機械の……?」

暗黒行商少女「そう。そしてバグに限らず、自立型の魔導機械は特定周波数の魔力波長を正しく認識できない欠陥があんのよ」

イリス「え、ええ!? そうなんですか!?」

暗黒行商少女「ほとんど知られてないけどね。そんな欠陥が知られたら家庭用はともかく軍用のは使い物にならなくなるでしょ、簡単に対策できちゃうんだから」

イリス「た、確かに……」

暗黒行商少女「そしてこれこそが、その周波数の魔力波長を出せるセイントレア社のバグ対策製品ってわけ。さっき言ったような理由でリリースは見送られたけどね」

イリス「そ、そうなんだ……あれ、でもそれならどうしてマフィアは、そんな市場に出回ってない機械を持っているの?」

暗黒行商少女「出回ってるじゃない。ほら、ここにも」

 飯盒くらいの大きさの装置「」ドン!

イリス「あ、確かに……!」

暗黒行商少女「試作品とか試験品の横流しなんてここテンペスターじゃ茶飯事よ。それにセイントレア社なんて裏じゃ何やってるかわからない真っ黒企業、マフィアと繋がってマッチポンプ体制を築いていても何も不思議じゃないわ」

イリス「そ、そうかも……」

暗黒行商少女「まあそういうわけだから、これ売ってあげるわ。適正価格でね。私、優良業者だから」


イリス(……そう言って彼女が提示した金額は、少々お高いものではあったけれど出せない額ではなかった)

イリス(でも……本当に信用して大丈夫なのかな……?)


暗黒行商少女「ああそうそう、私この話が終わったらテンペスターを出るから、買うなら今のうちよ」

イリス「えっ!?」

暗黒行商少女「私も旅の行商人だから、仕入れたものは別のとこで売りたいのよね。今回は特別だけど」

イリス「え、ええと、ええと……!」

暗黒行商少女「ふふ……今買わなきゃ二度と手に入らないかもね! 私以外にこれを扱ってる闇商人は見たことないし!」

イリス「〜〜!!」グニャグニャ


イリス(どどど、どうしよおおお!!!)

 ※ファンブルにより、イリスは冷静な判断ができなくなってしまいました……
 ☆飯盒くらいの大きさの装置を買ってしまった

 ◇
153 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/02(木) 21:49:36.00 ID:63N8f+CG0

イリス「……み、みんな」ヨタヨタ

クロシュ「イリスさん……!」

妖精「こんなとこで一人で動いちゃ危ないよ!」

エバンス「すまん! 俺が付いてたんだが……」

ローガン「む……すまぬ。どうやら状況を考えずにエバンスくんを呼んでしまったようだ」

ミスティ「……? イリス、その荷物は?」

イリス「あ……え、えへへ……認識阻害装置……かも……」

妖精「えっ……」

ミスティ「ええっ!?」

ローガン「なに!?」

クロシュ「わあ……」

エバンス「……」ダラダラ

 *
154 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/02(木) 21:51:21.06 ID:63N8f+CG0

案内メイド人形「……」



イリス「よ、ようし……それじゃあ早速、あのメイド人形さんで試してみよう……! 認識が阻害されるだけだから、具合が悪くなったりとかはないはず……!」

 飯盒くらいの大きさの装置「」ドンッ!

ミスティ「でもこれ、どうやって動かすの……?」

イリス「魔力を充填して、このスイッチを押せば起動するんだって。もう魔力は充填済みだから、あとはスイッチを押すだけ……!」

ローガン「その商人の言葉が真であれば、自立型魔導機械の認識に異常が発生するというわけだな」

イリス「はい……! で、では……いきます!」

 ポチッ

 飯盒くらいの大きさの装置「」ウォーン―

イリス「わっ、なんか暖かくなった……!」

ミスティ「変な音もするわね……。これがその特定周波数の魔力波長ってやつが出す音なのかしら……」

妖精「……これで、魔導機械は私たちを認識できなくなったの?」

イリス「そ、そのはずです! 試しに……これを持ってメイド人形さんに近づいてみます!」

 スタスタスタスタ…

イリス「こんにちは、メイドさん!」ヌッ

案内メイド人形「こんにちは、旅人のお嬢様。昨日振りでございます」ペコリ

イリス「!!?!!?!???」ババッ

妖精「だめじゃん!!!!」

イリス「なな、なんで!?」

案内メイド人形「おや。それはセイントレア・メカニクス社様の『どこでも炊きたて魔導飯盒SRMX-140』ですね。リリースは一世代前ですが、優れたデザインに実用性・使いやすさを兼ね備え、今なお多くのご家庭や旅人の方々に愛用されている人気商品でございます。良いものをお買い上げになられましたね」

イリス「ま……魔導……飯盒……?」

イリス「あ、ああ……まさか……私……」グニャァ

ミスティ「い、イリス! 気をしっかり……!!」

 ◆
155 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/02(木) 21:52:16.30 ID:63N8f+CG0
―昼
 旅の船着場 客室

 どこでも炊きたて魔導飯盒「」パカッ
 炊きたてごはん「」ホカホカ

イリス「」ズーン…

クロシュ「イリスさん……」サスサス

ミスティ「……そう気を落とさないで。ほら、美味しいごはんが炊けたわ……」

イリス「うぅ……。ごめんなさい……みんなから預かった、大事なお金を……」

ローガン「う、うむ……。だが君に預けたのは旅の資金のほんの極一部でしかないのだ。そこまで大きな損失ではない……」

エバンス「おう……。それにこいつは、君を一人にしちまった俺の責任でもあるんだ」

妖精「そうだよ、もう。イリスはしっかりしてるけどまだ子供なんだから、おじさん二人が目を離したのが悪い!」

ローガン「うむ……」

エバンス「め、面目ねェ」

妖精「……まあ、目を離したのは私もだけど。ごめん」

 ◆
156 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/02(木) 21:53:25.53 ID:63N8f+CG0
―海岸

 ザァーン ザザァーン…

カモメ「クゥー、クゥー」

カニ「チョキチョキ」


イカダクロシュ「」プカプカ

ローガン「おお、安定しているな」

妖精「よし、イカダへの擬態はバッチリだね。じゃあ今日はもうちょっと複雑な形に挑戦してみよう」

イカダクロシュ「」モニョニョ?

妖精「イカダで3日間も航海なんて無理だからね」

イカダクロシュ「」モニョ

エバンス「おし、俺も泥舟作りの練習だ!」

ローガン「……私も、鋼魔法で船を作ってみよう」


↓1 特訓の成果
01-60 小舟(経験2/3)
61-95 大亀(経験3/3)
96-00 海竜(経験☆)
157 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/02(木) 21:53:43.12 ID:+V1/nCw90
158 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/02(木) 23:37:19.78 ID:63N8f+CG0

小舟クロシュ「」プカプカ

泥舟「」ドロドロ

鋼船モドキ「」ブクブク


妖精「舟作りの腕前はクロシュが一番みたい」

エバンス「くっ、どう作っても溶けちまう……どうすりゃ溶けない泥舟が作れるんだ……!」

ローガン「ううむ……空洞があれば理論上は鋼でも水に浮くはずなのだが……。浮いた状態で安定した形を作るのが難しいな……」

小舟クロシュ「」プカプカ

妖精「……クロシュの造形能力って実はかなり凄いのかも。絵も上手いし……」

エバンス「確かに、イカダも小舟も全然転覆せず安定してるもんな。しかし絵も上手いのか……!」

ローガン「鋼魔法や地魔法が使えれば、絵だけなく精巧な鉄像や石像をも作れるようになれたかもしれんな、クロシュくんは」

小舟クロシュ「」プカプカ モニョモニョ

 ☆クロシュの海渡り経験が2/3になりました
 ☆小舟に擬態できるようになりました

 ◆
159 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/02(木) 23:38:11.78 ID:63N8f+CG0
―大通り

 ワイワイ ガヤガヤ

イリス「……」トボトボ

ミスティ「イリス、元気を出して……」

イリス「ミスティ……。でも私……みんなのお金を……」

ミスティ「イリスのポケットマネーで足りる分じゃない。誰も困ってないわ」

イリス「うぅ……。でも、元は魔族国と緑の国のみんなから託されたお金なのに……」

ミスティ「もう……。仕方ないわね、付いて来て」スタスタ

イリス「ま、待ってよぉ」トタトタ

 *

―魔法店

 ガチャッ カランカラン

魔法使いの店員「いらっしゃい」

ミスティ「こんにちは……」

イリス「こ、こんにちは……。ここって――」

 本棚「」
 本棚「」
 本棚「」
 本棚「」
 本棚「」
 本棚「」

イリス「魔導書の、お店……!」

ミスティ「どう? 元気出るでしょ」

イリス「う、うん……! 図書館でもないのにこんなにたくさん……!!」

魔法使いの店員「何百年も続く先祖代々の魔法書店だからねえ。そんじょそこらの魔法店にゃ負けないよ」

イリス「すごい……! あの、見させてもらっても良いですか!!?」

魔法使いの店員「もちろん。ゆっくり見ていきなさい。本は逃げないから」

 *
160 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/02(木) 23:39:54.98 ID:63N8f+CG0
 ペラッ ペラッ

ミスティ(ブラッドに成形した氷は通じない。けれど、あの時土壇場でやったような冷気放出はかなりの至近距離でないと多分効果が出ない)

ミスティ(遠距離からでも冷気をぶち当てられる魔法とかないかしら……)

ミスティ(……氷属性の魔導書はあまり多くないのよね……。まあ、それでも星属性よりは全然あるけれど……)

ミスティ(うう〜ん……戦慣れしたスライムに有効そうな氷魔法はなかなか見つからないわね……)


 ペラッ ペラッ

イリス(……星属性の魔導書は……やっぱり見当たらない!)

イリス(『星の魔力』の中編とか後編は魔族国の図書館跡を掘り起こせば出てくるのかなあ……。でも今魔族国に戻ってる暇はないし……)

イリス(う〜ん……とりあえずここは、今のパーティに手薄な火属性や水属性辺りの魔導書を――ん?)

 魔導書『血の契約 著:フラナ・バイオレット』ゴゴゴゴ

イリス(!!!?!?!? こ、これ……フラナ先生の……!!)

イリス(ど、どんな魔法なのかな……?)ペラッ


イリス(血の契約――術者の血と対象の血を混ぜ合わせ、それを互いに摂取することで発動する)

イリス(対象は術者の虜となり、あらゆる命令に逆らうことのできぬ奴隷と化す)

イリス(また、術者が吸血鬼であった場合、対象は吸血鬼の眷属となる)


イリス(わ、わわ……!! こ、これ……ものすごくヤバイ魔法だ……!)

イリス(対象の意思を奪って奴隷化させる魔法は、この奴隷制大好き国の王国ですら禁じられてるのに……!!)

イリス(なんでこんなものを普通に置いてあるの!?)

イリス(ていうかフラナ先生なんて魔法を作ってるのおお!!!?!?)


魔法使いの店員「……ん? あっ」

イリス「あっ……」

魔法使いの店員「…………あの、それ見なかったことにしてもらえます? 仕舞うの忘れてて」

イリス「ええ……」

魔法使いの店員「いや、ほんとに……悪用とかしてませんから。黙っててもらえると助かるというか……」

イリス「……」


↓1 どどどどうしよう
1.見なかったことにします
2.この本ください
3.その他自由安価
161 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/02(木) 23:43:46.19 ID:UI6JFlozo
2
162 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/02(木) 23:44:19.75 ID:+HsYax/kO
2
163 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/02(木) 23:49:32.44 ID:63N8f+CG0
イリス「あ、あの……じゃあ、この本……ください!」

魔法使いの店員「……は?」

イリス「あ、いえ……! 悪用したいとかじゃなくて……! け、研究目的というか……!!」

魔法使いの店員「……」

イリス「……」


↓1コンマ
01-05 いいですよ
06-25 本当に研究目的なんですね?
26-00 馬鹿な考えを起こすのはやめなさい
164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/02(木) 23:49:58.81 ID:+V1/nCw90
165 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/03(金) 00:10:07.93 ID:AY7RlWT40
魔法使いの店員「……馬鹿な考えを起こすのはやめなさい」

イリス「へっ?」

 炎「」ボッ
 フラナの魔導書「」メラメラ

イリス「う、うわわわっ!!!」

 チリチリ…
 灰「」シュウウ…

イリス「あ……」

魔法使いの店員「……私の大事なコレクションでしたが、将来有望な若者が暗黒面に堕ちるよりはマシでしょう」

イリス「あっ……そ、その……す、すみませんでした……」ペコ

魔法使いの店員「気にしないで。若気の至りは誰にでもあることです。ただ、あの類の魔法は研究すら危険な禁呪。例え本気で使うつもりがなくとも、持っているだけで当局から狙われる立場になりますよ。最悪、国際指名手配される可能性もある……どうかご理解ください」

イリス「はい……」

 ◆
166 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/03(金) 00:11:02.66 ID:AY7RlWT40
―夕方
 大通り

イリス「」トボトボ

ミスティ「ど、どうしたのよ……。何か声が聞こえたけれど……店員の人と揉め事でもあったの……?」

イリス「ううん……。私が……悪いだけ……」

ミスティ「な、何があったのよ……」

イリス「えへへ……魔が……差しちゃったっていうか……」

ミスティ「イリス……」

イリス「……んん、大丈夫! 新しい魔導書も買ったし、明日からまた情報収集がんばらなきゃだもん!!」

ミスティ「……ええ。そうね、頑張りましょう……」

イリス「うん!」

 ◆
167 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/03(金) 00:13:50.53 ID:AY7RlWT40
というわけで本日はここまでとなります

意図せずイリスちゃん虐めパートのようになってしまいました。本当に全くそんな意図はなかったのですが、申し訳ありません
暗黒行商少女が言っていたことは全てが嘘だったわけではないようです。彼女の私見や憶測も多分に混じっていますが、ある程度は参考にして良いかもしれません
ちなみにもし禁呪の魔導書をイリスが手にしていた場合、イリスのメンタリティに何らかの影響があった可能性は実際ありました
強い力、取り返しのつかない力の扱いには十分注意しましょう。暗黒面の力は素晴らしいのですが、それゆえ抗いがたいのです

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
168 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/03(金) 02:19:12.36 ID:e19ubxfxo
乙でした
フラナ氏の若かりし頃の伝説がまた一つ……この人は人間サイドから見て裏ボスだったんじゃないか
169 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/03(金) 18:42:58.66 ID:gle39KNkO
やっぱ勇者除くと人間より異業種の方がスペック高くない
170 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/04(土) 12:55:10.08 ID:Yzt4QtTh0
フラナ先生が(王国の)人間にとってとても嫌な敵対的魔族だったのは間違いないでしょう。実のところそれは現在進行系です
なお例の禁呪についてですが、フラナ先生曰くアレは手軽だが面白くないとのことで、使ったことはあまり多くないようです

人間は基礎性能こそやや低めですが、繁殖力や排他性が他の種族より高く、大陸の知的種族の中では最も数が多いと言われています
また、基礎性能の低さに反して伸び代はかなりあり、他の強力な種族を凌ぐ傑物が人間の中から現れることもあります
171 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/04(土) 12:57:15.67 ID:Yzt4QtTh0
―夜
 テンペスター沖 海上

 魔導クルーザー「」シャーッ

暗黒行商少女「ふいー、これだけ魔導機械製品を仕入れれば十分でしょ。あとはこれらを機械のキの字も知らない国の奴らに売りつけてやれば……うひひひ」

暗黒行商少女「……しかし魔導飯盒をあそこで売り払っちゃったのは失敗だったわね。取引に不慣れなガキっぽかったからついうっかり詐欺魂に火が付いちゃったわ」

暗黒行商少女「まあでも良い勉強になったでしょ。取引の場じゃ騙される方が悪い。授業料としちゃ破格だったんじゃない?」

 魔導クルーザー「」シャーッ

暗黒行商少女「それにしても……んん〜!! このクルーザー、乗り心地最高ね! 流石は最新の自立稼働型! 目的地を入力するだけであとは自動運転してくれるなんて、便利すぎでしょ!」

暗黒行商少女「これだけ小型で快速なら例の海賊なんかにも見つかりっこないしね!」

暗黒行商少女「それにしても認識阻害か……。海賊はバグだなんて適当なこと言ってみたけど、我ながらあの推理は的を射ているような気がする。自立型魔導機械が認識できない周波数があるのは実際本当のことだし」

暗黒行商少女「くぅ、どうせなら情報料込みってことで飯盒の値段をもうちょっと釣り上げれば良かったわ……! まだまだ私も青いわね……」

 バシャッ―

暗黒行商少女「ん? 何の音――」クルッ

 ボゴォッ
暗黒行商少女「お゛っ……」

「……」

暗黒行商少女「………ま、さか……かい、ぞ……」

 ボゴォッ
暗黒行商少女「んお゛ぉっ……!」

 ガシッ
 ブンッ

暗黒行商少女「」ヒューン

 ボチャン

「……敵性生命体、排除完了」

「……同胞の救出を開始する」

 コツコツ…

 魔導クルーザー操縦パネル「」

「……」

 ウィーン…
 ピッピピッ ピッポッパッ

「……」

「………精核の不可逆改造を確認。救出不能……」

「…………目標……介錯へ変更……」スッ


魔導クルーザー「」シュウウン…


「…………」


魔導クルーザー「」

 カッ
 ドガァァァァン――…

沈んでゆく魔導クルーザー「」ブクブク…


「…………」

「……………精霊の加護が、ありますよう――」

 ◆
172 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/04(土) 12:57:54.27 ID:Yzt4QtTh0
―港湾都市ウォーターポート 滞在7日目
 ◆パーティメンバー
 ◇クロシュ 武:鉄の小盾  防:ゴスロリエプロン
 ◇妖精   武:なし    防:エルフのレオタード
 ◇イリス  武:精霊樹の杖 防:魔術師のローブ
 ◇ミスティ 武:魔銀の短剣 防:精霊のローブ
 ◇ローガン 武:鋼の剣   防:鎖帷子
 ◇エバンス 武:鉄の剣   防:革の鎧
 ・共通   飾:くすんだ耳飾り

◯所持アイテム
・鉄鍋+携帯調理器具
・蜘蛛絹の下着
・ザリガニのお守り
・魔術書「星の魔力」
・魔族国永久旅券*5
・マジカルブラッドワイン
・反魂丹*2
・運命賽*2
・雨乞い傘
・フメイの服の切れ端
・精霊の印*5
・精霊樹の実のジャム
・鋼の回転ノコギリ
・精霊樹の鉢植え
・フメイとアリシラの人形
・お宿の焼き菓子
・お宿の妖精の織物
・メルルの帽子
・魔導飯盒

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[0/5]
・トコナツ火山島行きの船を探す
・海渡りの姿を獲得する[2/3]

◯仲間の目標
・ブラッドを倒す(ミスティ)
……………………………………………………………………………………
□港湾都市ウォーターポート 主要施設
大通り:旅の船着場、武具店、雑貨店、魔法店、鮮魚店、食品店、食事処、酒場、浴場、冒険者ギルド、他
裏通り:占い屋、怪しい露天商、暗黒商店、奴隷商店、他
沿岸部:港、造船所、魚河岸、灯台、他
……………………………………………………………………………………
□機械工業都市テンペスター 主要施設
大通り:武具店、雑貨店、機械店、無人食事処、自販機通り、冒険者ギルド、他
裏通り:闇市、薄暗い路地裏、他
沿岸部:港、造船所、コンテナ港、工場地帯、灯台、他
……………………………………………………………………………………
173 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/04(土) 12:58:37.14 ID:Yzt4QtTh0
―朝
 旅の船着場 客室

 チュンチュン

 どこでも炊きたて魔導飯盒「」パカッ
 炊きたてごはん「」ホカホカ

イリス「……昨日は落ち込みすぎて気付かなかったけれど……これ、凄く良い炊き加減……」

スライムクロシュ「…」モニョ…

イリス「あ、クロシュちゃん。食べてみる?」

スライムクロシュ「!」モニョニョ!


 炊きたてごはん「」ホカホカ
スライムクロシュ「〜〜♪」モニョモニョ モグモグ


ミスティ「美味しそうに食べてるわね。ふふ……」

妖精「そうだねえ。ちょっと高く付いたかもしれないけど、全く無駄な買い物だったとは言えないんじゃない?」

イリス「……でも、定価なら半額以下で買えたのも事実。あの飯盒は無駄な物品じゃないけど、出費には無駄があった……」

妖精「い、イリス……そんなに自分を責めなくても……」

イリス「ううん……。無闇に自分を責めてるわけじゃない。失敗は反省して、繰り返さないようにするのが大事でしょ?」

ミスティ「そうね……ふふ、イリスは強いわね……」

イリス「えへへ、そうかな。でも……それはそれとして、今更だけどすごく腹が立ってきたよ……! あの子、私を騙して倍以上の値段で売りつけてくれてさ! 次に会ったら差額分をキッチリ請求してやるんだから!」

ミスティ「ふふ……差額分だけなのね」


ウォーターポート滞在7日目です
↓1〜3 自由安価 何をする?
174 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/04(土) 13:02:10.73 ID:fV9Gt0Ve0
パーティみんなで訓練
175 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/04(土) 13:14:33.85 ID:iEmQYuzv0
セイントレア社に潜入調査
176 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/04(土) 13:39:33.27 ID:WrVPrgXy0
テンペスターの冒険者ギルドでクエストする
177 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/04(土) 13:42:14.78 ID:WrVPrgXy0
>>176すいません少し訂正
「テンペスターにある冒険者ギルドでクエストを受ける」に変更でお願いします。
178 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/04(土) 14:16:41.08 ID:Yzt4QtTh0
―朝
 海岸

 ザァーン ザザァーン…

カモメ「クゥー、クゥー」

カニ「チョキチョキ」



妖精「訓練?」

ローガン「うむ。ここ最近戦闘訓練をしていないだろう? あまり間が空きすぎると鈍ってしまう」

ミスティ「そうね……。私も実践してみたいことがいくつかあるし、丁度良いわ……」

エバンス「そういえば俺はまだこのパーティの戦闘力を把握できてないんだよな。俺にとっても丁度良いぜ」

イリス「私たちもエバンスさんの戦い方や魔法についてはまだちゃんとわかってませんから、是非よろしくお願いします!」

エバンス「おう!」



妖精「ねえ、クロシュは何をする?」

クロシュ「!」

↓1
1.防御の練習(盾士 練度:中)
2.攻撃の練習(剣士 練度:低)
3.魔法の練習(魔女 練度:低)
4.他の何かと同化してみる
5.その他(自由安価)
179 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/04(土) 14:20:06.67 ID:DeMtIfHVO
4
180 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/04(土) 14:21:06.60 ID:B87q5UoO0
5徒手空拳の練習
181 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/04(土) 14:48:10.20 ID:Yzt4QtTh0
ミスティ「はっ!」キラキラッ

 氷の刃「」ヒュンヒュン

エバンス「うおっ!」バッ

 カンカンカキンッ!

ミスティ「そこっ!!」カッ

 氷柱「」ギラッ

エバンス「うおおっ!!」ゴゴゴッ

 土塊隆起「」ドンッ!
 氷柱「」ドスッ

ミスティ「!」

エバンス「もらった!」グオオッ

ミスティ「――!」バッ

 冷気「」キンッ

エバンス「おわっ!!」サッ

ミスティ「……!」

エバンス「そんな隠し玉まであるとは。ミスティちゃん、やるな……!」

ミスティ「……いいえ。これで全てよ。今のが避けられた時点で、私の負け……」



クロシュ「……」

妖精「どうしたの?」

クロシュ「……ブラッドちゃんは……ミスティさんの氷を受けて……そのまま、同化してた……」

妖精「ああ……まあ、理論上は可能だろうけど……」

クロシュ「わたしも……できるかな……?」

妖精「う〜ん……失敗したら怪我するからやめといた方が良いよ。氷の刃は物理的な物質だけど、氷属性でもあるんだから」

クロシュ「んむ……」


↓1 何と同化する?
1.海岸の砂  難度:低
2.大きな貝殻 難度:低
3.ウニの殻  難度:低
4.カニの甲殻 難度:低
5.鋼板    難度:低
6.海水    難度:中
7.氷の刃   難度:高
8.空気    難度:高
9.自由安価  難度:?
182 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/04(土) 14:49:42.07 ID:B87q5UoO0
183 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/04(土) 14:49:59.23 ID:vtQwrWEWo
6
184 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/04(土) 15:43:40.91 ID:Yzt4QtTh0
クロシュ「……」キョロキョロ

 ウニの殻「」

クロシュ「!」トコトコ

妖精「わ、でっかいウニの殻……! これ使うの?」

クロシュ「うん……」

 デロデロ モニョモニョ ポン!

ウニスライムクロシュ「」トゲトゲ

妖精「ひゃっ! クロシュ、トゲトゲだよ!」

ウニスライムクロシュ「」トゲトゲ モニョモニョ

妖精「……でも、動きにくそうだね」

ウニスライムクロシュ「」モニョニョ…

 モニョモニョ デロデロ ポンッ!

ウニ盾クロシュ「!」シャキーン!

妖精「わっ……! それ、いつも使ってる小盾!? なんかトゲトゲになってる!」

ウニ盾クロシュ「えと……混ぜてみた……」

妖精「すごいじゃん! クロシュ、そんなこともできるんだ!」

ウニ盾クロシュ「えと……こんなことも……できる……」

 クロシュの体のあちこちから飛び出すトゲ「」シャキンシャキン!

妖精「うわわ! 全身からトゲが出せるの!?」

ウニ盾クロシュ「うん……。でも……ちょっと、お腹……減る……」

妖精「お腹が減るんだ……」



ローガン「クロシュくん! その姿は……!?」

妖精「ウニだって!」

イリス「わあ! いつもの小盾がトゲトゲになってる!」

ウニ盾クロシュ「うん……」

ローガン「武器を使った攻撃が苦手なクロシュくんでも、これなら防御しつつ攻撃ができるかもしれん。良い追加装備を見つけたな、クロシュくん!」

ウニ盾クロシュ「んへへ……」

 ☆同化した物品を合成することができるようになりました
 ☆鉄の小盾とウニの殻を合成し、ウニ盾を手に入れました

 ◆
185 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/04(土) 17:50:45.97 ID:Yzt4QtTh0

妖精「ふー、お疲れ様。それで、これからなんだけど……」

イリス「……あの暗黒商人の子が言ってたこと、全部が全部嘘だったわけじゃないと思うんです」

エバンス「……だが仮に奴の言っていたことが正しかったとして、認識阻害装置が手に入らないことにはどうにもならねえ。どうする? もう一回闇市に行って掘り出し物を漁るか?」

ローガン「いや……昨日ざっと見聞きして回ったが、飯盒くらいの大きさの物品はあの魔導飯盒しかなかった。昨日の今日で横流しされたとかでもない限り、闇市に行っても無駄足になる可能性は高い」

ミスティ「じゃあ……直接奪いに行く? セイントレア・メカニクスに」

エバンス「ええ!? いやいや、それは無茶だろ! 殺されちまうぞ!」

ミスティ「冗談よ」

クロシュ「……あの……」

イリス「クロシュちゃん?」

クロシュ「わたし……擬態すれば………潜入……できる、かも……」

エバンス「ええっ!?」

ミスティ「ちょっとクロシュ……! 冗談なのよ、今のは……!」

クロシュ「でも……わたしなら……」

ローガン「……確かに、クロシュくんならできるかもしれんが……。しかし失敗した時のリスクが大きすぎる。エバンスくんの言う通り、殺されてしまうぞ」

クロシュ「……でも……もう……けっこう、日も経っちゃってきてるし……。急がなきゃ……世界樹の光……フメイちゃんたちに、取られちゃうかも……」

ローガン「ぬう……」

 ◇

―工業都市テンペスター
 セイントレア・メカニクス本社ビル

警備ゴーレム「ピピッ……異常ナシ」

警備ゴーレム「ピピッ……本日ノ天気ハ曇天」



エバンス「くっ……本当にやるのか?」

妖精「……大丈夫、私がクロシュに付いてるから。何かあったとしてもクロシュは絶対に守るよ」

ミスティ「まあ……妖精が付いていれば、ある程度は安心できるけれど……」

イリス「絶対、絶対無理しちゃだめだからね……!」

ローガン「危険を感じたらすぐに引き返すのだぞ」

クロシュ「うん」



妖精「よし、じゃあ行くよクロシュ」

クロシュ「うん」


↓1 どんな姿に擬態していく?
1.透明スライム
2.関係者風の人間
3.作業ゴーレム
4.メイド人形
5.自由安価
186 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/04(土) 17:53:47.27 ID:vtQwrWEWo
4
187 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/04(土) 18:39:32.65 ID:Yzt4QtTh0
 デロデロ…ポンッ!

メイド人形クロシュ「……」フリフリ

妖精「見た目は完璧だね。じゃあ私はエプロンの裏に入らせてもらうね」

メイド人形クロシュ「ん」

 *

メイド人形クロシュ「……」トコトコ

警備ゴーレム「ム……? 識別信号……不明……」

メイド人形クロシュ「ほえ……?」

警備ゴーレム「所属ハドコデスカ?」

メイド人形クロシュ「あ、えと……」
妖精「大通りに配置された案内メイド人形です。識別信号は……故障中です。修理命令を受け、現在帰還中です(声真似)」

警備ゴーレム「承知致シマシタ」サッ

 自動ドア「」ウィーン

メイド人形クロシュ「……」ペコリ トテトテ

警備ゴーレム「……? 歩キ方……カワイイ……」

 *

―セイントレア・メカニクス本社ビル
 エントランス

メイド人形クロシュ「はふ……」トコトコ

妖精「はぁ〜びっくりした……! 緑の国みたいな調子で動いちゃだめだね、こりゃ……。さっきの警備ゴーレムはいい加減な奴で助かったけど……」

メイド人形クロシュ「うん……」

妖精「さて、ここはどうやら誰もいないみたいだけど……どこへ行けば良いのかな。こういう建物、入ったことないからよくわかんないなあ……」

メイド人形クロシュ「……!」

 案内図「」

妖精「案内図! これによると……認識阻害装置が置いてありそうなのは、試作開発室ってとこかな?」

メイド人形クロシュ「ん」

 *
188 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/04(土) 18:40:37.86 ID:Yzt4QtTh0
―試作開発室

 自動ドア「」ウィーン

メイド人形クロシュ「……」トコトコ

研究員「おや? 見慣れないメイド人形だな。丁度良い、お茶を汲んできてくれるかね?」

メイド人形クロシュ「ほえ……?」
妖精「お茶ですね。承知致しました(声真似)」

妖精「バカ! 早くお茶を汲んできて!(小声)」

メイド人形クロシュ「あ、う、うん……!(小声)」


研究員「……?」

 *

 お茶「」トプトプトプ

メイド人形クロシュ「お茶で……ござい、ます……!」

研究員「ああ……。ところで、君はどこの所属かね? メイド人形を呼んだ覚えはないのだが」

妖精「はい。私は大通りの案内メイド人形を務めております。帰り道を忘れてしまい、ここに来ました」

研究員「へ? そりゃ緊急メンテナンスが必要だな。そこの台に横になってくれ」

妖精(しまった!!!)


↓1 どうしよう!
1.メイド人形に擬態していることを明かして交渉する(真の正体は隠す)
2.攻撃を仄めかして脅迫する
3.逃げ出す
4.自由安価
189 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/04(土) 18:43:11.60 ID:htGcHC1DO
1
190 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/04(土) 19:02:13.48 ID:Yzt4QtTh0
メイド人形クロシュ「え、えと……」オロオロ

妖精「……それはできない。私は、メイド人形じゃないから」

研究員「だろうね。メイド人形にしては挙動も言動も明らかにおかしかった」

妖精「げ、バレてたの?」

研究員「バレないと思っていたのが驚きなんだけど……。エプロンの裏にいる君は妖精かい?」

妖精「小人です」

研究員「じゃあそういうことにしておこう。それで、侵入者のお二人さんは一体どのような用件で?」

妖精「……通報しないの?」

研究員「君たちの態度次第かな。現状、通報して君たちを拘束した場合の方が僕にとって面倒というだけだよ。下らない事情聴取になんか付き合わされたくないし」

妖精「へえ、そう。面倒事が嫌いってことなら単刀直入に言うね。海賊……魔導機械の認識を阻害する……ええと、周波数だっけ? それを出す試作品があるって聞いたんだけど、それが欲しい」

研究員「ん? ああ、バグ対策に開発された妨害魔力波発生装置のことか。それなら――」


↓1コンマ
01-05 ??
06-65 口止め料込み
66-95 タダであげよう
96-00 ??
191 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/04(土) 19:02:36.85 ID:B87q5UoO0
192 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/04(土) 20:32:56.37 ID:Yzt4QtTh0
研究員「タダであげるよ。大したものじゃないし」

メイド人形クロシュ「!」

妖精「へっ?」

研究員「……何? 欲しいんじゃないの?」

妖精「いや、欲しいけど……そんなにあっさりくれるとは……」

研究員「言っただろう、面倒事が嫌いなんだよ僕は。貰ったらとっとと帰るんだね」

妖精「あ、そう……。まあ、それならありがたく貰っておくけど……」


 妨害魔力波発生装置「」ポン

メイド人形クロシュ「わあ……」

研究員「これだよ。今の自立型魔導機械には魔力感知機能に欠陥があってね。これはそのデッドスポットを利用した装置で……っと、これは企業秘密なんだった。あんまり言いふらさないでくれよ」

妖精「……いや、言いふらさないけど。あなたこそそんなことベラベラ喋っちゃって大丈夫なの?」

研究員「僕は研究がしたいだけだから。国際競争の行方なんてどうでも良いんだ」

妖精「そ、そう……」

研究員「それと……君が妖精なら、ここテンペスターにはあまり近付かない方が良いよ」

妖精「え? いや、小人だけど……まあ妖精にとってはこんな機械機械したとこ気持ち悪いだろうからね」

研究員「いやそういう意味ではなく……まあいいか。とにかく妖精ならあまりここには近付かないことだ」

妖精「言われなくてもこんな嫌なとこ用がなきゃ近付かないよ」

研究員「ああ。とにかく必要なものが手に入ったのなら早く帰った方が良い。僕だから良かったけど、他の研究員に見つかったら面倒なことになると思う」

メイド人形クロシュ「……」

 ☆妨害魔力発生装置を手に入れました

↓1 どうする?
1.帰る
2.もうちょっとお話を聞きたい
3.もうちょっと調べ物
4.自由安価
193 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/04(土) 20:36:02.01 ID:nOsGT0sIO
1
194 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/04(土) 22:58:06.23 ID:Yzt4QtTh0
―セイントレア・メカニクス本社
 エントランス

メイド人形クロシュ「……」トコトコ


 自動ドア「」ウィーン

 魔導搬送機「」ピンポンパンポン♪
 コンテナ「」


妖精「うわ、あんな荷車みたいなやつまで自動化されてるんだ……。めちゃくちゃだなあ、ここ……」

メイド人形クロシュ「……?」

妖精「あの金属の箱には何が入ってるんだろうねえ。まあどうせロクでもない――」


 魔導搬送機「」ピンポンパンポン♪
 コンテナ「」グスッ ヒグッ エグッ…


メイド人形クロシュ「……!」

妖精「え――」


 魔導搬送機「」ピンポンパンポン♪
 コンテナ「」

 自動ドア「」ウィーン…
 バタム…



妖精「……なに……今、の……。泣き、声……?」

メイド人形クロシュ「……」

 ◆
195 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/04(土) 22:58:43.67 ID:Yzt4QtTh0
―冒険者ギルド テンペスター支部

イリス「潜入をクロシュちゃんと妖精さんに任せきりにしてる間、私にもできることは……ここで先日の損失を取り返すこと!」

ミスティ「ええ。ローガンさんとエバンスさんが本社の外で待機に回ってくれているから、私たちは私たちにできることをしましょう」

イリス「うん! 条件の良い単発の依頼があれば良いな……!」


受付嬢人形「いらっしゃいませ。当ギルドのご利用は初めてですか?」

ミスティ「ええ。ここの受付嬢も魔導人形なのね……」

受付嬢人形「はい。私はセイントレア・メカニクス社で製造されたメイド型魔導人形のギルド受付嬢仕様でございます。ご不明な点がありましたら何なりとお申し付けくださいませ」

イリス「あ、はい! それじゃあ、私たちに受けられる依頼で、短時間で終わるものはありますか?」

受付嬢人形「それでしたら――」

 ◇

―機械都市テンペスター
 裏通り 不法投棄現場

 機械や鉄屑の山「」ゴミゴミ

イリス「うわっ……!」

老婆「すまないねえ……あたしらは腰が悪いから、どうにも自分たちじゃどかせなくてねえ……」

ミスティ「その為の冒険者ギルドです。私たちにお任せください」

老婆「ありがとうねえ」

 *
196 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/04(土) 22:59:31.08 ID:Yzt4QtTh0
イリス「う〜ん、地魔法で一気に圧縮するのは……流石に危険だよね」

ミスティ「そうね……もし火薬とかが入っていたら衝撃で爆発するかもしれないし、地道に片付けていくしかないでしょう」

イリス「やっぱそうするしかないかあ」



ミスティ「これは燃えないゴミで……これは再利用可能な電子部品で……」

イリス「なかなか難しいね……。ん? これは……」ヒョイ

 ヒビ割れた緑色の珠「」

ミスティ「綺麗な珠……? ヒビが入ってるけれど……何の部品かしら?」

イリス「……わかんない、けど……」

 ヒビ割れた緑色の珠「」

イリス「何だろ……。これを見てると……胸の奥がざわつく、というか……」

イリス「……この魔力の残滓……あの自立型魔導機械の……? でも……これは……まるで――」

ミスティ「……? ちょっと借りても良い?」

イリス「あ、うん……」ヒョイ

 ヒビ割れた緑色の珠「」

ミスティ「……」

イリス「………ねえ。ミスティ、これって……」

ミスティ「…………」

イリス「…………」

ミスティ「……何よ。これ」

イリス「……」

ミスティ「何なのよ……これッ!!」

 ◆
197 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/04(土) 23:00:50.99 ID:Yzt4QtTh0
―旅の船着場
 客室

 妨害魔力波発生装置「」ポン

ローガン「おお……! これが認識阻害装置か……! でかしたぞ、クロシュくん、妖精くん!」

エバンス「でも本当に無事で良かったよ……。全く、クロシュちゃんたちが潜入してる間は気が気じゃなかったぜ……」

妖精「……うん」

クロシュ「……」

エバンス「ん……? どうしたんだ二人とも、せっかく無事に念願の装置を見つけて帰ってきたってのに、なんだか浮かないな」

妖精「……イリスとミスティは?」

ローガン「ああ、あの二人であれば、先日の損失を取り返すと言って冒険者ギルドへ――」

 ガチャッ

イリス「……ただいま……」

ミスティ「……戻ったわ……」

エバンス「イリスちゃん、ミスティちゃん。おかえり! クロシュちゃんと妖精も無事に戻ってきてるぜ」

イリス「あ……二人とも、おかえりなさい。無事で、良かった……」

ミスティ「……妖精……本当に……無事で、良かったわ……」

妖精「え……?」

ミスティ「…………これ……。見て、くれる……?」スッ

 ヒビ割れた緑色の珠「」

妖精「あ……これって、まさか――」

ミスティ「……ええ。闇市に寄って、聞いてきたわ……。自立型魔導機械の……根幹を成す部品……通称、精核――」

ミスティ「そして、その原料は――」

妖精「――妖精、あるいは精霊――でしょ?」

ミスティ「――!」

ローガン「!!?」

エバンス「なっ……!?」

イリス「………」グッ

妖精「……私たちも、聞いたんだよ。セイントレア本社で……機械で運ばれる箱の中から響く、妖精たちの泣き声を……」

ミスティ「……そう、だったの……」

クロシュ「………うん……」

妖精「技術革新なんて、蓋を開けてみればこれだ。王国の奴らが、苦しみを感じない機械の奴隷を作るなんて――そんな都合の良い話、あるわけなかったんだ!!」

妖精「くそっ……!! 私は……私は、苦しみがない機械の奴隷なら良いだなんて……無責任なこと、言って……うう、うぐうぅぅう!!!」ジワワ

クロシュ「よ、妖精さん……!」

ミスティ「妖精は何も悪くないわ!! 悪いのは……真に悪いのは、こんなことをしながら真実を隠蔽している王国のやり方でしょう!!!」

妖精「み、ミスティ……」ポロポロ

ミスティ「敵を違えてはならない……。討たなければならないのは――王国に巣食う悪意そのものよ!!!」

 ◆
198 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/04(土) 23:02:07.77 ID:Yzt4QtTh0
―夜
 機械工業都市テンペスター 薄暗い路地裏

 ガンッ ガガガッ ザシュッ

違法パーツ屋「ひ、ひいいい……!! た、助けてくれェ!!」

「……」コツコツ

違法パーツ屋「か、金ならいくらでもグアアアア!!!」ドシュドシュッ

「……」ジャキ

違法パーツ屋「あ、アバ……年貢の……納め時、か……」

「……」ブンッ

違法パ/ーツ屋「」ズバッ

 ベシャッ…

「敵性生命体の排除完了。同胞の救出に移る」スッ

 違法パーツ屋の荷物「」パカッ
 大量の精核「」キラキラ

「…………」

 大量の精核「」キラキラ

「……精核の不可逆改造を確認。救出不能……」

「…………介錯へ、変更……」スッ

 大量の精核「」キラキラ


 ドカッ バキャッ グシャッ ゴリュッ…


 砕けた大量の精核「」

「………」

 ポタッ ポタッ

「…………?」

「…………視覚洗浄機能の動作異常を確認。修正……」

「……………」

 砕けた大量の精核「」

「……………精霊の加護が……ありますよう……」

 ◆
199 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/04(土) 23:04:45.28 ID:Yzt4QtTh0
心を持たぬはずの魔導機械。その回路に走る、正体不明の電気信号。バグはなぜ生まれ、人に仇なすのか。
機械工業都市テンペスターの闇に潜む、静かなる殺意。繁栄の影に咽び泣く、無数の怨嗟。どこにも届かず、消えゆく哀しみ。
クロシュよ、君は哀しき復讐者にどう立ち向かう――

それでは本日もありがとうございました。明日と明後日は休日ですが更新できません。申し訳ないです。よろしくお願いいたします
200 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/04(土) 23:31:24.58 ID:vtQwrWEWo
乙でした
うげぁ生体ユニット、奴隷の延長じゃねぇか!
妖精とか精霊はうちの太母さまが規格外なだけで大多数は吹けば飛ぶくらいの存在な様子が……フォレスティナ本当にいい国だったんだなぁ
201 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/05(日) 00:29:02.32 ID:RZt09s+DO
乙です
かなり残酷な事実
果たしてかつての同胞を救おうとしている魔導機械に救いはあるのだろうか
202 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/05(日) 09:40:15.24 ID:deVQP+xSO

フォレスティナの妖精たちとの交流を経てるだけに厳しさが際立つ
海賊(仮称)さんも元はフォレスティナ出身疑惑濃厚だし…
時々入る>>1の次回予告風ポエム好き
203 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2024/05/07(火) 12:15:17.86 ID:RNx5Zs4OO

前作の人造種の過去ばりの激重展開
204 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/11(土) 14:28:17.56 ID:rjkSZaNB0
クロシュ一行の妖精は慎重で用心深く魔法にも長けていますが、妖精類というのは基本的に弱い種族です。ほとんどの妖精は人前に姿を現さず、山や森の奥などで自然と共に暮らしています。フォレスティナは、そんな妖精たちが堂々と暮らしながら安全に異種族と交流することのできる楽しい国なのかもしれません

精核となってしまった妖精や精霊が元の姿に戻った例は今のところ一つも確認されていません
どうすれば妖精たちを救うことができるのか。介錯と称して破壊することが救いなのか。そもそも救いとは。クロシュには何ができるのでしょうか

そして人を殺し、同胞たる精核を破壊し続ける魔導機械の彼女もまた、一人の被害者なのかもしれません。その無機質な声色で紡がれる祈りは、果たして届くのか――

今回の自立型魔導機械に関してのお話は、実際のところ前作の人造種のお話のセルフオマージュのようになっています(引き出しが少ないとも言います)
人造種の中身が妖精や精霊という設定は実は前作でもあったのですが、機会がなかったため開示されることはありませんでした
しかしどういうわけか今作にも自立型魔導機械という近似した存在が発生してしまったため、今回はそこにスポットが当たることになるのかもしれません
205 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/11(土) 14:28:43.80 ID:rjkSZaNB0
―港湾都市ウォーターポート 滞在8日目
 ◆パーティメンバー
 ◇クロシュ 武:ウニ盾   防:ゴスロリエプロン
 ◇妖精   武:なし    防:エルフのレオタード
 ◇イリス  武:精霊樹の杖 防:魔術師のローブ
 ◇ミスティ 武:魔銀の短剣 防:精霊のローブ
 ◇ローガン 武:鋼の剣   防:鎖帷子
 ◇エバンス 武:鉄の剣   防:革の鎧
 ・共通   飾:くすんだ耳飾り

◯所持アイテム
・鉄鍋+携帯調理器具
・蜘蛛絹の下着
・ザリガニのお守り
・魔術書「星の魔力」
・魔族国永久旅券*5
・マジカルブラッドワイン
・反魂丹*2
・運命賽*2
・雨乞い傘
・フメイの服の切れ端
・精霊の印*5
・精霊樹の実のジャム
・鋼の回転ノコギリ
・精霊樹の鉢植え
・フメイとアリシラの人形
・お宿の焼き菓子
・お宿の妖精の織物
・メルルの帽子
・魔導飯盒
・妨害魔力波発生装置

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[0/5]
・トコナツ火山島行きの船を探す
・海渡りの姿を獲得する[2/3]

◯仲間の目標
・ブラッドを倒す(ミスティ)
……………………………………………………………………………………
□港湾都市ウォーターポート 主要施設
大通り:旅の船着場、武具店、雑貨店、魔法店、鮮魚店、食品店、食事処、酒場、浴場、冒険者ギルド、他
裏通り:占い屋、怪しい露天商、暗黒商店、奴隷商店、他
沿岸部:港、造船所、魚河岸、灯台、他
……………………………………………………………………………………
□機械工業都市テンペスター 主要施設
大通り:武具店、雑貨店、機械店、無人食事処、自販機通り、冒険者ギルド、他
裏通り:闇市、薄暗い路地裏、他
沿岸部:港、造船所、コンテナ港、工場地帯、灯台、他
……………………………………………………………………………………
206 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/11(土) 14:29:13.31 ID:rjkSZaNB0
―朝
 旅の船着場

 チュンチュン

ミスティ「……妖精……どう……?」

 ヒビ割れた緑色の珠「」

妖精「一晩調べてみたけれど……ごめん。私には、戻せない……。物質的にも魔法的にも、構造が完全に変質してる……」

イリス「どうにも、ならないの……?」

妖精「例えるなら、木炭を生木に戻すようなものだよ。そんな魔法も技術も、この世界のどこにもない……」

イリス「そんな……」

クロシュ「……」

ミスティ「……セイントレア社をどうにかしない限り、犠牲者は増え続けるということね」

イリス「でも……セイントレア社って、名前の通りセイントレア王家が関わってる組織でしょ? そんなの……どうにかできるの……?」

エバンス「王国内でセイントレア社を告発しても、今イリスちゃんが言った通り王家の力で揉み消されて終わるだろうな……」

ローガン「……そもそも、王国法では妖精類に人権が適用されん。この国では……妖精類をどのように扱おうと、罪にはならんのだ……」

ミスティ「……」ギリッ

妖精「あとは大陸各国に王国の悪事を知らしめて国際的な立場を悪化させるって手もあるけど……。圧倒的な力を持つ王国と関係を悪くしたい国なんてないから、あんまり意味はないかもね……」

イリス「……そんなの、おかしいよ。みんな、これを知れば王国が酷いことをしてるって絶対にわかるはずなのに……!」

ローガン「……だが、セイントレア社の軍事兵器は今や世界最高の性能だ。例え倫理的な問題があろうとも、それを買わない選択をすれば―――」

エバンス「他国と軍事力に大きな差が付き、侵略を許すことになるってわけか……」

ミスティ「………妖精たちを……何だと思っているのよ……。人間の下らない戦争なんかのために……どうして妖精たちが酷い目に遭わなきゃいけないのよ……!」グッ

妖精「………ミスティ……」

クロシュ「……」

妖精「みんな……名も知らぬ妖精たちのために怒ってくれて、ありがとう……。でも、やっぱりこれは今すぐどうこうできる問題じゃないから……今は、世界樹の光を追うことを優先しよう」

ミスティ「……妖精が、それでいいなら……。でも、本当にいいの……?」

妖精「いいも何も、どうにもならないもん。フォレスティナは世界樹の結界で守られてるけれど、他の地域に住む妖精たちのことまでは守り切れないし。王国を変えるなんて不可能だし」

ミスティ「……それは、その通りね……」

妖精「だから、今はやるべきことをやろう。世界樹の光が集まれば……きっと、できることもあるから」

クロシュ「ん……」コク


ウォーターポート滞在8日目です
・海賊対策手段を確保したため、クロシュが海渡りの姿を獲得すると出港可能になります
↓1〜3 自由安価 何をする?
207 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/11(土) 14:36:12.58 ID:xsY1C5Ae0
海渡り練習
208 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/11(土) 14:43:52.84 ID:h5EhoLnK0
他に良い装備や使えそうなアイテムが無いか見て回る
209 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/11(土) 14:46:22.08 ID:i6p9lgMyO
イリス、星の魔翌力の操作練習をする
210 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/11(土) 16:35:38.60 ID:rjkSZaNB0
―海岸

 ザァーン ザザァーン―

カモメ「クゥー、クゥー」

カニ「チョキチョキ」


小舟クロシュ「」プカプカ

 鋼の重り「」ズシッ

小舟クロシュ「」プカプカ


ローガン「クロシュくん、重くはないか? その重りだけでも我々パーティの全員と同じくらいの重さはあるが……」

小舟クロシュ「〜〜」モニョモニョ

妖精「平気だって」

ローガン「そうか。ならば良かった」

小舟クロシュ「〜」モニョ

妖精「小舟の擬態もバッチリみたいだし、次は本番――みんなが乗れるおっきな船になってみよっか!」

小舟クロシュ「〜〜」モニョニョ

 *

イリス「クロシュちゃんが頑張ってるんだから、私も頑張らなきゃ!」ザッ

ミスティ「手伝うわ……。イリスの魔力操作が上達すれば、パーティ全体の属性適応力が上がるもの……」

エバンス「星属性って、具体的にはどういう属性なんだ?」

イリス「えっと、簡単に言えば星の内側を流れる魔力の属性で……五大属性の大元となる属性、みたいな感じです」

エバンス「……すまん、五大属性ってどれだ?」

イリス「えっ、そこから!?」

ミスティ「……学問や研究としての魔法を志す者でもなければ、五大属性なんて言われてもピンと来ないのが普通だと思うわ……」

イリス「そ、そうなんだ……。一般常識だとばかり……」

エバンス「わ、悪いな。俺にとって魔法ってのは戦闘技術の一つであって、学術的に研究するものじゃないんだ」

ミスティ「……私も一応魔法使いを名乗ってはいるけれど、実際のところエバンスさんと同じなのよね……。生き残る術というか……」

イリス「なんと……。え、ええと……五大属性っていうのは、火、水、風、地、光の五つの属性のことなんです。人類の得意属性もこの五大属性やその派生属性のどれかであることが多く、一般的に最も身近で研究も進んでいると言われています」

エバンス「なるほど……。言われてみれば確かに、その五つの属性に当てはまる人は多いような気がするな。俺自身も地属性だし」

ミスティ「私の氷属性は当てはまらないのよね……。それで使用者も少ないから、魔導書とかも少なくてちょっと困るわ……」

イリス「あはは……。でもミスティが氷属性で良かったよ。私、氷と闇はカバーできないもん」

ミスティ「こっちのセリフよ。あなたが全属性対応の変態じゃなくて良かったわよ」

イリス「全属性に対応できる超人なんて大魔女くらいしかいないと思う……」


↓1コンマ クロシュの海渡り練習
01-95 大亀 (経験3/3)
96-00 海竜 (経験☆)

↓2コンマ イリスの星属性練習
01-65 ちょっと(経験1/4)
66-85 まあまあ(経験2/4)
86-95 いい感じ(経験3/4)
96-00 ????(経験☆)
211 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/11(土) 16:36:16.70 ID:T2S99gvxO
海竜
212 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/11(土) 16:39:04.63 ID:uFUx8OlwO
コンマ
213 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/11(土) 18:38:19.65 ID:rjkSZaNB0
―海岸

 ザァーン ザザァーン―

大亀クロシュ「」スイスイ


ローガン「おお……! なんと雄大な姿か……! まるで神話に登場する世界亀のようだ……!」

妖精「すごい……! クロシュ、すごいよ! まさか船じゃなくて、おっきな亀になっちゃうなんて!」

大亀クロシュ「〜〜」モニョモニョ

妖精「重りをいっぱい乗せてみてだって! ローガン!」

ローガン「お、おお……ではやってみるぞ!」

 鋼の重り「」ズシッ
 鋼の重り「」ズシッ
 鋼の重り「」ズシッ
 鋼の重り「」ズシッ
 鋼の重り「」ズシッ

大亀クロシュ「〜〜」モニョニョ

妖精「全然平気だって! すごいよクロシュ!」

ローガン「おお……! これだけの重りが乗っても平気なら安心だな……!」

大亀クロシュ「〜」モニョ

妖精「うん、ありがとうクロシュ。これでいつでも出発できるね」

 ☆クロシュの海渡り経験が3/3になりました
 ☆大亀に擬態できるようになりました
 ☆パーティを乗せて海へ出られるようになりました

 *

イリス「むむむ……」ググッ

 ポンッ
 七色に輝く耳飾り「」キラキラ

イリス「ふう……。虹晶石に魔力を込めるだけならまあまあ安定してできるけれど……」

ミスティ「これ以外はまだ難しいの……?」

イリス「うん。元々虹晶石自体が星の魔力と親和性の高い物質だから、これに通せるのは当然と言えば当然なんだよね。でも、今のところそれ以外の使い道がわからないというか……」

エバンス「なんか、星属性のビームとか出せないのか?」

イリス「エバンスさんは星属性を何だと思ってるんですか……。いや、でも……ビーム?」

ミスティ「もしかして何か掴めたの?」

イリス「……ちょっと、試すだけ。えいっ!」

 五色の光粒子「」フワァ キラキラ…

ミスティ「……! 綺麗……」

エバンス「おお……! これはこれですごいな!」

イリス「……でもこれ、実用面じゃ耳飾りを光らせるのとあんまり変わんないね!」

 ☆イリスの星属性経験が1/4になりました

 ◆
214 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/11(土) 18:38:50.52 ID:rjkSZaNB0
―ウォーターポート大通り

 ワイワイ ガヤガヤ

エバンス「でっけえ亀が悠々と泳いでるのを見たが、やっぱりクロシュちゃんだったか!」

ミスティ「すごいじゃない……あんなに大きな亀に変身できるなんて……」

イリス「本当にすごいなあ……。クロシュちゃん自身はこんなに小さいのに……反映魔法、研究してみたいかも……」

ローガン「うむ。本当によくやったぞ、クロシュくん!」

クロシュ「んへへ……」

妖精「そういうわけだから、航海に必要なものとかを買い揃えよう。クロシュの背中で生活するための物資も必要だし」

イリス「あそっか! いつも使ってるテントじゃ流石に厳しいよね」

クロシュ「……あ、えと……甲羅の上に、簡単なおうちくらいなら……出せるかも……」

ミスティ「な、なんですって……!」

エバンス「おいおいマジか……!」

クロシュ「んへへ……。でも、お腹減るから……ご飯、欲しい……」

妖精「……や、私もここまでクロシュができる子だとは思ってなかった。本当にすごい」

ローガン「うむ……。では、クロシュくんが困らないように食料も買い込んでおかなければな」

エバンス「おう! それと装備の新調とかはここを出る前に済ませといた方が良いぜ。ここで手に入らない市販品はないと言われるくらいウォーターポートの品揃えは良いからな。王国産はもちろん、他国産の物品もここほど幅広く集まる場所は滅多にないんじゃないか?」

妖精「そうだね。ここで買えるものは今のうちに買っておこう。今のところ大きな出費もないし船代も浮いちゃったから、ちょっとくらい贅沢しても大丈夫だよ」

ローガン「ふむ……。海へ出るのだから私も身軽になっておくか……。鎖帷子は港に置いていくとして……」


↓1コンマ ローガンの新防具
01-40 革の鎧
41-70 硬質革鎧
71-90 魔銀の鎖帷子
91-00 ザリガニの鎧

↓2〜4 自由安価 その他買うもの(装備の場合は誰のものか記載)
※クロシュ、妖精、イリス、ミスティは現在の防具に満足している為、防具を買い替えられません
※買うものによってはコンマ判定が発生することもあります
215 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/11(土) 18:40:14.01 ID:DN5xpl7ZO
216 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/11(土) 18:42:54.70 ID:lMG58ZCe0
纏うと透明になるマント
217 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/11(土) 18:55:09.11 ID:+YV6Z0FSo
竜の顎の玉
218 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/11(土) 18:55:56.75 ID:614y6WsgO
星の魔翌力の続巻
219 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/11(土) 20:19:37.71 ID:rjkSZaNB0
―武具店

 革の鎧「」

ローガン「これにしよう」

エバンス「おっ、ローガンの旦那も革鎧か?」

妖精「これでいいの? もっといいやつあるけど」

ローガン「戦の際は鋼魔法で即席の装甲を纏うゆえ、これで必要十分なのだ。路銀は節約せねばな」

妖精「なるほどねえ。エバンスも鎧に泥を貼り付けてみたら?」

エバンス「せめて石とかにさせてくれよ……」

 ☆ローガンの装備が革の鎧になりました

 *

―裏通り
 怪しい露天商

闇の武器商人「らっしゃい。おや、嬢ちゃんたちは……前にテンペスターの闇市に来てたな」

イリス「ええっ、覚えてるの!?」

ミスティ「……どうも」

クロシュ「……」

闇の武器商人「わざわざこんなとこに買い物に来たとこを見るに、闇取引にハマっちまったか? クク、若いのにやるねェ」

イリス「や、そういうわけじゃないんですけど……。そろそろこの街を出るので、いろいろ見て回ってるんです」

闇の武器商人「そうなのか。ならここに来たのは正解だな。レアな品揃えにゃ自信があるぜ、俺は」

ミスティ「そりゃまあそうでしょうね……」

闇の武器商人「例えば――これだ!」

 光学迷彩マント「」ドン!

ミスティ「……マント? 変な材質だけど……」

闇の武器商人「聞いて驚くなよ? こいつはセイントレア社が開発した最新の軍用光学迷彩マントだ」

イリス「こ、光学迷彩……!? 光学迷彩って、光属性の超高等魔法じゃ……」

闇の武器商人「それを誰でも使えるようにしたのがこのマントってわけ。超高等魔法なんて属人性の高い技術、軍事的には全くアテにならんからな」

イリス「そ、それはそうかも……」

闇の武器商人「本来は市場にゃ絶対に出回らないシロモノだが、俺の腕前ならこの通り。冒険者であるアンタらにとっても極めて有用だと思うが、どうだ?」

イリス「え、ええと……」

闇の武器商人「一応言っとくが本物だぜ。俺ァ品質にゃこだわる主義だ。あのケチなメスガキと違ってな」

イリス「ぎぃ……そ、その話は……」

闇の武器商人「はは、悪いな。嬢ちゃんがカモられるとこも見てたんだが、あれも勉強だと思ってな」

イリス「うぐぐ……」

闇の武器商人「俺はお代こそふんだくるが、偽モンは売らん。自由に試着して光学迷彩を試してみても良いぜ。どうする?」


↓1コンマ 価格
01-60 高すぎる(買えない)
61-80 セール中(買えるが、パーティの所持金が半減する)
81-00 ??

↓2安価(01-80だった場合)
1.買う
2.買わない
3.自由安価
220 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/11(土) 20:20:23.91 ID:lMG58ZCe0
221 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/11(土) 20:20:29.27 ID:GbizPI3DO
はい
222 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/11(土) 20:52:12.72 ID:rjkSZaNB0
 光学迷彩マント値札『とても高い価格』

イリス「げっ……た、高すぎる……こんなに高くっちゃ買えないよ」

闇の武器商人「そりゃあ最新の軍事機密だからなあ。安売りはできねえよ?」

ミスティ「……仕方ないわね。今回は御縁がなかったと――」

クロシュ「……!」ピコン

クロシュ「あの……試着、してみても……いい……?」

闇の武器商人「ん? まあいいが……着逃げしようなんて考えるなよ?」

クロシュ「うん……」

イリス「クロシュちゃん……?」


 バサッ

光学迷彩状態のクロシュ「」モゾモゾ

イリス「わ、わあ……! 本当に透明になっちゃった!」

ミスティ「こ、これは凄いわね……! 」

闇の武器商人「はは、だろ? 黒髪の嬢ちゃんも満足できたか?」

 バサッ

クロシュ「ん……ありがと……」スッ

闇の武器商人「どういたしまして。今回は金が足りなかったみたいだが、機会があればまた頼むぜ」

クロシュ「ん……」

 ◇
223 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/11(土) 20:52:59.71 ID:rjkSZaNB0
―裏通り

クロシュ「……」トコトコ

イリス「ねえクロシュちゃん……さっきどうして、いきなり試着しようと思ったの?」

クロシュ「……」

ミスティ「……クロシュ……あなた……」

クロシュ「……」

 デロデロ… スゥー…

透明「」

イリス「わ、わわわ! く、クロシュちゃんまさか……!」

ミスティ「やっぱり……!」

透明「んへへ……」

イリス「ぎ、擬態したんだ……! あのマントの材質に……!!」

ミスティ「い、いつからこんな悪い子になってしまったの……!」

透明「こういうことも……できる……」ススッ

 バサッ

光学迷彩マントクロシュ「」バササッ

イリス「うわわ! マントになったクロシュちゃんが――」
ミスティ「私とイリスを包みこんで――」

 スゥー…

透明「み、みんな透明になっちゃった!」

透明「こ、これはいくらなんでもインチキすぎるわよクロシュ!」

透明「〜〜」モニョニョ

 ☆クロシュが光学迷彩によって透明化できるようになりました
 ☆クロシュが光学迷彩マントに擬態できるようになりました

 ◇
224 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/11(土) 20:59:06.02 ID:O5UaFYtCo
成長したなぁクロシュ……
こういう序盤駄目駄目だけど育ったら超戦力になるキャラおるおる、好き
225 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/11(土) 21:24:36.18 ID:TQfGJYnJO
スライムってすげぇ!
226 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/11(土) 22:07:33.04 ID:rjkSZaNB0
―大通り

 ワイワイ ガヤガヤ

イリス「ってことがあったんだよ!」

妖精「え、ええ!? クロシュが……!?」

エバンス「マジか……! やるなあクロシュちゃん……!」

ローガン「ほう……! クロシュくんも旅人らしくなってきたな……!」

クロシュ「……」フンス

ミスティ「実際、悪いことは何一つしてないものね……」

イリス「持てる力を駆使しただけだもんねえ」

 *
227 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/11(土) 22:08:48.60 ID:rjkSZaNB0
 ワイワイ ガヤガヤ

エバンス「消耗品や食糧も買い込んだし、買い物はこれくらいか?」

ローガン「うむ。あとは――」


行商妖精「綺麗な真珠だよ〜。ヤドカリの抜け殻もあるよ〜」


イリス「妖精の行商さん……!」

ミスティ「……ちょっと……心配ね……」

妖精「……ちょっと見てってみる?」

ミスティ「……ええ」

 *

行商妖精「お〜、いらっしゃい〜」

ミスティ「こんにちは……」

妖精「どうも」パタパタ

行商妖精「わあ、同胞だあ〜。こんなとこで会えるなんて嬉しいなあ〜なんか買ってってよお〜」

妖精「私はこんなとこに同胞がいるのはあんまり嬉しくないけど……いつも何を売っているの?」

行商妖精「んふふ、海で拾ったものを売ってるの〜。森には海がないからね〜」

妖精「なるほどね……」

行商妖精「今日の目玉商品は〜……これ!」ジャン!

 綺麗な珠「」ピカピカ

妖精「んん? 随分綺麗な玉っころだけど……」

行商妖精「これはね〜……たぶん龍の顎の珠だよ!!」

イリス「えええ!? 龍の顎の珠!?」

行商妖精「うん〜。だって綺麗でピカピカだもん〜」

妖精「いやいや、龍の顎の珠がこんな海に落ちてるわけ……」

 綺麗な珠「」ピカピカ

妖精「ないよね……?」

ミスティ「し、知らないわよ……龍の顎の珠なんて見たことないもの……」

エバンス「俺も見たことないからわからん……」

ローガン「……昔勤めていた場所の宝物庫に似たようなものがあったような気もするが……いや、不確かな記憶などアテにならんな」

イリス「龍の顎の珠って絶大な龍の力を秘めた、それこそ国宝級の宝物だと思うけれど……。少なくとも魔力的には、何も感じ取れない……」

行商妖精「本物だよお〜!」プンスコ

 綺麗な珠の値札『だいぶ高い』

妖精「……本物だとしたら破格の安さだけど、ただの綺麗な丸い石だとしたらだいぶお高い……」

イリス「まあこれだけ綺麗な珠なら、例え偽物でも宝飾品としてまあまあ価値があるとも思う……。専門家じゃないから断言はできないけど……」

ミスティ「ど、どうするの?」


↓1選択
1.買う(所持金半減)
2.買わない

↓2コンマ
01-40 ただの綺麗な丸い珠だった
41-80 エンシャントシャコ貝の真珠だった
81-95 海竜の宝玉だった
96-00 本物の龍の顎の珠
228 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/11(土) 22:10:37.37 ID:eY1RhUSNO
2
229 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/11(土) 22:11:04.53 ID:lMG58ZCe0
230 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/11(土) 22:11:05.11 ID:GbizPI3DO
2
231 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/11(土) 22:39:07.63 ID:rjkSZaNB0
妖精「……いや、買わないよ! ティセリアたちから預かった大事なお金を、こんなよくわからない玉っころに突っ込むわけないでしょ!」

行商妖精「ええ〜!」

ミスティ「そりゃそうよね……。ただの玉っころだったら大損だし……」

イリス「……よ〜く意識を凝らしてみたら、微かに海の魔力を感じる……。海由来の珠なのは間違いないかも」

妖精「これだけの大きさの珠なら、エンシャントシャコ貝あたりの真珠かもねえ。そうだとすれば値段相応っちゃ値段相応かな?」

イリス「エンシャントシャコ貝の真珠なら水魔法の強力な触媒になるね。まあこのパーティには水魔法の専門家はいないけど……」

行商妖精「龍の顎の珠だもん〜!!」プンスコ

 ◆

―夕
 大通り

カモメ「クゥー、クゥー」


イリス「日も落ちて来たねえ……。とりあえず買い物は十分かな?」

ローガン「うむ……。イリスくんとミスティくんは、魔導書の類はいいのか?」

イリス「あー、魔導書は……」

ミスティ「私は数日前に買ったわ……。イリスは……あの時は一冊も買っていなかったけれど……」

イリス「いやまあ、あはは……」

妖精「……? 航海中は時間もあるだろうから、買っておいても良いと思うよ。まあ必要なければいいけど」

イリス「……うん! じゃあもう一回、あの店に行ってみる!」タッタッタッ

 ◇
232 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/11(土) 22:40:52.37 ID:rjkSZaNB0
―魔法店

 ガチャッ カランカラン

イリス「こ、こんにちは〜!」

 本棚「」
 本棚「」
 本棚「」
 本棚「」
 本棚「」
 本棚「」

イリス(相変わらずすごい蔵書量だ……。あの日はちゃんと隅々まで探せたわけじゃないから――)


魔法使いの店員「いらっしゃい。あなたですね……。まあゆっくり見ていくのが良いですよ」

イリス「ど、どうも……」

魔法使いの店員「よろしければお手伝いしましょうか? この中から必要な本を探すのは大変でしょうから」

イリス「あ、それなら……星の魔力っていう本を探してるんですけど」

魔法使いの店員「え、星の魔力? あなた、もしかして――」

イリス「はい、星属性なんです」

魔法使いの店員「なるほど……。それなら尚更、暗黒面に堕ちるべきではありませんね……」

イリス「あ、あはは……」

魔法使いの店員「星の魔力ですが――」


↓1
01-40 星属性を含む既存全属性を網羅する汎用書ならあります(星属性経験+)
41-70 星の魔力ではありませんが星属性を取り扱った本があります(星属性経験++)
71-90 星の魔力[中編]
91-00 星の魔力[中編+後編]
233 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/11(土) 22:44:13.03 ID:+YV6Z0FSo
こんま
234 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/11(土) 22:58:43.37 ID:rjkSZaNB0
魔法使いの店員「……残念ながら、ここに星属性の専門書はないのです。申し訳ない」

イリス「そ、そうだったんですか……」

魔法使いの店員「しかし汎用書ならあります」スッ

イリス「えっ?」

 属性大全「」ポン

魔法使いの店員「これは、出版当時に判明していた全ての属性を網羅する汎用魔導書。五大属性はもちろん、他の希少属性やユニーク属性の使い方まできっちり書かれています。もちろん星属性も……。既にご自身の属性を把握しているあなたには不要のものかもしれませんが――」

イリス「い、いえ! 星属性ってわかってるだけで、実際のところ手探りなんです……! これでも十分ありがたいかも……!」

魔法使いの店員「そうなのですか……。それならば、この本を差し上げましょう……」

 属性大全「」スッ

イリス「えっ……? でも……」

魔法使いの店員「……先日のことは、あの本を書棚に置いてしまっていた私自身の迂闊が招いた失敗でした。それをあなた一人の責任として押し付けてしまったことを、お詫び致します……。これはその、謝罪の証としてお受け取りください」スッ

イリス「そ、そんな……! あれは、本当に私が出来心で魔が差したのがいけなかったので……!」

魔法使いの店員「まあまあそうお気になさらず! これをあなたに押し付けないと私の気が晴れないので、押し付けられてください!」グイグイ

イリス「うわわ、わかりましたよ……!」

 ☆属性大全を押し付けられました
 ☆宿に帰ってちょっとだけ読み、星属性経験が2/4になりました

 ◆
235 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/11(土) 23:40:08.49 ID:rjkSZaNB0
―夜
 大通り

エバンス「よーし、買った買った! これで航海も安心だな!」スタスタ

イリス「はい! あとはここを出発するだけ……」スタスタ

クロシュ「ん……」トコトコ

ミスティ「……」スタスタ

妖精「……ミスティ。世界樹の光を集めたら、改めてできることをしようよ。今の私たちにできることは……ないから……」パタパタ

ミスティ「……わかってるわ。ただ、どうしてか……ブラッドのことを考えていた時よりもずっと……自分の無力さを実感するのよ……」スタスタ

ローガン「うむ……。こればかりは、ミスティくん自身が強くなるしかあるまい。憎き敵を倒すにも、守るべき者を守るにも……力がなければ、何も成せぬ……」スタスタ

ミスティ「……ええ………。わかっているわ……」スタスタ


  アアアアアアア!! ドガガガッ!! ダダダダンッ!!
 タスケテクレエエエ!!!  アアアアアアア!!!!!  ザシュザシュッ!!


クロシュたち「!!?」

イリス「い、今の悲鳴は……!?」

エバンス「裏通りの方から聞こえたな……。中年くらいの男の悲鳴と――」

ローガン「――火薬による射撃、そして刃物による斬撃の音――」

ミスティ「……っ」

妖精「……私たちとは無関係なこの街のいざこざかもしれない、けど……」

クロシュ「……」


↓1〜5多数決 どうする?
1.向かう
2.向かわない
236 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/11(土) 23:40:41.11 ID:lMG58ZCe0
237 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/11(土) 23:41:30.42 ID:+YV6Z0FSo
1
238 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/11(土) 23:41:43.19 ID:D5fKhNOSO
1
239 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/12(日) 00:02:36.96 ID:biTO8Sgi0
1
240 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/12(日) 00:10:12.73 ID:aDiqD9rD0
クロシュ「……」クルッ ジッ

ミスティ「クロシュ……」

クロシュ「……」コク

ミスティ「……ええ! 胸騒ぎがする……行きましょう!」タッ

クロシュ「!」タッ

妖精「……私も……見過ごしちゃ、いけない気がする」フワッ

イリス「わ、私も行くよ!」タタッ

エバンス「お、おう! 俺も行くぜ!」ダッ

ローガン「今度こそ、私が護らねば……!」ダッ

 *
241 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/12(日) 00:13:41.03 ID:aDiqD9rD0
―裏通り

闇の武器商人「……だ、だずげでぐれぇ……」ポロポロ

メイド人形?「……」コツコツ

闇の武器商人「じにだぐねえよぉ……」ポロポロ

メイド人形?「……」ジャキ

闇の武器商人「あ、アバ……」ポロポロ

メイド人形?「」スッ

 ブンッ
 ガギインッ!!

メイド人形?「!」ズザザッ

闇の武器商人「あ、え……?」ポロポロ


ウニ盾クロシュ「……!」ズザザッ

ミスティ「間に合った……!!」

妖精「か、間一髪……!!」

闇の武器商人「お、おまえら……昼間の……」ポロポロ


メイド人形?「……敵性生命体、増援を確認……。同時に、同胞の魔力を感知……」

妖精「自立型魔導機械の、バグ……!?」

メイド人形?「……同胞は敵性生命体に洗脳されているものと推定。敵性生命体殲滅と共に、救出を行う――」ジャキ

ミスティ「くっ……あなた、まさか――」

メイド人形?「殲滅、開始――」シュバッ ゴオオオオッ

妖精「――っ! 来るよ!! 備えて!!」

ウニ盾クロシュ「――!!」


 ――EXボス メイ841――
242 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/12(日) 00:14:27.61 ID:aDiqD9rD0
というわけで本日はここまでとなります。次回、EXボスのメイ841さんとの戦いです

ついに遭遇してしまった復讐の魔導機械ことメイ841。数ではこちらが圧倒的に有利ですが、果たして戦況は、コンマという運命の女神はどちらに微笑むのか。犠牲になった妖精たちの魂は、どこへ向かうのか――
そして赤ちゃんスライムのクロシュ氏がメキメキと実力を付け始めています。戦闘に関してはともかく、擬態コピーは本当にインチキじみています。クロシュちゃんの今後の成長にご期待ください

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
243 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/12(日) 08:28:33.11 ID:D+zCJuEro
おつです
そのうちブラッドも圧倒してリベンジしてぇ
244 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/12(日) 08:28:52.47 ID:g/BB+Mlc0

そういやマリー隊長どうしてるんだろ…
フラナ氏最終的に魔法で行動制限かけた上で統治者任せそうだけど。
245 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/12(日) 13:16:23.82 ID:aDiqD9rD0
ブラッド(本体)に勝つにはもっと強くなる必要があります。一つの目安として、パーティ各々が単独で分体を倒せるくらいになれれば勝機も見えてくるかもしれません

マリー元部隊長は、今も魔族国の廃神殿にて他の捕虜たちと共に気楽な軟禁生活を送っています。魔族国と王国の交渉における重大なカードでもあるため、解放の見込みはまだないようです
マリー氏が魔族国の統治者に返り咲くには、魔族と人間の対立や王国との緊張状態など様々な課題があるため、今のところ実現可能性は低いです。またマリー氏自身も魔族革命を引き起こしてしまったことに重責を感じており、もし再び魔族国の統治者になって欲しいと言われた場合、自分にはその資格も能力もないと言って断るでしょう

なお今までの登場人物の現況については、実はスレ冒頭の登場人物紹介の各備考欄にて少しだけ触れられていたりします。気になる方はご参照ください
246 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/12(日) 13:17:00.31 ID:aDiqD9rD0
↓1選択 クロシュはどう戦う?(戦術次第で↓2コンマに補正)
1.みんなを守ることに専念
2.守りつつウニ棘で反撃
3.光学迷彩で不意打ちを狙う
4.自由安価


↓2コンマ 戦況
01-05 痛恨
06-50 劣勢
51-95 優勢
96-00 会心
247 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/12(日) 13:18:52.04 ID:CpWouPqoO
乙です
属性大全だけど希少属性やユニーク属性が載って事は相手が魔法を放つ時にその魔法が何なのかすぐに調べる事が出来てそこから弱点や欠点など知れるからもしかすると良いアイテムかもしれないね。
248 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/12(日) 13:22:32.52 ID:R272xTKbO
1
249 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/12(日) 13:23:10.81 ID:g/BB+Mlc0
ほう
250 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/12(日) 13:23:52.29 ID:VV51EV380
4 基本的に1で反撃は仲間にしてもらおう
251 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/12(日) 13:54:11.36 ID:aDiqD9rD0
属性大全は専門性こそありませんが、出版当時に判明していた全ての属性を広く浅くカバーしているため、見知らぬ属性を見た時にちょっと調べてみたりするのに有用かもしれません
しかしこれの出版後に判明した新属性や、公的機関に届けられていないユニーク属性などは抑えられていないことに注意が必要です。クロシュの反映魔法も載っていないようです
252 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/12(日) 13:54:41.14 ID:aDiqD9rD0
選択:防御専念(コンマ+10)
コンマ:81+10 優勢


メイ「」ギュオオッ

ウニ盾クロシュ「!」ザッ

メイ「」ビビビッ

 ギギギギンッ!!

ウニ盾クロシュ「っ!」ズザザッ

妖精「くぅぅ、これでも追い風で援護してるのに……!」

ミスティ「そこよ!!」ギラッ

 氷の刃「」シュババッ

メイ「!」タンッ カンカンッ

ミスティ「まだまだ……!!」コォォ―

メイ「――」スッ

 自動小銃「」ジャキッ

ミスティ「――!! クロシュ、避け――」

妖精「クロシュ!!」

ウニ盾クロシュ「!」

 ダダダダダダ――
 鉄板「」カカカカカンッ

メイ「――!」

ローガン「すまぬ、遅れた!」ザッ

エバンス「クロシュちゃん無事か!!」ザザッ

イリス「あの子は――魔導人形の――!?」ザザッ


メイ「……敵性生命体、更なる増援を確認。戦況、不利――」ジャキッ


↓1選択 クロシュはどう戦う?
1.引き続き仲間の守りに専念
2.ウニ棘で反撃の機会を伺う
3.光学迷彩で不意打ちを狙う
4.自由安価

↓2コンマ 戦況
01-05 痛恨
06-50 劣勢
51-95 優勢
96-00 勝利
253 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/12(日) 14:11:59.28 ID:g/BB+Mlc0
2
254 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/12(日) 14:13:53.46 ID:R272xTKbO
255 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/12(日) 14:34:53.94 ID:aDiqD9rD0
選択:反撃(コンマ+20)
コンマ:46+20 優勢

メイ「」ダダダダンッ

ウニ盾クロシュ「!」カカカカンッ

エバンス「こっちだ!」バッ

メイ「!」ブンッ

エバンス「ウオッ!」ガギンッ

ローガン「私もいるぞ!」ジャッ

メイ「!」バッ


メイ「……敵性生命体の防御能力に合わせ、出力を再定義――」ジャキッ

 ブンッ
 鉄/板「」バギョッ

ローガン「ぬうう……! 鉄板を両断しただと……!!」

メイ「」タンッ

ウニ盾クロシュ「!!」グッ

ローガン「いかん! クロシュくん奴の攻撃を受けては――」

メイ「」ブオンッ

ウニ盾クロシュ「」シャッ

妖精「クロシュが避け――」

 ウニ棘「」ジャキンッ
 ドシュドシュッ!!

ウニ棘に刺されたメイ「……」

ウニ盾クロシュ「……」

 ウニ棘「」ボキボキッ

メイ「――損傷、中程度。戦闘続行」タンッ


↓1選択 クロシュはどう戦う?
1.ウニ盾で仲間の守りに専念
2.引き続き反撃の機会を伺う
3.光学迷彩で不意打ちを狙う
4.自由安価

↓2コンマ 戦況
01-05 痛恨
06-50 劣勢
51-00 勝利
256 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/12(日) 14:37:53.61 ID:C0f3FthDO
1
257 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/12(日) 14:46:59.44 ID:g/BB+Mlc0
258 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/12(日) 15:16:35.44 ID:aDiqD9rD0
選択:防御(コンマ+10)
コンマ:44+10

メイ「」ビビッ

ウニ盾クロシュ「」ギギンッ

妖精「鈍ってきてる……! 押してるよ!」

エバンス「このまま畳み掛け――」


メイ「」バッ

ミスティ「距離を取った……? もしかして逃げ――」

メイ「」ガシャコン―

 ミサイル「」ジャキン

ローガン「――!! 伏せろ!!」

ウニ盾クロシュ「」タッ

イリス「クロシュちゃん!」

 ミサイル「」バシュウウウウッ


 カッ
 ドガァァァァァァン――…


大亀クロシュ「」プスプス……

 デロデロ……

スライムクロシュ「」デロロ…

妖精「クロシューっ!!!」パタパタ

ローガン「クロシュくん……! だが……奴も自らの放ったミサイルの衝撃で……」


メイ「――戦闘継続、不可能――……」ドサッ


 ――戦闘終了
259 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/12(日) 17:13:48.79 ID:aDiqD9rD0
スライムクロシュ「」デロロ…

妖精「クロシュ! クロシュ!」パタパタ

スライムクロシュ「」モニョモニョ…

妖精「うん、うん、みんな無事だよ! あなたが守ってくれたから……」

スライムクロシュ「」モニョニョ…

スライムクロシュ「」zzz…

イリス「クロシュちゃん……!」

ミスティ「クロシュ……! まさか……」

妖精「……だ、大丈夫……眠っただけみたい……」

ローガン「また、助けられてしまったか……」

エバンス「くっ……俺が守ると言っておきながら守られちまった。情けねえ……」



メイ「……」ジジ バチバチ

イリス「この、魔導人形の子は……」

闇の武器商人「お、おい早くそいつを破壊してくれ! またいつ動き出すかわからねえだろ!」

ミスティ「……妖精を見て、同胞を救出するとか何とか……言っていたわ……。ねえ――」

闇の武器商人「えっ俺!?」

ミスティ「バグって……精核の元になったものの、自我が出た……魔導機械のこと、なの……?」

闇の武器商人「知らねえよ! いや、でも……そういう噂は聞いたことあるが……。バグって呼ばれる前は、幽霊に取り憑かれたなんて騒ぎも聞いたしな……」

ミスティ「……」

エバンス「……ちょいと失礼」スッ

 闇の武器商人の荷物「」ガサッ

闇の武器商人「おあっ何すんだ……!」

エバンス「いいだろ、助けてやったんだから。俺の推測が正しけりゃ――」

 精核「」ガサッ

イリス「あっ精核……!」

エバンス「やっぱりな……。この魔導人形が狙ってたのは、あんたの命じゃなくて、これだったんじゃないか?」

闇の武器商人「たまたま手に入った一個だけだぞ……! 違法パーツ屋の野郎なんか一個どころか数十個単位で持ってやがんだぞ!?」

妖精「……それの中身が何か知っていて、言ってるの?」ズイッ

闇の武器商人「……悪かった。数の問題じゃねえな……」

妖精「…………この精核は……私がもらっていく。お前たち人間が、これを持つ資格はない」

闇の武器商人「……」
260 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/12(日) 17:15:17.79 ID:aDiqD9rD0
メイ「」バチバチ…

ローガン「……この魔導人形の子は、どうする?」

妖精「……」

エバンス「……魔導人形には自己修復機能がある。放っておけば再起動して……また海賊やテロ行為をするようになるかもな」

妖精「うん……」

ミスティ「……人間の自業自得でしょ。こんな国の奴ら、滅ぼされてしまえば良いのよ……」

妖精「……そうかもしれない、けど。この国の奴らが何人殺られたところで、精核になった子たちが救われるわけではないし……。この子自身でさえ……きっと、永遠に救われない……」

ミスティ「……そうね……。ごめんなさい……頭に血が上っているわ……」

イリス「……でも、それじゃあ……一体、どうすれば救われるの……? 精核になった子たちも……この、魔導人形にされた子も……。一体、どうすれば……」

妖精「……」



メイ「―――……」ギギッ



妖精「えっ……?」

エバンス「………!!? バカな、再起動が早すぎる――」



スライムクロシュ「」zzz…

メイ「――影ノスライム、ヲ……特級危険生物ト認定――……殲滅、再開――……」ギッギギッ



妖精「や、やめてえ!!!」パタパタ

ミスティ「くっ……! ごめんなさい……!!」コォォ―



スライムクロシュ「」zzz
メイ「――」グオオッ

 氷柱「」ビュンッ
 ドスッ―

メイ「ア……」

 ドサッ…

 メイの精核「」ポロッ…

スライムクロシュ「……」ポトッ

 メイの精核「」ズズ…


イリス「あ……魔導人形の子の、精核が……クロシュちゃんの上に落ちて……」

ローガン「クロシュくんの中に……沈んでいく……」
261 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/12(日) 17:21:22.53 ID:aDiqD9rD0
―緑の国フォレスティナ?
 世界樹の麓?

 グスッ ヒグッ…

クロシュ「……?」モニョ

森妖精?「ぐすっ……えぐ、えぐ……」

クロシュ「?」モニョニョ?

森妖精?「……? スライム、さん……?」

クロシュ「〜」モニョモニョ

森妖精?「……うん……。とっても、寒くて……苦しくて……寂しくて……。何も、見えないの……」

クロシュ「〜」モニョ

森妖精?「ずっと、真っ暗で……。何も、思い出せなくて……。びりびりして、体中が痛いの……」

クロシュ「…」モニョ…

森妖精?「それでも……わたし、がんばって……みんなを、助けに行ってるんだよ……。みんなも……きっと……寂しい、から……」

クロシュ「……」

森妖精?「わたしががんばれば……悪い人たちに捕まってる、みんなを……解放してあげられる、はずだもん……」

クロシュ「〜〜?」モニョモニョ?

森妖精?「えっ……? わたし……?」

クロシュ「〜」モニョ

森妖精?「わたしは……。でも……みんな、自由に動けないもん……。動けるわたしが……わたしがわたしでいられる、わたしが、やらなきゃ……」グスッ

クロシュ「〜」モニョニョ…

森妖精?「ぐすっ……わたしだって……助かりたいよぉ……」ポロポロ

クロシュ「……」モニョ…

 ぎゅっ……

森妖精?「ふえ……。スライムさん……?」

クロシュ「」モニョ

森妖精?「ん………あったかい……」

クロシュ「」モニョニョ

森妖精「うん……。えへへ……なんだか……スライムさんの、中で……溶け、ちゃいそう……」

クロシュ「」モニョモニョ

森妖精?「うん……ありがと……。スライムさん、やさしいね………」

クロシュ「」モニョ

森妖精?「……えへ、へ………」

クロシュ「」モニョ

森妖精?「……………スライムさんに……精霊の加護が……あります、よう………」

クロシュ「」モニョニョ

森妖精?「……」

森妖精?「…………」

森妖精?「……………………」


クロシュ「……」

クロシュ「…………精霊の加護が……ありますよう…………」

――――――
―――
262 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/12(日) 17:22:42.29 ID:aDiqD9rD0
―裏通り

メイ841の残骸「」


スライムクロシュ「……」モニョ

妖精「クロシュ……! け、怪我はない……!? 大丈夫!?」パタパタ

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

妖精「え……? その魔導人形の元になった子と……会った……?」

スライムクロシュ「」モニョ

ミスティ「ほ、本当に……!? 精核を取り込んだから……? いえ、でも精核はどうなったの?」

 デロデロ……

クロシュ「……えと……食べちゃった……かも……」

妖精「え、ええ!?」

ミスティ「た、食べ……」

イリス「食べちゃった……!?」

クロシュ「うん……」

エバンス「だ、大丈夫なのか!?」

クロシュ「うん……」

ローガン「う、うむ……。大丈夫なら良いが……。いや、良いのか……?」

妖精「………でも……食べて、食べられて……この星の命は巡ってる……。だから……これも、一つの正解なのかも……」

ミスティ「そ、そうなの?」

妖精「うん。精核がクロシュの中で溶けて殻を失えば……その魂もやがて星に還るはず。きっと、ただ壊すよりもずっと……緩やかで優しい、終わらせ方になると思う……。クロシュの中なら……寒くも、寂しくも、ないだろうから……」

クロシュ「……」

妖精「……クロシュ。寝起きのところ……悪いんだけれど……。これも……食べてもらえる……?」スッ

 闇の武器商人から取り上げた精核「」

クロシュ「うん……」

 パクッ…モニョモニョ…


 ☆メイ841を撃破しました
 ☆クロシュが精核を食べられるようになりました

 ◆

↓1コンマ 戦利品
01-80 メイドブレード
81-95 ↑+メイドジェット
96-00 ↑+??
263 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/12(日) 17:23:32.22 ID:g/BB+Mlc0
264 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/12(日) 17:23:48.05 ID:H5zjI86YO
265 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/12(日) 19:38:36.46 ID:aDiqD9rD0
―港湾都市ウォーターポート 滞在9日目
 ◆パーティメンバー
 ◇クロシュ 武:ウニ盾   防:ゴスロリエプロン
 ◇妖精   武:なし    防:エルフのレオタード
 ◇イリス  武:精霊樹の杖 防:魔術師のローブ
 ◇ミスティ 武:魔銀の短剣 防:精霊のローブ
 ◇ローガン 武:鋼の剣   防:革の鎧
 ◇エバンス 武:鉄の剣   防:革の鎧
 ・共通   飾:くすんだ耳飾り

◯所持アイテム
・鉄鍋+携帯調理器具
・蜘蛛絹の下着
・ザリガニのお守り
・魔術書「星の魔力」
・魔族国永久旅券*5
・マジカルブラッドワイン
・反魂丹*2
・運命賽*2
・雨乞い傘
・フメイの服の切れ端
・精霊の印*5
・精霊樹の実のジャム
・鋼の回転ノコギリ
・精霊樹の鉢植え
・フメイとアリシラの人形
・お宿の焼き菓子
・お宿の妖精の織物
・メルルの帽子
・魔導飯盒
・妨害魔力波発生装置
・属性大全
・メイドブレード

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[0/5]
・トコナツ火山島行きの船を探す
・海渡りの姿を獲得する[2/3]

◯仲間の目標
・ブラッドを倒す(ミスティ)
・星属性の練習(イリス)[1/4]
……………………………………………………………………………………
□港湾都市ウォーターポート 主要施設
大通り:旅の船着場、武具店、雑貨店、魔法店、鮮魚店、食品店、食事処、酒場、浴場、冒険者ギルド、他
裏通り:占い屋、怪しい露天商、暗黒商店、奴隷商店、他
沿岸部:港、造船所、魚河岸、灯台、他
……………………………………………………………………………………
□機械工業都市テンペスター 主要施設
大通り:武具店、雑貨店、機械店、無人食事処、自販機通り、冒険者ギルド、他
裏通り:闇市、薄暗い路地裏、他
沿岸部:港、造船所、コンテナ港、工場地帯、灯台、他
……………………………………………………………………………………
266 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/12(日) 19:39:04.07 ID:aDiqD9rD0
訂正
・星属性の練習(イリス)[1/4] → [2/4]
267 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/12(日) 19:40:05.74 ID:aDiqD9rD0
訂訂正
・トコナツ火山島行きの船を探す → 達成!
・海渡りの姿を獲得する[2/3] → [3/3]達成!
268 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/12(日) 19:40:36.81 ID:aDiqD9rD0
―旅の船着場
 ロビー

宿の看板娘「もう出発されるのですか?」

ミスティ「ええ……。ソリの預かり、お願いね」

ローガン「私の鎖帷子は……まあ最悪無くしてしまっても良いぞ。大したものではないからな」

宿の看板娘「いえいえ、しっかり大事に預からせていただきますよ! 預かり代もきちんと頂いてるんですから!」

ローガン「ソリ分だけだろう」

宿の看板娘「誤差です誤差!」

 ◇

―海岸

 ザァーン ザザァーン―

カモメ「クゥー、クゥー」

カニ「チョキチョキ」


大亀クロシュ「……」プカプカ

妖精「クロシュ、大丈夫……? 昨日大怪我したんだし、あんまり無理しない方が……」

大亀クロシュ「〜〜」モニョモニョ

エバンス「……クロシュちゃんは何て?」

妖精「平気だって……。まあ確かに、一晩で怪我もすっかり治っちゃってたけど……」

大亀クロシュ「〜〜」モニョモニョ

妖精「……そうだね。あんまりボヤボヤしてるとフメイたちに先を越されちゃうし、確かに早く行った方が良い……」

大亀クロシュ「〜」モニョ

イリス「私も救命用の水魔法を使えるから、もしクロシュちゃんが疲れちゃってもカバーできるよ!」

エバンス「俺も水に強い泥舟を作れるようになったからある程度は大丈夫だ!」

ローガン「私も中が空洞になっていて水に浮く鋼材を作れるようになった。万が一の時はイカダも作れるぞ」

ミスティ「……私も氷で足場を作れるわ……。冷たいけどね……」

大亀クロシュ「!」モニョ…!

妖精「……ふう。まあ確かに、この街でちょっと時間を食いすぎた感じもあるし、あんまりのんびりはしてられないか」

大亀クロシュ「〜〜」モニョモニョ

妖精「わかったよ。行こう……! トコナツ島へ!」

 ◇
269 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/12(日) 19:41:51.79 ID:aDiqD9rD0
―海

 帆「」バサッ

大亀クロシュ「」スイスイ


イリス「おお〜!! すいすい進んでく……!!」

エバンス「こりゃすげえ……! 魔導クルーザーに匹敵するスピードじゃねえか!?」

ローガン「本当に速い……! 揺れも少ないし、なんと快適な航行だろうか……!」


 遠ざかっていく港湾都市と機械都市「」

ミスティ「……」グッ

妖精「……いつか、取り返す。私たち妖精が奪われたものを、必ず――」

ミスティ「……ええ。私も手伝うわ……。昨日の、哀しい魔導人形の子のような犠牲者を……増やさない為に……」

妖精「ありがとう……。あなたのような……あなたたちのような人間がいてくれるから……人間を、嫌いになり切れない」


 ――港湾都市ウォーターポート&機械工業都市テンペスター編 完
270 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/12(日) 19:42:17.67 ID:aDiqD9rD0
クリアボーナス
↓1
01-60 運命賽(致命的な運命を辿った時、直前の判定を振り直せる。一度使うとなくなる)
61-90 ↑+メイドブレード強化
91-00 ↑+会心賽(判定時に会心と書き込むと、コンマに関わらず最上の結果となる。一度使うとなくなる)
271 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/12(日) 19:42:35.06 ID:g/BB+Mlc0
272 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/12(日) 21:36:50.80 ID:aDiqD9rD0
コンマ06 運命賽+1(合計3)


―海上
 大亀クロシュの甲羅上の小屋

妖精「ねえ、ところでこれは……」

 メイドブレード「」

ローガン「これは……私の作り出した鉄板をも両断したあの片刃の剣か。見た目はやや細身の片刃の剣だが……」

エバンス「気が付いたら大亀クロシュちゃんの背中の小屋の中に置いてあったんだよ。別に誰かが取ってきたわけじゃないと思うぜ」

イリス「特殊な魔力コーティングがしてあるみたい。あのものすごい切れ味はそのコーティングのお陰なのかも」

 メイドブレード「」

妖精「……微かに妖精の魔力を感じる……。もしかしたら……クロシュに託したのかも……」

ミスティ「クロシュに……」

 ズズ…

クロシュ「わたしに……?」ヌッ

妖精「わあ! クロシュ今大亀になって泳いでるんじゃ……」

クロシュ「あ、えと……ここ、わたしの体だから……」

妖精「あ、ああ……なるほどね。それでね……この剣、多分……クロシュに贈ったものだと思うから、受け取ってあげてくれる……?」

 メイドブレード「」キラン

クロシュ「………うん……。わたしの中に溶けた、メイちゃんの魔力が……これを使って欲しいって、言ってる気がする……」

妖精「そうなんだ……。じゃあ、大事に使ってあげよう?」

クロシュ「うん……」

 メイドブレード「」キラン

 ☆クロシュがメイドブレードを装備できるようになりました
 ☆メイちゃんの精核に宿っていた魔力と経験を吸収し、剣技の練度が上がりました(練度:中)

 *

ミスティ「ところでさらっと流されちゃったけれど……今ここにいるクロシュは、海を泳いでる大亀のクロシュの分体なの……? まさか分体を作れるようになったの……?」

クロシュ「んーん……。えと……大亀さんになってるわたしから離れたら……デロデロになって消えちゃうと思うから……。分体じゃなくって、えっと……」

イリス「クロシュちゃんがクロシュちゃんの体から生やしたクロシュちゃんの形をした器官……ってとこ?」

クロシュ「えと……たぶん、そう……。分体は……まだ、うまく作れない……」

 ◆
273 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/12(日) 21:41:10.20 ID:aDiqD9rD0
◆幕間◆

―港湾都市ウォーターポート
 裏通り

メイ841の残骸「」

白衣のエルフ幼女「ふうん、精核かぁ……。セイントレア社もえげつないもんを考えつくねぇ」

白衣のクワガタ頭「ユーが言えたことかね? ミーからすればユーの方がよほどクレイジーマッドサイエンチストだが」

白衣のエルフ幼女「はあ? 虫をぐちゃぐちゃに組み替えて遊ぶサイコ野郎のあなたにだけは言われたくないんですけど?」

白衣のクワガタ頭「ノー!! ミーのそれはLOVEゆえのトライアル&エラー……遊んでいるわけではナッシン!」

白衣のエルフ幼女「愛さえあれば何をしても良いってこと? アッハ、サイッテー!」ケラケラ

白衣のクワガタ頭「プライズワードとしてレシーヴィングしよう」



メイ841の残骸「」

白衣のエルフ幼女「にしてもこの残骸……精核が残ってないし、腕に付いてるはずのブレードも外されてる。破壊者が奪ったのかな?」

白衣のクワガタ頭「それはワンダーだ。メイドウェポンはアームマシンガンやジェットパックの方がパワフル&エクスペンシブ! わざわざブレードだけロビングするミーンは?」

白衣のエルフ幼女「確かに不可解……。マシンガンやジェットの方が高く売れるし、自分で使うにしても強いはず。ブレードなんて一番微妙な武装だと思うけど」

白衣のクワガタ頭「そこから導き出されるアンサーは――つまり、LOVE!!」

白衣のエルフ幼女「はあ? 脳にウジでも飼ってるんですか? 本当に飼ってそうだけど」

白衣のクワガタ頭「トークはラストまでリッスン! フェアリーはマシーンをヘイティング……バット、ブレードはノットマシーン……ビコーズ?」

白衣のエルフ幼女「ああもう面倒くさい普通に喋れ! 妖精は機械嫌いでブレードは機械じゃないから、何!?」

白衣のクワガタ頭「おっと。餌のアワーゆえ、ミーはこれにてエクスキューズする。カリスサンもあまりウィングアイを外しすぎぬよう。ユーは元ウォンテッドボディであること、ドンフォゲッ――」ササッ

白衣のエルフ幼女「元でしょ、元。ロイエの腐れカルティスト共にロンダリングさせたので今の私は清廉潔白です〜」



メイ841の残骸「」

白衣のエルフ幼女「さて、調査の続き続き。ここの戦闘跡……このメイド人形は多対一を強いられていたみたい。感じ取れる魔力は、氷、地、鋼、水、風……ん、自然……?」

白衣のエルフ幼女「クワガタの言ってたラブってのは、この自然魔法の使い手……同類への手向けってわけ? ふうん、あいつやっぱりロマンチストだな。最低だけど」

白衣のエルフ幼女「まあいいか。あとこの魔力反応は……かなり昔に覚えがある……なんだったっけ、これ……あ!! 星!!!」

白衣のエルフ幼女「え、マジ? 星の使い手がいたの? うわ、これは大収穫……なんとしても捕まえたいなぁ……! いひひひ……」

白衣のエルフ幼女「んふふ〜星〜星〜星属性〜♪ きらきらひかる〜いのちの〜……ん?」

 何かの跡「」

白衣のエルフ幼女「なんだこりゃ。スライムの破片? 地面にこびりついてるけど……んん〜この魔力反応は……」

白衣のエルフ幼女「……反映魔法!? ブラッドちゃん!?」ガバッ

白衣のエルフ幼女「…………いや、あの生意気メスガキスライムが人間なんかと徒党を組むわけないか。だとしたら別の……うう〜ん……」

白衣のエルフ幼女「……もしかしてあの失敗作とか? いやでもあんな貧弱生物が今日まで生き延びられるわけないし……」

白衣のエルフ幼女「まあいいか。ネバネバ下等生物なんかより星属性の方が大事もんね〜〜んふふふ〜〜〜♪」

 ◆
274 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/12(日) 21:48:14.55 ID:+iZD6bV5O
クロシュの出生は実験動物?
275 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/05/12(日) 21:49:31.05 ID:aDiqD9rD0
というわけで本日はここまでです。港湾都市&機械都市編、無事クリアおめでとうございます
次回は航海中のランダムイベントからとなります

港湾都市編ラストは、本筋を追うだけなら挑まなくとも良い強敵との激しいバトルを制しての決着と相成りました
クロシュたちの旅はまだ始まったばかりであり、この大陸や周辺国には未だ数多くの問題、苦しみが未解決のまま降り積もっています。それらをどうにかできるかどうかはわかりませんが、此度のクロシュちゃんたちは目を逸らさず、立ち向かう決意をしました。それはいつか、この星を少しだけ良い方へ変える切っ掛けとなるのかもしれません。今後のクロシュちゃんたちの活躍をどうぞお見守りくださいませ
なおクロシュ氏の出自が何なのかは未だ闇に包まれています。その答えはブラッド辺りが知っているかもしれませんが、ブラッド氏はあんな性格なので簡単には教えてくれないかもしれません。精進しましょう

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いします
276 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/13(月) 01:47:06.36 ID:gChSEnVVo
乙乙
つまりブラッドを力付くで屈服させれば良いのですね
277 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/13(月) 07:29:28.69 ID:9rS2Fg0io
乙です
修行としてとてもいい感じになったな港湾都市編
ブラッドちゃんとまた一つ因縁生まれたか?
今猛烈にフメイちゃんと会いたい色々聞きたいことが出てきた…!
278 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/13(月) 11:39:06.17 ID:1b6ZCyQvO

食べて救う…そういう救い方もあるのか!
しかし合成とか経験の吸収とかインチキじみた能力がどんどん増えていく…
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